【就活】エントリーシートと履歴書の違いとは?両方提出する際のポイント

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【就活】エントリーシートと履歴書の違いとは?両方提出する際のポイント

就活において多くの学生にとって悩みのタネとなるのが、「エントリーシート(ES)」と「履歴書」の使い分けです。両方とも選考書類の一部として企業に提出しますが、それぞれの役割や目的が異なります。

どちらも必要な書類となるのですが、ESと履歴書を使い分けるのか、両方とも同じで扱っていいのか分からない人もいるでしょう。

そこで、エントリーシートと履歴書の違いや両方提出する際のポイントを解説していきます。

就活の第一歩!エントリーシートと履歴書の違いとは?

就職活動において、「エントリーシート」と「履歴書」の違いを理解するのは基本的なところです。両方とも性質・目的・記載内容には明確な違いがあります。

履歴書は就活生の基本的な経歴情報を確認するための書類であり、定型的なフォーマットに沿って記入するのが一般的です。

一方、エントリーシートは企業が就活生の人物像や価値観、思考力を見極めるために独自に設定する記述式の書類です。

両方を混同してしまうと、同じ内容を繰り返してしまい、印象が悪くなる恐れがあります。まずは、基本的な定義と役割の違いをしっかり押さえておきましょう。

履歴書とは?フォーマットと役割

履歴書とは、就活生の氏名・学歴・資格・連絡先といった、基本情報を記載する書類です。日本では、学校が指定する様式や「JIS規格(日本産業規格)」に準拠した履歴書が広く使われています。

人事担当者は履歴書を見て応募者が「最低限の要件を満たしているか」、「経歴に不自然な点はないか」などを確認します。また、履歴書の整え方や記載の丁寧さから、就活生の誠実さや基本的な社会的マナー、常識、書類作成の能力も見られています。

・主な特徴や役割:

定型フォーマットがあり、記入欄があらかじめ決まっており、手書きやPC入力で仕上げるのが基本です。企業によっては「手書き指定」となる場合があります。

・記入項目:

基本情報・学歴・資格・志望動機などを簡潔に記入します。要点を簡潔にまとめ、A4サイズ1枚(または2つ折り1枚)が基本となるでしょう。

・提出書類としての「証明書」的役割:

履歴書は「応募者の基本情報を公式に提示する書類」としての性質が強く、人事担当者が保管・管理しやすいようになっています。

履歴書は就活書類の基本ともいえる存在です。読みやすさや記入漏れの有無といった細かい部分も評価対象になります。

エントリーシートとは?企業独自の質問が多い

エントリーシートは、企業が独自に設ける選考用の記述式書類です。履歴書が定型であるのに対し、エントリーシートの内容や設問形式は企業ごとに異なっており、志望動機だけでなく、自己PRや将来の展望などを把握するために使用します。

企業はエントリーシートを通して、就活生がどのような人物なのか、どのような経験や考えを持っているのかを理解するのに用いています。また、論理的な文章構成力や表現力、社会的常識、誠実さを評価する材料にもなります。

・主な特徴・役割:

似たような内容にもなりますが、基本的にフォーマットは企業によって異なります。提出はWeb入力フォーム、PDF、Word形式などさまざまで、郵送の場合もあります。

「学生時代に力を入れたこと」「入社後にやりたいこと」など企業の特色に合わせた設問内容となるでしょう。

・質問内容の例:

自己PRやガクチカ(学生時代に力をいれたこと)、志望動機、価値観などがあり、どの業界にも必須といえます。

特にガクチカ(学生時代に力を入れたこと)はどの業界でも頻出しており、過去の経験から学んだこと、自分の強みを証明するようなエピソードが求められます。

・応募者の個性や思考力、文章力を見るためのツール:

同じような学歴・スキルを持つ学生が多数いる中で、「自分らしさ」「考えの深さ」「企業との親和性」をどれだけ言語化して差別化を図れるかが評価ポイントとなります。

エントリーシートでは、「何をしたか」よりも「なぜそれをしたか」「どう考え、何を学んだか」が重視されます。自分の強みを活かした価値観となるようなエピソードが必要です。

エントリーシートと履歴書の形式・内容・目的の違いを徹底比較

エントリーシートと履歴書の形式や内容、目的の違いを比較していきます。

フォーマットと内容面での違い

エントリーシートと履歴書は、どちらも企業に提出する書類となりますが、その目的や構成、書き方の自由度に大きな違いがあります。以下に比較しているので確認していきましょう。

●フォーマット

・履歴書:定型(JIS規格・学校指定など)

