エントリーシート(ES)において、長所と短所の記載は避けて通れない重要な項目です。しかし、「自分の強みや弱みをどう表現すればよいか分からない」「どこまで正直に書いていいのか不安」と悩む就活生は多いのではないでしょうか。
そこで、エントリーシートで採用担当者に好印象を与える長所・短所の書き方のコツを、例文を交えながら解説していきます。
es(エントリーシート)はなぜ「長所・短所」が問われるのか?
就職活動において、エントリーシート(ES)で「あなたの長所・短所を教えてください」と問われることは非常に一般的です。これは単なる性格診断ではなく、企業が応募者の本質を見極めるための重要な質問です。
企業側がこの質問を通じて確認したいポイントは、以下の4つです。
●自己理解
エントリーシートでまず重視されるのが、自己理解です。自分の性格や行動傾向をどれほど客観的に把握できているかが問われます。社会人として成長していくには、自分を正しく知ることが前提です。
●再現性
企業は、長所が入社後の仕事にどう活かされるかを見ています。これまでの経験で発揮された強みが、仕事の現場でも再現できそうかを重視しています。
●伸びしろ
短所に対する自覚と、改善への努力も評価のポイントです。弱点を放置せず、自らの成長につなげようとする姿勢が重要です。
●バランス感覚
自分を過大評価せず、かといって過小評価もしないバランス感覚も見られています。正直かつ冷静に自己評価できる人は、信頼されやすい傾向があります。
つまり企業は、エントリーシートを通して、「強みを活かして成果を出す力」と「弱みを改善して成長する力」の両方を兼ね備えた人物を求めているのです。
エントリーシート(es)の書き方の構成テンプレート(長所・短所共通)
エントリーシートで「長所」や「短所」を記述する際は、PREP法を活用すると、簡潔でわかりやすい文章になります。それぞれの構成例は以下のとおりです。
長所の構成
長所の構成はPREP法に近く、以下のように考えられます。
・Point(結論)…「私の長所は〇〇です」と明言する。
・Reason(理由)…その長所を自覚している根拠を述べる。
・Episode(具体例)…実際にその長所が発揮された経験を紹介する。
・Point(再提示+活かし方)…その長所を入社後どのように活かせるかを説明。
短所の構成
短所の構成は以下のようにイメージしましょう。
・Point(結論)…「私の短所は〇〇です」と率直に述べる。
・Reason(理由)…どのような場面で短所が現れるかを説明する。
・Episode(具体例)…具体的なエピソードを交えて紹介。
・Action(改善努力)…その短所にどう取り組み、改善しているかを記載する。
長所や短所ともに、このような構成を守ることで、説得力のある文章が完成し、企業に好印象を与えることが可能です。
エントリーシート(es)で評価されるポイント一覧
就活のエントリーシートは、企業が応募者を評価する際に注目するポイントは多岐にわたります。採用担当者は、応募者の人物像や実績を通じて、業務との適性や将来的な成長性を見極めようとしています。
・内容の具体性
まず重視されるのは、自己PRや志望動機などの内容が具体的であるかどうかです。経験に基づいて語られているか、自分自身の体験を踏まえて説明できているかが重要な判断基準となります。
たとえば、「協調性があります」と述べるだけでなく、「アルバイト先でチームの意見をまとめる役割を担い、スムーズな業務運営に貢献した」といった具体例を挙げると説得力が増します。企業はその人の実体験から人物像を想像し、職場に適応できるかどうかを判断します。
・業務との関連性
次に、これまでの経験やスキルが志望する職種にどの程度活かせるか、業務に支障をきたす要素がないかという点も見られます。たとえば、事務職を志望する場合には、正確性やスケジュール管理能力などの経験が評価されやすくなります。
企業は、自社の業務フローにすぐに順応できるか、即戦力として期待できるかを見極めようとしています。加えて、未経験の分野であっても、その業務に役立つ経験をどのように応用できるかがアピールできれば、高く評価される可能性があります。
・自己分析の深さ
自己分析がどれほど深く行われているかも、重要な評価項目です。自分の強みや弱みを明確に把握し、それに対する考えや改善策が述べられているかがポイントです。
「自分は短気な面があるが、状況を客観的に見る習慣をつけることで冷静に対応できるよう努めている」といった具体的な取り組みは、自己理解の深さと成長意欲の両方を伝えることができます。採用側は、課題に直面したときにどう対応するかを知ることで、esからその人の成長性や柔軟性を評価します。
