私たちの生活に欠かせない「物流」は、商品の調達から配送に至るまで、あらゆる経済活動を支える重要なインフラです。とりわけ近年は、EC市場の拡大や消費者ニーズの多様化により、物流の需要が急速に高まっています。
一方で、業界は今、大きな転換期を迎えており、深刻な人手不足や再配達の増加、燃料費・人件費の上昇、インフラの見直しの必要性など、多岐にわたる課題が顕在化しています。こうした状況を受けて、企業や政府はさまざまな対応を模索しており、物流の効率化・自動化に向けた技術導入や、労働環境の改善、制度面での見直しなど、業界構造そのものの改革が進められています。
ここでは、物流業界が直面している課題の全体像とその背景、さらに今後注目される動向や、持続可能な物流を実現するための具体的な対策について、わかりやすく解説します。
物流業界が抱える課題
現代の物流業界は、私たちの暮らしや経済活動を支える重要な基盤である一方で、多くの構造的な課題を抱えています。特に人手不足をはじめ、配送ニーズの多様化やコストの上昇など、業界全体に大きな影響を及ぼす問題がトレンドとなっているほどです。
以下では、物流業界の代表的な課題について詳しく見ていきます。
人手不足と労働環境の悪化
物流業界における人手不足は深刻さを増しており、特にトラックドライバーの確保が大きな課題となっています。有効求人倍率は全産業平均のおよそ2倍に達し、採用が困難な状況が続いています。
特に、若年層の参入が少ない点も問題視されており、15～29歳の若年労働者の割合は全産業平均が16.3％であるのに対し、道路貨物運送業ではわずか9.1％と著しく低い数値です。
そのため、業界の高齢化も大きな課題の一つと言えます。加えて、年間所得は全産業平均を下回る傾向にあり、長時間労働も常態化していることから、労働環境の改善が急務です。この点については、後述のセクションでより詳しく解説します。
小口配送の増加と積載率の低下
近年のEC市場の拡大や個人間取引の活発化により、小口配送の需要が増加しています。その影響により、1件あたりの貨物量は過去30年間で約3分の1にまで減少しており、同時に配送件数はほぼ倍増しています。
このような配送形態の変化により、トラック1台あたりの積載効率が低下し、輸送効率の悪化が懸念材料です。結果として、業務量の増加に対して十分な効率化が進まず、業界全体の生産性にも影響を及ぼしています。
再配達の負担増加
宅配便における再配達の問題は依然として解決されておらず、2023年の国土交通省の調査によると、再配達率は11.1％に達しています。この高い再配達率は、配送効率の低下を招き、ドライバーの負担を一層増加させる要因といえるでしょう。再配達の増加は、物流業界全体にとって深刻な課題であり、業界の効率化やサービス品質向上に向けた取り組みが求められています。
燃料費の高騰
燃料費の上昇は、物流業界におけるコスト増加の大きな問題となっています。特に中小企業にとっては、燃料費の高騰が経営を圧迫し、資金繰りが困難になるケースも見られます。この状況は、倒産件数の増加や、M&A（企業の合併・買収）の増加を引き起こす原因となる可能性があります。このように、物流業界全体にとって、コスト削減のための効率的な運営が一層重要な課題といえるでしょう。
環境規制への対応
脱炭素社会の実現に向け、物流業界においても環境負荷の低減が重要な課題となっています。政府や業界の取り組みとして、電気トラックの導入や配送ルートの最適化が進められており、環境への配慮は今後の競争力を左右する要因ともいえるでしょう。これらの取り組みを加速させることが、業界全体の持続可能な発展に繋がると期待されています。
2024年問題の対応
2024年4月に施行された働き方改革関連法により、トラックドライバーの時間外労働が年間960時間に制限されることになりました。この法改正により、トラックドライバーの労働時間が短縮される一方で、輸送能力の低下やドライバーの収入減少といった懸念も生じています。物流業界全体でこれに対応するための新たな労働環境の整備や、効率的な運行方法の見直しが求められています。
物流業界で最も深刻な人手不足の現状
前述にもあるとおり、物流業界が抱える最も深刻な課題の一つは、人手不足です。とりわけ、トラックドライバーの慢性的な不足は、物流の最前線である輸送業務の円滑な運営を困難にし、サプライチェーン全体に影響を及ぼしています。