・ES:企業ごとの様式

●記入内容

・履歴書:基本情報、学歴・資格、志望動機(簡潔)など

・ES:自己PR、ガクチカ、志望動機(深掘り)など

●目的

・履歴書:経歴・資格の確認/スクリーニング

・ES:人柄・志向性・適性の評価

●自由度

・履歴書:低い(記入欄が決まっている)

・ES:高い(設問形式・記述量に自由度あり)

●分量

・履歴書:A4用紙1枚程度

・ES:A4 2~3枚、設問ごとに400~800字が主流

●書き方

・履歴書:箇条書きも多い/簡潔さ重視

・ES:文章形式/論理構成と説得力が重要

企業が両方を求めるのは評価点が異なるため

企業がエントリーシートと履歴書を両方求める理由は、異なる側面から就活生を評価するためです。たとえば、履歴書では学歴や資格、基本的な書類作成能力(字のきれいさ、誤字脱字の有無など)を確認します。

一方、エントリーシートでは「その人物がどう考え、行動してきたか」「企業文化にマッチするか」といった将来性やスキルの面を重点的に見ています。

どちらも入社してから戦力になれるかどうかを見ており、両方の書類を通して別々に判断されるものです。

企業がそれぞれの書類から見ているポイントとは?

人事担当者は、履歴書とエントリーシートを別の角度から評価しています。履歴書は「事実」を確認するものであり、エントリーシートは「主観」と「表現力」を判断しています。

企業側の思惑として、それぞれの違いをもう少し深掘りしていきましょう。

履歴書から見る「信頼性・誠実性・整合性」といったポイント

履歴書は、就活生がどのような学歴や資格を持っているかを示す「公式文書」です。就活だけでなく、アルバイトでも使われる標準的な書類ですが、企業が見るポイントは表面的な情報だけではありません。

企業は履歴書から、「この人は社会人としての基本ができているか?」「信頼できる人物か?」という観点でチェックしています。履歴書の書き方ひとつで、仕事への向き合い方や誠実さまでもが垣間見えるのです。

●履歴書で評価される具体ポイント

1.虚偽記載のチェック

たとえば、「TOEIC 900点」や「全国大会出場」といった大きな実績が書かれていても、明らかに経験や背景と一致しない場合、企業は「本当だろうか?」と疑います。事実の誇張や嘘は、内定取消のリスクすらある重大なNG表現です。

2.資格・学歴の整合性

エントリーシートやマイページ情報と照らし合わせて、学歴・取得年月・資格の整合性が取れているかを厳密に確認されます。整合性が取れていないと信頼性もなくなります。

3.誤字脱字から見える「基本的な丁寧さ」

履歴書で誤字脱字があると「提出前に確認しない人」として評価が下がります。仕事でもミスが多く、振り返りをしない人物だとイメージされてしまうでしょう。決して綺麗な文字を書く必要はありませんが、ゆっくりと読みやすい字を書く丁寧さは評価ポイントといえます。

4.提出スタイルの正確さ

基本的な部分となりますが、写真がまっすぐに貼られていない、印刷が薄い、封筒に折れや汚れがあるなど、人に読んでもらうための配慮が足りない場合、「雑な人」と思われる要因になります。

履歴書は形式的で地味な書類に見えますが、企業にとっては「大切な仕事を任せられるに値する人物か」を見極めるための大事な判断材料です。

エントリーシートから見える「思考力・共感力・将来性」

エントリーシートは、「この人と働きたい」と企業に思わせるための自己表現の書類です。形式が定まっていない分、書き方や内容に個性が反映されるため、企業ごとの対策や自己分析の内容が問われます。

企業は単に何をやったかではなく、「なぜやったか」「どう考えたか」「どう学んだか」を見ています。

●ESで評価される具体ポイント

1.自己分析の深さ

ただ「頑張ったこと」を書くだけではアピールになりません。頑張った背景の動機、乗り越えた課題、そこから得た気づきまでを掘り下げているかが重要です。企業は「自分の強みを理解し、適切に伝えられる力」を見ています。

2.志望動機の納得度

「なんとなく興味がある」「雰囲気がよさそう」など、ふんわりした動機では企業に通用しません。企業理念や事業内容、社会的意義など、企業との接点をしっかり把握できていると、その熱意が本物であることが伝わります。

3.一貫性のあるストーリー構成

自己PR・ガクチカ・志望動機のそれぞれに一貫した価値観や人物像が通っていると、しっかりと軸を持って説明できていることが評価されます。

逆に、自己PRやガクチカで一貫性がない場合、信憑性もなくなりますので志望動機も疑われてしまいます。

4.共感力・社会性

エントリーシートの中で周囲との関係性(協調性や巻き込み力)が伝わると、単なる「自己完結型」の人ではなく、ホウレンソウや横のつながりもできる柔軟な思考を持っていると評価されやすくなるでしょう。

両方提出する際のポイントとは?