・謙虚さと前向きさ
最後に、表現における謙虚さや前向きさも見逃せないポイントです。成果や経験を過度に強調すると、自己中心的な印象を与える可能性があります。自慢話にならないように配慮しつつ、「今後も学び続けていきたい」「課題を克服する力を高めたい」といった成長意欲を伝えることが大切です。
採用担当者は、エントリーシートから協調性や職場での人間関係も重視するため、周囲と協力しながら前向きに取り組める姿勢を好ましく思います。
業界別 長所・短所のエントリーシート(es)の書き方例
就職活動や転職活動では、自己PRとして「自分の長所と短所」を伝えることが求められます。しかし、どのように表現すればよいか悩む方も多いでしょう。本記事では、esの業界別に求められる資質に沿った長所・短所の書き方例を紹介します。
具体的なテンプレートを参考に、自分の経験や強みを上手にアピールしましょう。
テンプレになる書き方例文
以下はesでテンプレになる書き方の例文です。
● IT業界向け(論理性・継続力重視)
例文①
長所:論理的思考力
短所:完璧を求めすぎる
「私の長所は、論理的に物事を整理し、段階的に課題を解決できる点です。プログラミングの学習中に発生したエラーに対しても、原因を一つずつ切り分けながら対応し、最終的にはオリジナルのアプリを完成させました。このような論理的なアプローチは、トラブル対応やシステム開発においても有効だと考えています。
一方で、完璧を目指すあまり時間がかかってしまうことがあります。現在はまず形にしてからフィードバックを得ることを意識し、作業の効率を高めるよう努めています。」
例文②
長所:継続力がある
短所:一人で抱え込みやすい
「私の強みは、物事をコツコツ続けられる継続力です。プログラミングの勉強も、毎日2時間の学習を半年間継続したことで、アプリ開発まで到達しました。
反面、一人で課題を抱え込んでしまうことがあります。最近は積極的に周囲と相談し、効率的な解決を図るよう意識しています。」
● 営業職向け(コミュニケーション力・行動力重視)
例文③
長所:人と関わるのが得意
短所:やや楽観的すぎる
「私の長所は、人とすぐに打ち解けられるコミュニケーション力です。カフェのアルバイトでは、常連のお客様との関係性を深めることで、月間売上1位を達成しました。この経験を活かし、営業職でも信頼を築いていきたいと考えています。
その一方で、スケジュールを楽観的に見積もってしまうことがありました。今ではToDoリストを活用し、余裕を持った計画を心がけています。」
例文④
長所:行動力がある
短所:細かい確認を怠りがち
「私の強みは、行動に移すスピードです。大学のイベント企画では、提案から実施までの主導を行い、多くの参加者を集め成功に導きました。
一方で、急ぎすぎて確認不足になることもあります。現在は、事前のチェックリストを設けるなどの工夫をしています。」
● 事務・管理職向け(正確性・調整力重視)
例文⑤
長所:几帳面で正確
短所:人に任せるのが苦手
「私の長所は、几帳面さと正確性です。大学ではゼミの会計担当として出納記録を正確に管理し、ミスなく1年間の業務をやり遂げました。この姿勢が、事務職でも信頼される基盤になると考えています。
反面、人に任せることが苦手で、自分だけで抱え込みがちでした。最近は、タスクを共有しチーム全体で進める意識を持つようにしています。」
例文⑥
長所:調整力がある
短所:慎重になりすぎる
「私の強みは、関係者との調整力です。アルバイト先でシフト調整を担当し、スタッフ間の意見を聞きながらバランスよくスケジュールを組むことができました。
一方で、慎重になりすぎて決断が遅れることがありました。今は優先順位を明確にし、早めの対応を意識しています。」
NG例と改善ポイント
エントリーシートで自己PRや短所の伝え方は、就職活動において重要なポイントです。ここでは、よくあるNG例とその改善方法を紹介します。正しく伝えることで、面接官に好印象を与えることができます。自分を客観的に見つめ直し、適切にアピールできるよう工夫しましょう。
①NG例:「私の長所は明るい性格です」
理由:内容が抽象的で、仕事との関連性が薄い
改善:「私の長所は明るい性格で、初対面の人ともすぐに打ち解けることができます。この強みを活かし、アルバイト先ではお客様との会話を通じて接客満足度の向上に貢献しました。」
②NG例:「責任感があります」
理由:誰でも使える表現で具体性がない