近年では、EC市場の拡大や多頻度・小口配送のニーズの増加により、物流需要がかつてないほど高まっており、物流業界の人手不足はもはやトレンド化しているほどです。
一方で、それに対応する人材の確保が追いつかず、現場ではドライバー1人あたりの業務負担が増大しています。ここでは、こうした人手不足の実態とその背景にある複合的な要因を掘り下げながら、物流業界の人材不足の背景について詳しく解説します。
人手不足の背景
- 高齢化と若年層の敬遠
物流業界では、従業員の高齢化が急速に進んでおり、特にトラックドライバーにおいては平均年齢が約49歳に達しています。これは全産業平均と比較しても高く、若年層の労働力確保が十分に行われていないことを示しています。
実際、20～30代の若年層の業界参入は非常に少なく、次世代の担い手不足が深刻な問題です。若年層の参入が進まない背景には、「長時間労働・低賃金・きつい仕事」というマイナスイメージが影響しています。長時間労働や休日の不規則さ、低賃金といった労働環境に対するマイナスイメージが先行し、若年層の職業選択の対象から外れてしまっていると考えられるでしょう。
- 労働環境の厳しさ
トラックドライバーは、長時間運転や深夜・早朝の勤務、重量物の積み下ろしといった過酷な労働環境に置かれています。また、業務中は渋滞や悪天候など予測できない要素に左右されることも多く、時間通りに配送を完了させるプレッシャーも大きなストレス要因です。
こうした労働実態に対して、報酬が十分でないと感じる従業員も少なくありません。労働時間に対する賃金のアンバランスさや、拘束時間の長さに見合わない待遇が、職業選択を敬遠される動機になっていると考えられます。結果として、業界全体の魅力が低下し、人材の確保がより一層困難を極めています。
- EC市場の拡大による需要急増
近年のインターネット通販（EC）の成長は目覚ましく、日々の買い物から大型商品に至るまで、オンラインで注文し自宅で受け取ることが当たり前の時代となりました。
この流れにより、宅配便の取り扱い件数は年々増加しており、物流業界の需要はかつてないスピードで拡大しています。しかし、その急増する需要に対し、ドライバーの供給は追いついていないのが実情です。配送を担うドライバー数は増えていないため、1人あたりの荷物量や配達件数が増加し、労働負荷がさらに高まっている状態です。
結果として、EC市場の拡大による需要増加が人手不足をさらに深刻化させる要因となっています。
物流業界全体に及ぼす影響
物流業界における深刻な人手不足は、業界全体に多大な影響を与えています。まず、配送遅延のリスクが増大しており、特に繁忙期においては物流の効率が著しく低下しているものです。
これにより、消費者の満足度が低下し、企業の信頼性にも影響を及ぼす懸念があります。また、配送の遅延と相まって、再配達の問題も悪化しており、ドライバーの負担が一層増加しています。再配達が増えることで、物流の効率化がさらに難しくなる一方で、消費者にも不便が生じている人も少なくありません。
加えて、一部の企業ではサービスエリアの縮小や配送料の値上げといった対策を講じており、消費者の負担が増加傾向です。
また、中小規模の物流企業にとっては、運営の効率化が困難となり、事業の維持が難しくなっている状況で、M&A（企業買収・合併）や倒産も増加傾向にあります。このように、業界の競争環境にも変化が生じています。
このように、物流業界の人手不足は、配送遅延や再配達の問題を引き起こすだけでなく、サービス品質や企業の経営基盤にも大きな影響を及ぼしており、業界全体の持続可能性に対する大きな課題といえるでしょう。
問題対策と取り組みの動向
物流業界が直面している人手不足や再配達、労働環境の問題といった多くの課題に対して、物流業界全体が本格的な対策を進めています。
各企業や関係機関は、IT・DX（デジタルトランスフォーメーション）化や労働力の多様化、さらに自動運転・省人化技術の開発といった多角的な取り組みを行っています。
以下では、現在、注目されている主要な対策の動向と今後の展望について詳しく解説します。
- 働き方改革
2024年4月に施行された働き方改革関連法では、トラックドライバーに対する時間外労働の上限が年間960時間に設定され、これまで業界において常態化していた長時間労働の是正が求められるようになりました。
これに伴い、運送会社では労働時間の適正化を図るため、休日の確保や勤務間インターバル制度の導入など、働きやすい職場環境の整備が進められています。
- IT・DX化