就職活動では、履歴書とエントリーシートの両方の提出を求められるケースが多くあります。

履歴書とエントリーシートは、それぞれの性質を踏まえて役割分担を行うことが大切です。「履歴書で端的に伝える」「エントリーシートで深く掘り下げる」というように、同じ内容にならないように、しっかり構成することで、他の就活生と差別化が図れるようになります。

同じ内容を書いてしまっていないか

もっともよくある失敗例が、履歴書とエントリーシートにまったく同じ「志望動機」や「自己PR」を書いてしまうケースです。履歴書にも志望動機や自己PRを記入する欄がありますが、こちらは簡潔にまとめる程度で構いません。

企業は履歴書とエントリーシートを一緒に読み比べているので、同じ内容は避けるようにしましょう。

差別化のポイントとして、自己PRや志望動機などの重複しやすい項目は視点を変えるようにします。たとえば、履歴書では企業の基本情報に触れながら簡潔に要約し、エントリーシートでは入社後のビジョンや企業とのマッチ度にフォーカスするなど、区別するようにしましょう。

書く順番は履歴書から

書く順番に悩む人も多いですが、基本的には履歴書から先に書くのが効果的です。履歴書は情報を簡潔にまとめる必要があるため、先に書いていくのが無難です。

次にエントリーシートでは、履歴書で触れた内容を具体的な背景や感情、学びを加え、一貫性を保つことで信憑性が深まります。

履歴書とエントリーシートに整合性が取れないとNGですので気を付けましょう。

文章の文体をそろえる

履歴書とエントリーシートの文体がバラバラになってしまうと読みづらく、違う人が書いたものと思われてしまいます。文体は「です・ます調」「である調」の2種類がありますが、就活では基本的に「です・ます調」を使います。

ただ、自己PRや志望動機は論文のような書き方になってしまう場合があります。履歴書の志望動機や自己PR文で「である調」はどことなく上から目線のようなイメージとなり、就活の採用では好ましくありません。

ただ、統一感がないと、「文章に一貫性がない人」「場面に応じた文体を使い分けられない人」というマイナス印象を与えかねないので、エントリーシートも「です・ます調」で揃えるようにしましょう。

提出形式とマナー

就活ではエントリーシートや履歴書の提出方法も多様化しています。以前は手書き・郵送が主流でしたが、今ではほとんどの企業がWeb提出やオンラインアップロードを採用しています。

とはいえ、特定の業界や企業では手書きの履歴書を採用していますし、選考によっては郵送を指定している場合もあるものです。提出形式によって注意すべきポイントやマナーが異なるので、しっかりと理解して準備するようにしましょう。

主流のWeb提出は読みやすさと整っている感が重要

Webフォームへの直接入力やファイルをアップロードする方法では、オンラインの環境さえあればだれでも簡単に提出可能です。Webフォームは、企業からすると、フォーマットを統一できるので、就活生ごとの特徴の違いを見つけやすく管理もしやすいメリットがあります。

一方、Web提出はPDF化の注意点があります。レイアウト崩れやフォントの互換性、段落のズレなどが生じやすく、Wordで作成したものと違った表示となり、企業側で読みづらくなってしまうケースがあります。PDF化した場合は、必ず一度印刷して確認するようにしましょう。

また、文字サイズや余白、行間も意識して読みやすい配慮をするようにするとマイナス評価となりません。ファイル名には氏名+提出日などで統一するようにしておくようにしましょう。

もちろん、指定の条件がある場合はきっちりと従うように気を付けてください。

手書きの場合は丁寧さが大事

どの企業でもデジタル化が進んでいますが、手書きの履歴書を重視する企業も一部存在しています。教育業界や地方公務員、伝統ある企業などでは、人柄を重視し、丁寧な作業をする人を好む傾向があります。

履歴書を手書きで作成する場合、最も大切なのは「丁寧さ」と「読みやすさ」です。綺麗な字を書くことよりも、じっくりと丁寧に書いた文章というのは好感を抱きやすくなるものです。

手書きで気になる点がくせ字や斜め書きになってしまうところです。自然と文章が右上がりや右下がりになってしまう人は、特に真っ直ぐ書くのを意識するようにしてください。

当たり前ですが、黒のボールペンで楷書を意識し、消せるボールペンはNGです。コピー用紙などにまずは下書きしておき、丁寧な文章を心がけましょう。

郵送提出はマナーを守る

Web提出が主流とはいえ、選考書類や証明書類などを郵送で提出するケースもあります。手書きの場合は基本郵送であり、パソコンで作成しても郵送で提出する会社もあります。