改善:「大学のゼミ活動でチームリーダーを務めた際、締切を守るために全員の進捗を管理し、責任をもって取り組みました。この経験から、仕事に対する責任感を実践的に身につけました。」
③NG例:「協調性があります」「リーダーシップがあります」
理由:汎用的な言葉だけでは説得力に欠ける
改善①:
「ゼミのグループワークでは、メンバー同士の意見を調整しながら企画をまとめました。この経験を通じて、協調性を発揮しながら成果を出す力を身につけました。」
改善②:
「サークル活動で部長を務め、イベントの企画から当日の運営までを統括しました。メンバーの意見を尊重しつつ、全体をまとめるリーダーシップを養いました。」
④NG例:「短所はありません」
理由:自己分析が不足しているように見える。また、傲慢に受け取られる可能性がある
改善:「短所は、慎重になりすぎる点です。ただ、最近では限られた時間で判断する練習を重ね、効率的に行動できるよう取り組んでいます。」
⑤NG例:「短所は優しすぎるところです」
理由:長所を装った短所で、実質的にはアピールになっている
改善:「人の意見を尊重しすぎるあまり、自分の考えを後回しにしてしまうことがあります。そのため、最近では自分の意見をはっきり伝える練習をしています。」
⑥NG例:「心配性なところがあります」
理由:ネガティブに聞こえる可能性がある
改善:「心配性な面がありますが、そのおかげで事前にしっかり準備をする習慣が身についています。ミスを防ぐ意識が強く、慎重に業務に取り組む姿勢に繋がっています。」
以上のように、esの自己PRや短所の伝え方では「具体例」と「仕事との関連性」が鍵となります。抽象的な言葉だけではなく、自分の行動や経験を交えて伝えることで、より説得力のあるアピールが可能になります。
しっかりと自己分析を行い、採用担当者に「この人と働きたい」と思ってもらえる表現を目指しましょう。
書く前に準備したい自己分析
エントリーシートを書く前には、自己分析が不可欠です。まず、これまでに他人から褒められた経験を振り返りましょう。それがあなたの強みを知るヒントになります。次に、苦労した経験から何を学び、どのように乗り越えたかを整理します。
その過程で何を意識し、どのような成果を出したのかも明確にしましょう。また、自分の短所に気づいたきっかけや、それを克服するために努力した内容も重要です。以下の項目をもとに書き出してみてください。
l 人から褒められたこと
l 苦労した経験と学び
l 意識したことと成果
l 短所に気づいたきっかけ
l 克服のためにしたこと
こうした分析を通じて、説得力ある自己PRが可能になります。
H2 企業側がエントリーシートで長所・短所を見ている理由
就職活動において、エントリーシート(es)に記載する「長所」や「短所」は、多くの学生が悩むポイントです。しかし、企業はそれを単なる性格診断とは見ていません。
本当に知りたいのは、その人が入社後に「活躍できる人材か」「成長が見込める人材か」という点です。つまり、長所・短所は、応募者の可能性や適性を見極めるための重要な情報なのです。
面接官の思考プロセス(実際の流れ)
企業の面接官がESに書かれた長所・短所を読む際は、以下のような視点で評価しています。
l この長所は、業務の中でどう活かせるのか?
l この短所は、仕事を進めるうえで大きな問題とならないか?
l 実際にあったエピソードなのか?話の内容は一貫しているか?
l 自分自身をどれくらい理解し、管理できているか?
l 内容に嘘や誇張はないか?
このように、性格そのものではなく、「仕事にどう影響するか」「信頼できるか」が評価の中心です。
5つの評価基準
企業がESから判断する際の具体的な評価ポイントを、5つに分けてご紹介します。
① 自己理解・自己分析の深さ
まず大切なのは、自分の性格や行動をどれだけ深く理解しているかです。ただ単に「真面目」「努力家」などの表現だけでは評価されません。根拠となる具体的な経験が重要です。
✕:「私の長所は真面目なところです」
○:「私は毎朝5時に起きて資格の勉強を続け、半年後に合格しました。この経験から、粘り強く努力を続ける力があると実感しています」
このように、体験を通じて得た自己理解があると、「自分を客観的に見られている」と評価されます。
② 長所の業務活用可能性(=再現性)
長所が実際の仕事にどのように役立つかも重視されます。いくら素晴らしい強みがあっても、それが職務と無関係であれば評価は上がりません。応募先の業務と関連性があるかがポイントです。
例:「協調性」が長所の場合
l チーム内でどんな役割を果たしたか?
l 周囲とどう連携したか?
l 結果としてどのような成果につながったか?