物流現場では、業務の効率化を目的として、IT技術やデジタルトランスフォーメーション（DX）の活用が広がりを見せています。AIによる最適ルートの自動提案やGPSを活用した動態管理システムにより、配車業務や配送効率が飛躍的に向上し、ドライバーへの負担軽減にもつながっているものです。
また、電子日報の導入により、事務作業の簡素化と管理の精度向上を実現しています。さらに、倉庫内作業の自動化や無人搬送ロボット（AGV）の活用も進められており、時短化・効率化への動きが本格化しています。
- 外国人労働者の活用
深刻な労働力不足を補うため、政府は「特定技能制度」を活用した外国人労働者の受け入れを物流分野にも広げています。（※特定技能制度＝一定の日本語能力と業務スキルを持つ外国人に対し在留資格を付与することで、日本国内での就労を可能にする在留資格制度）
現在、一部の物流企業ではこの制度を活用し、倉庫作業や軽作業などを担う人材として外国人労働者の採用を進めています。しかしながら、言語や法制度への対応といった課題が多く、現時点では広範囲での普及には至っておらず、広範囲での導入には依然としてハードルが高いといえるでしょう。
- 自動運転・省人化技術の開発
将来的な労働力不足に備え、自動運転トラックやコンビニ配送ロボットといった先進技術の開発と実証実験が進行中です。これらの技術は、業務の効率化に大きな期待が寄せられていますが、実用化に向けては法整備やコスト面の課題が残されており、引き続き段階的な導入が求められています。
物流業界における今後の動向や展望
前述したように、物流業界全体で求められる改善は多岐にわたります。人手不足や長時間労働といった労働環境の課題に対しては、働き方改革の推進や待遇改善が不可欠です。
加えて、再配達の削減や積載効率の向上など、業務効率化に向けた取り組みも急務となっています。
中でも、業務の効率化や省人化を実現するためには、デジタルトランスフォーメーション（DX）の推進が不可欠です。
具体的な取り組みとしては、車両の位置や稼働状況をリアルタイムで把握できる動態管理サービスや、配車業務を効率化する受発注・管理システムの導入が進んでいます。また、倉庫内作業の自動化や無人搬送ロボットの活用、自動運転技術を搭載したトラックの開発といった技術革新も活発に行われています。さらに、政府はドライバー不足への対応策として、東京と大阪を結ぶ自動貨物輸送システムである「コンベヤーベルト道路」の構築を計画しており、輸送効率の向上と省人化への貢献が期待されています。
このように、物流業界は今、大きな変革をしようとしています。今後は技術革新に加え、企業間や業界全体での連携を強化し、持続可能な物流体制の構築に向けた取り組みが一層求められていくでしょう。
物流業界の人手不足解消へ自社でできる対策まとめ
近年、物流業界では慢性的な人手不足が深刻な課題となっています。この問題は、業界全体の構造的な背景に加え、働き方改革やEC市場の拡大など、社会的な変化とも密接に関係しています。
こうした環境下では、各企業が主体的に人材確保や定着、効率化に向けた取り組みを進めることが不可欠です。特に近年では、デジタルトランスフォーメーション（DX）の活用や職場環境の改善、多様な人材の受け入れなど、環境面と人材面、両軸での変革が求められています。
ここでは、物流業界が直面する人手不足の課題に対して、各企業が取り組むべき代表的な対策についてまとめています。業務の省人化・自動化の推進など、最新のトレンドや先進企業の事例を交えながら、詳しく解説していきます。
- 自動化と省人化技術の導入
深刻化する人手不足に対応するため、物流現場の生産性を飛躍的に高める「自動化・省人化技術」の導入が急速に進んでいます。特に倉庫業務においては、ピッキングロボットや自動搬送ロボット（AGV）、画像認識を活用した検品システムなどが導入され、従来人手に頼っていた作業がテクノロジーにより自動化され、業務も大きく簡略化されるようになりました。
これにより、作業効率の向上だけでなく、スタッフの肉体的・精神的な負担軽減にもつながっています。加えて、政府主導の先進的な取り組みとして注目されるのが、「コンベヤーベルト道路」構想です。
自動運転技術を活用した専用輸送レーンを整備することで、物流拠点を結ぶ区間において“人が運転しなくても荷物が自動で運ばれる”インフラを整えるという狙いで、実証実験が進んでいます。
これにより長距離輸送におけるドライバーの負担が根本的に軽減され、労働力の補完と環境負荷の低減（CO₂削減）という二重の効果が期待されています。