郵送での注意点として、宛名の書き方や書類の向きがあります。

封筒の宛名は社会人マナーとして書き方に注意してください。

・宛先には「株式会社〇〇 人事部 採用ご担当者様」と丁寧に記入します。

・部署名で終わる場合は「御中」、個人名であれば「様」を使いましょう。

・縦書き/横書きは企業指定がなければどちらでも可能です。

また、書類はクリアファイルに入れておくと汚れや曲がり、折れを防げます。添え状を同封することで、担当者からすると「誰から・何の目的で・何を同封したか」が一目で伝わります。

提出日にも注意が必要です。簡易書留を利用するのが望ましく、消印ではなく提出期限までに到着するようにしましょう。ポストからよりも窓口に直接持ち込んだ方が安心できます。

業界・企業別の提出傾向とポイント

就活では、業界によってエントリーシートと履歴書の扱いが異なることもあります。以下に代表的な業界別の傾向と対策を紹介します。

金融・保険系:履歴書+ESの両方提出が多い

金融業界では、誠実さ・信頼性・書類の整合性が非常に重視されます。これは職業柄でもあり、少しのミスであってもマイナス評価となる可能性があります。

履歴書も手書き指定のケースがあり、ミスや書き直しに時間がかかることもあるので注意が必要です。

エントリーシートでは、数字に基づいた実績や、責任感を感じさせるエピソードが求められがちです。論理性と安定性を強調できる内容がポイントといえるでしょう。

メーカー・インフラ系:実体験重視のESを求める傾向

メーカーやインフラ系では、課題解決力・実務力をアピールできるエピソードが無難です。アルバイトや研究活動、チームでの成果など、実績に基づいた内容で構成します。

履歴書は一般的な形式で問題ありませんが、エントリーシートでは、PREP法やSTAR法を活用すると効果的です。

広告・マスコミ系:自由記述型ESで個性を表現

表現力やアイデア力を問われる業界のため、自由形式のエントリーシートが多く見られます。

履歴書は形式通りでよいものの、エントリーシートでは個性を強調するような「自分らしさ」や「言葉のセンス」が選考通過のポイントといえます。

ありきたりな内容ではライバルに遅れをとる可能性もあります。

エントリーシートと履歴書の違いでよくある疑問Q&A

Q1:履歴書とES、同じ志望動機でも問題ない?

A:基本的な軸が同じでも構いませんが、表現やエピソードの使い分けは必要です。履歴書では簡潔にまとめ、ESでは熱意や背景まで深掘りして説明しましょう。

Q2:ESに写真を貼らなくてもいいの?

A:不要です。基本的に履歴書に写真が必要ですが、企業によっては「顔写真付きエントリーシート」の提出が必要となることもあるので、募集要項をよく確認してください。

Q3:Web入力とPDFアップロード、どちらが有利?

A:一概にどちらが有利とはいえません。PDFは印刷で見直しの確認できますが、Web入力はミスをすると後で修正できないので致命的です。

PDF提出ではレイアウト・保存形式の丁寧さが必要となりますので、どちらも同じくらい慎重に作業しましょう。

履歴書とエントリーシートで差がつく構成例

就活では、履歴書とエントリーシートの使い分けが選考通過のカギとなります。履歴書とエントリーシートで差が付く構成例を紹介していきます。

商社志望:履歴書は要約、ESで熱意を表現

志望業界:総合商社(営業職)

大学:私立文系大学

特長:自己分析に時間をかけ、言葉選びにこだわったES

ポイント:履歴書の志望動機は2〜3行で要約し、ESは留学経験から志望動機に展開

<構成例>

・履歴書

企業のグローバル事業展開に魅力を感じたことを挙げ、自身の語学力と行動力を活かしたい

・ES

アメリカ留学中の現地インターンで学んだ「提案力」や「ニーズ把握力」を中心に、実体験ベースで構成。800字に及ぶ文章で具体的なエピソードと共に志望動機を展開。

履歴書の要約をESで具体的な例をもとに強みをアピールできる構成となっています。エントリーシートで自己PRと志望動機に結び付きやすくなっているのが特徴です。

「同じことを繰り返さない」「履歴書で関心を引き、ESで確信させる」という段階的に魅力を高めていく構成を意識し、他の就活生との差別化を図るのがポイントです。

メーカー志望:ガクチカを分けて書いた戦略

志望業界:大手メーカー(技術系)