こうした情報から、職場でも再現できそうな強みかどうかを判断しています。
③ 短所に対する自己管理・改善姿勢
短所をどう受け止め、どんな行動をとっているかが問われます。大切なのは「ただの弱点」ではなく、「改善のために努力しているかどうか」です。
✕:「緊張しやすいところが短所です」
○:「緊張しやすいので、プレゼン前に原稿を録音して練習し、本番では落ち着いて話せるようになりました」
このように、具体的な改善行動を通して、自己管理力や成長意欲を示すことができます。
④ 誠実さ・等身大の自己開示
エントリーシートには、「ありのままの自分」を見せることも求められます。よくあるのが、「優しすぎる」「完璧主義」といった“偽短所”ですが、これはかえってマイナスに受け取られる可能性があります。
✕:「短所は優しすぎるところです」
○:「他人の意見に流されてしまうことがありますが、最近は自分の意見を伝えるよう心がけています」
誠実に、等身大で自己開示している人は、面接官から「信頼できる」と感じられやすくなります。
⑤ 論理性・構成力・表現力
最後に、社会人に求められる「伝える力」もESを通じてチェックされています。わかりやすく、論理的に構成された文章は、それだけで高評価です。
【チェックポイント】
l 結論から先に述べているか?
l 話に因果関係があるか?
l 表現が回りくどくなっていないか?
ESの内容が整理されていると、「この人は資料作成や報告業務でも伝える力がありそうだ」と評価につながります。
業界別に企業が注目しやすいポイント
就職活動や転職活動では、業界によって企業が重視するポイントが異なります。それぞれの業界が求める人物像を理解することで、自分の強みや弱みを的確に伝えやすくなります。ここでは、主要な業界ごとに注目されやすい長所と短所について詳しくご紹介します。
● IT・技術
T・技術系の職種では、専門知識やスキルに加えて、物事を筋道立てて考える力が重要視されます。新しい技術を継続的に学びながら、自ら問題を発見し解決する姿勢も求められます。
長所として評価されやすい点
l 論理的思考力
l 問題解決力
l 継続力や探究心
短所として見られがちな点
l 忍耐力が弱い
l 興味が移りやすく、飽きっぽい傾向
こうした傾向を踏まえ、自分の技術的な強みや粘り強さを具体的なエピソードで伝えると説得力が増します。
●営業
営業職では、顧客と良好な関係を築く力や、自ら行動して成果を上げる姿勢が求められます。信頼を獲得し、粘り強くアプローチを続けることができる人材が高く評価されます。
長所として評価されやすい点
l 高いコミュニケーション能力
l 積極的な行動力
l 困難にも粘り強く取り組む姿勢
短所として見られがちな点
l 空気を読まずに行動してしまう
l 対人関係に自信がなく、人と関わることを避ける傾向
営業職を目指す場合は、対人スキルや交渉力を発揮した経験をアピールすると良いでしょう。
●事務・管理
事務や管理業務では、日々の業務を正確にこなす能力や、細部まで気を配る姿勢が求められます。関係者との調整やスケジュール管理も大切な業務の一部です。
長所として評価されやすい点
l 作業の正確性
l 几帳面な性格
l 社内調整力や事務処理能力
短所として見られがちな点
l 作業が雑になりがち
l スケジュール管理が苦手
自分がどれだけ丁寧に業務を遂行してきたかを、実績とともに伝えることが大切です。
●サービス・接客
サービス業や接客業では、お客様の立場に立った行動が重要です。相手の気持ちに寄り添い、丁寧な対応を心がける姿勢が高く評価されます。
長所として評価されやすい点
l 気配りや心配り
l 協調性やチームワークの良さ
l 表情や話し方など、対応全般の柔らかさ
短所として見られがちな点
l 人見知りで会話に消極的
l 感情的になりやすく、冷静さを欠く
接客経験がある場合は、どのようにお客様に満足してもらえたかを具体的に語ると効果的です。
●企画・広報
企画や広報の分野では、常に新しいアイデアを生み出し、情報を的確に伝える力が求められます。多方面から情報を収集・整理し、効果的な表現につなげる力が重要です。
長所として評価されやすい点
l 独自の発想力や創造性
l 情報収集と分析のスキル
l 表現力や伝える力
短所として見られがちな点
l 抽象的な考えに偏りがち
l アイデアの整理や構成が苦手
自己PRでは、どのような着眼点で企画を立て、どのように成果を出したかを明確に伝えましょう。
企業が“地雷”と感じるNGパターン
就職活動では、自己PRや志望動機の内容が選考に大きく影響します。しかし、esの内容によっては採用担当者に「この学生は地雷かもしれない」と思われてしまうこともあります。ここでは、企業が警戒するNGパターンを4つ紹介し、それぞれの理由について解説します。自分のアピールが当てはまっていないか、ぜひチェックしてみてください。