こうした動きは、単なる人手不足への応急処置ではなく、持続可能な物流の在り方そのものを再定義する流れとして、今後さらに加速する見込みです。
- 労働環境の改善と人材確保
人材不足の根本的な解消には、「人が集まり、定着する職場環境」の整備が不可欠です。物流業界ではこれまで、長時間労働や賃金の低さ、肉体的な負担の大きさが敬遠される要因となってきましたが、近年はそのイメージを変えるための積極的な働き方改革が進められています。
たとえば、労働環境改善の重要な取り組みとして、労働時間の見直しや賃金改善、休暇制度の整備などが挙げられます。また、福利厚生の充実を通じて従業員満足度を高め、離職を防ぐことも重要です。このように、人材の新規確保と並行して、既存スタッフの定着に向けた取り組みを継続的に行うことが求められるでしょう。
- 共同配送やモーダルシフトの推進
物流業界では、限られた人員で効率的に輸送を行うための取り組みとして、「共同配送」や「モーダルシフト」の推進が注目を集めています。
共同配送とは、複数の企業が連携し、異なる荷主の商品を同じトラックでまとめて配送する仕組みです。これにより、積載効率の向上、走行距離や配送回数の削減が実現し、ドライバーひとり当たりの負担を軽減することが可能です。
また、渋滞緩和やCO₂排出削減など、環境面にも好影響を与えます。特に都市部では、宅配便や食品・日用品などでこの取り組みが進んでおり、物流ネットワーク全体の最適化に貢献しています。
一方、モーダルシフトとは、トラック輸送を鉄道や船舶といった他の輸送手段に切り替えることで、長距離輸送における人手不足の緩和とCO₂排出量の削減を目指すものです。鉄道や船舶は大量輸送に優れており、トラックに比べて環境負荷も小さいため、サステナブルな物流手段として期待されています。
これらの取り組みは、「少ない人手で効率的に運ぶ」新しい物流モデルの確立を目指すうえで欠かせない方策であり、輸送効率の向上と環境負荷の低減の両面が期待されています。
- クラウドソーシングの活用
物流業界における人手不足の解消に向けた施策の一つとして、クラウドソーシングの活用が注目を集めています。クラウドソーシングとは、インターネットを通じて業務や作業を不特定多数の人に依頼する手法のことであり、近年では物流分野においても導入が進んでいます。
特に、年末年始やセール時期などの繁忙期の配送業務においては、有効な人材確保手段として機能しています。このように、クラウドソーシングを活用することで、企業は需要に応じた柔軟な人員配置を可能にし、効率的な業務運営が実現されつつあります。
また、クラウドソーシングの導入により、固定的な人件費の抑制と即戦力人材の確保が両立できる点も企業側の大きな利点です。一方、就業者にとっても、時間や場所に縛られない柔軟な働き方を実現できることから、双方にとってメリットのある仕組みといえます。
このような背景から、クラウドソーシングは今後、物流業界における人手不足対策の一環として、今後ますます重要な役割を果たすと期待されています。
物流業界のやりがい
物流業界はさまざまな課題を抱えているものの、物の流れを支える役割を果たしており、社会を動かす「縁の下の力持ち」として欠かせない存在です。
日々目立たない仕事ではありますが、その実、私たちの社会の安定や経済成長を支える中心的存在です。人々が「モノが届くのが当たり前」という社会で生活できるのは、物流業界の確かな支えがあってこそであり、その使命感とやりがいを感じながら働くことができるのが大きな魅力の一つです。
物流業界のやりがいを就活生にも分かりやすく解説していきます。
- トラックドライバー
トラックドライバーの仕事には、自身の裁量で業務を進められる自由度があり、一人で完結できる点が大きな特徴です。
また、顧客と直接接する機会が多く、「ありがとう」といった感謝の言葉をいただけることが、日々のやりがいにつながります。加えて、配送ルートや時間管理に工夫の余地があることから、業務改善の達成感も得られます。
その他にも、移動中にさまざまな景色や土地に触れられる点も、トラックドライバーならではの魅力の一つです。実際に「定期的に荷物を届けている高齢者の方から、“家族のように思っている”と言われた」というケースもあり、このように顧客と信頼関係を構築していけることは大きなやりがいにつながります。
- 倉庫作業スタッフ・現場オペレーター