大学:国立理系大学

特長:資格と実践力の両立をアピール

理系の特性を活かし、履歴書とESに異なる強みを配置することで、より多角的なアピールが可能となります。

ポイント:履歴書には資格取得を中心に記載し、ESでは、研究室でのプロジェクト体験を中心に展開

<構成例>

・履歴書

TOEICや機械設計技術者試験、情報系の国家資格など、「計画的にスキルを積んできた事実」をアピール。

・ES

既存製品の歩留まり改善をテーマに、課題発見→分析→改善提案までを自身の取り組みとして具体的に紹介。仲間との役割分担や失敗からの学びにも言及し、行動力・協調性を表現。

メーカーが欲しがる人材につながり、論理的かつ実行力のある学生として将来性も高く評価されます。生産技術などの研究職だけでなく、現場で活躍する技術者の姿がイメージできるのがポイントです。

履歴書で資格などのスペックを見せて、ESで人間性を伝えるという手法は、理系学生にとって効果的な戦略といえるでしょう。

履歴書・エントリーシートのよくあるNGパターン

履歴書やエントリーシートでどれだけ誠意を込めても、読み手の視点を意識せずに提出すると、それだけで評価が下がることがあります。とくにエントリーシートと履歴書の内容・文体・印象にギャップがあると、準備不足で一貫性がないとみなされることも少なくありません。

ここでは、実際に多くの就活生が陥りがちなNGパターンと改善策を解説します。

どちらにも同じエピソードばかり書いている

よくあるNGパターンの一つが、履歴書とエントリーシートに同じエピソードを繰り返してしまうケースです。

たとえば、ガクチカに「ゼミでの研究活動」を履歴書にもESにも同じように記載した場合、人事担当者からは「深掘りできていない」と受け取られてしまいます。

なぜNGなのかというと、ガクチカは長い学生生活において、経験が少なく自己分析が足りていないと思われてしまいます。ガクチカは何も大学生だけでなく、中学生や高校生のときに経験したことや学んだことをピックアップしても構いません。

話題が乏しく、自分の強みを活かしきれていないと判断されてしまい、社会人として上辺だけの仕事をしてしまい、反省や振り返りから学ぶ姿勢がないと評価される恐れがあります。

改善ポイントとして、同じテーマを使う場合でも、「視点を変えて切り取る」ことが重要です。たとえば、履歴書では研究テーマと成果、ESではその過程でどんな困難をどう乗り越えたかを説明できるといいでしょう。

また、別の経験を組み合わせることで、人物像に厚みを持たせる方法があります。履歴書で学業系をアピールし、ESでサークルやアルバイト経験を語るのもプラスです。履歴書とESで重複しないようにしながら、最終的には自分の強みがつながるエピソードで捕捉し、志望動機にも展開を広げるように工夫しましょう。

履歴書は丁寧な感じでも、ESで文体が崩れる

もう一つのNG例が、履歴書は丁寧に整っている文章なのに、エントリーシートでは急にくだけた表現や口語体が目立つケースです。

文章のテンポや語尾、語調が崩れていると、「文章力がない」「ビジネスマナーが備わっていない」と判断される可能性があります。

なぜNGなのかというと、企業側からすると「本気度が低い」と感じられますし、他人が作った文章に思えてしまいます。いくら個性を重視する社風とはいえ、就活の書面でカジュアル過ぎる文章というのは「本気で書いていない」という印象に直結します。

個性は入社してから示せばいいという企業が多いので、「社会性がない」「文書作成能力が不安」と評価されてしまう可能性が高くなり、ビジネスシーンでは丁寧な書き言葉が基本ですので覚えておきましょう。

よくあるNG表現の例として、下記のようなパターンがあります。

「めっちゃ頑張りました」→「非常に努力を重ねました」

「ウケが良かったです」→「評価をいただきました」

「マジで大変でした」→「困難に直面しましたが、冷静に対処しました」

これらは信頼関係が構築された上司と部下の関係なら日常会話で成り立ちますが、初対面で目上の人に説明するには失礼にあたりますので気を付けましょう。

改善ポイントとして、履歴書とESでは「です・ます調」を意識し、「である調」や砕けた表現は避けるように統一しましょう。

まとめ

エントリーシートと履歴書は、どちらも就職活動において欠かせない存在です。同じようでも、役割や評価ポイントが異なるため、書き方や内容は違いを見せるのが理想といえます。

・履歴書:簡潔に、事実ベースで自分の輪郭を伝える

・ES:思考力や価値観を、エピソードとともに深掘りして表現する

この2つを異なるものとしながらも、つながりを持てるようにセットで考えていけば、読み手も理解しやすく高評価を得られる可能性が高くなるでしょう。

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