1. キラキラしすぎる長所
自己PRでよくあるのが、過度に華やかで立派すぎる長所のアピールです。例えば、「私は常にポジティブで、どんな困難も笑顔で乗り越えます」「チーム全体を鼓舞しながら、結果も出しました」といった表現は、読む人によっては不自然に感じられ、「本当だろうか?」「盛っていないか?」と疑念を持たれてしまう可能性があります。
企業は、現実味のないエピソードや、完璧すぎる人物像に対して警戒心を抱きやすいものです。特に、学生時代にそこまでの実績を出すのは難しいと考える採用担当者も多いため、説得力のない自己PRはマイナス評価になりかねません。
このような事態を避けるためには、実体験に基づいた具体的なエピソードを交えて話すことが重要です。自分がどんな場面でどう行動し、その結果どうなったのかを丁寧に説明しましょう。成果よりも過程や工夫に焦点を当てることで、信頼感を与えることができます。
2.“短所が長所”のようなごまかし
短所を聞かれた際、「私の短所は完璧を求めすぎるところです」や「真面目すぎて手を抜くことができません」といった、「実は長所なんです」という印象を与える回答をする人がいます。一見、ポジティブな印象を与えられるように思えますが、採用担当者の中には「本音を隠している」と受け取る人も少なくありません。
企業が短所を尋ねる理由は、応募者の自己認識力や成長意欲、誠実さを見極めるためです。そのため、当たり障りのない無難な答えよりも、自分の弱点をきちんと理解し、どう向き合っているかを具体的に伝える方が評価されやすくなります。
例えば、「私は複数のタスクを同時に進めるのが苦手です。ただ、タスクの優先順位を明確にし、計画的に取り組むことで改善を図っています」といったように、改善の努力が感じられる表現を心がけましょう。
2. 短所が放置されている
短所を正直に話すことは大切ですが、それをそのまま放置しているように見える回答は逆効果です。「緊張しやすいです」「人と話すのが苦手です」といった内容に続けて、改善に向けた取り組みが語られていない場合、企業側には「成長する気がない」「社会人としてやっていけるのか不安」といった印象を与えてしまいます。
企業が重視しているのは、現時点での完成度ではなく、これから成長できるかどうかです。そのため、短所があっても構いませんが、それにどう対処しているのかを伝える姿勢が欠かせません。
以下のような構成で話すと、より前向きな印象を与えることができます。
l 短所(例:人前で話すのが苦手)
l その短所が原因で困った経験
l それに対して行った対策(例:プレゼンの練習を重ねる、スピーチの講座を受ける)
l その結果、どう変化したか
このように、課題に向き合い、自分なりに努力している姿勢が伝われば、むしろプラスの印象を与えることも可能です。
3. 曖昧な言葉(優しい、真面目)
自己PRでありがちなワードに「優しい」「真面目」「一生懸命」「誠実」などがあります。これらは一見好印象を与える言葉に思えますが、曖昧すぎて個性が伝わらないため、多くの学生が使っており、結果的に埋もれてしまうリスクがあります。
たとえば「私は真面目です」と言っても、何をもって真面目とするのかは人によって異なります。そのため、採用担当者には「他の学生と変わらない」「ありきたり」と感じられてしまうことが少なくありません。
このような言葉を使う際には、必ず具体的なエピソードを添えましょう。たとえば「私は真面目に取り組むタイプで、ゼミの研究発表では毎回1週間前に資料を提出し、メンバーの分もチェックしてから本番に臨んでいました」といった具体性のある内容であれば、同じ「真面目」でも説得力がまるで違ってきます。
また、自分の強みを言語化する際には、「他者と差別化できるか」「その言葉に具体性があるか」を意識しましょう。表面的な言葉ではなく、自分らしさを示せるエピソードとともに伝えることが、選考突破の鍵となります。
まとめ
今回は「ESに書く長所・短所の例一覧と好印象な説明の仕方」について解説してきました。長所や短所を正しくアピールすることは、選考において非常に重要です。
自己分析を通じて、自分の強みや弱点をしっかりと理解し、それを具体的なエピソードとともに説明することで、企業に好印象を与えることができます。今回紹介したポイントを参考に、自己PRをより効果的に仕上げ、選考突破に繋げてください。自分らしい魅力を最大限に伝えることを意識しましょう。
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