倉庫内業務においては、作業の効率化や正確性の向上が直接成果として表れるため、業務改善による達成感を得やすい点が特長です。
また、チームでの連携によって業務を円滑に進める際の一体感も、日々のやりがいにつながります。加えて、マニュアルの改訂や業務フローの最適化に参加することで、現場改善に寄与できる実感を得ることが可能です。
さらに、最近ではAIやロボットといった先端技術との連携が進み、最新のシステムに関われる機会も増えています。実際に、ある現場では「ピッキング業務のデジタル化によりミスが大幅に減少し、自分の提案が現場に貢献したと感じられた」という声も挙がっています。
- 物流管理者・配車係
物流管理者や配車係は、輸送業務全体を統括する“司令塔”としての役割を担っており、業務の円滑な遂行に大きく貢献します。
配車計画やスケジュール管理を的確に行うことで、輸送の遅延防止やコスト削減に繋がるなど、日々の工夫が具体的な成果として現れる点にやりがいがあります。「今日も1件も遅延なしで終わった！」という日は、特に達成感を得られます。また、現場のドライバーや倉庫スタッフとの密な連携を通じて信頼関係を築くことができ、チーム一体となって目標を達成していけることも魅力の一つです。
実際に、ある現場では「人手が不足する中でも最適なルートを構築し、遅れなく運びきれたときの達成感は最高」という声も挙がっています。
- 物流企画・コンサル・DX推進部門
物流企画・コンサルティングおよびDX推進部門では、ロジスティクス全体を戦略的に設計・最適化する業務を担います。
「業務の効率化、コスト削減、環境負荷軽減」といった経営視点に基づく多角的な課題に取り組むことで、企業の持続可能な成長に貢献できる点がやりがいです。さらに、DX（デジタルトランスフォーメーション）やSCM（サプライチェーンマネジメント）の改革を通じて、企業価値の向上に直接貢献することも可能です。
たとえば、「輸送の一部を鉄道に切り替えたら、年間でCO2排出量を○％削減することができた。環境にも貢献することができてやりがいを感じられた」という事例は、自身の業務が社会貢献にもつながることを実感させてくれます。
やりがいを感じる瞬間
物流の現場では、日々の業務の中でさまざまなやりがいを実感する機会があるものです。
たとえば、納期を遵守し「無事に間に合った」と安堵する瞬間には、大きな達成感が得られます。
また、チーム全体で協力し、困難な状況を乗り越えた際には、一体感と連携の重要性を深く実感します。さらに、自身の改善に関するアイデアが業務フローやルールとして採用されることで、貢献の手応えを感じられます
加えて、災害時の支援物資輸送など、社会的に重要な任務に携わる機会もあり、職務の公共的意義を強く感じられる仕事です。
長期的な視点でのやりがい
物流業界は、テクノロジーの進化とともに成長を続ける分野です。将来的にはAIや自動化の導入に携わるなど、業務の高度化や専門性の拡大により、新しいスキルを身につけるチャンスが広がっています。
また、現場業務から管理職、本社の物流企画部門などへと段階的にキャリアを築いていける多様な道が用意されており、自らの努力次第で幅広い選択肢を持つことが可能です。
さらに、物流は生活インフラを支える産業として社会的に安定した需要があります。経済活動を支える根幹であり、常に社会に必要とされる存在です。加えて、グローバルな視点で貿易や輸出入の業務に関われる可能性もあり、国内外で活躍できるチャンスも広がっています。
まとめ
物流業界は、経済活動と人々の暮らしを支える不可欠な存在でありながら、近年は深刻な人手不足という課題に直面しています。その対策として、IT・DX化、自動化と省人化技術の導入、労働環境の改善、共同配送やモーダルシフトの推進、さらにはクラウドソーシングの活用など、多角的な取り組みがあります。
物流企業はこれらの施策を柔軟に取り入れ、業務効率の向上と人材確保の両立を図ることが求められます。
一方で、物流の現場には大きなやりがいも存在しています。トラックドライバーや倉庫オペレーター、配車係、物流企画職といった各職種が、それぞれの立場で社会を支えている実感を持ち、人とのつながりを大切にしながら働いています。
さらに、AIやDXの進展により、将来的にはより高度な業務やグローバルな物流戦略に携わるチャンスも広がっているものです。
今後も、物流業界は変革と成長を続けていく分野といえるでしょう。就活生にもチャンスが多い業界といえます。
課題に真摯に向き合いながら、持続可能な物流体制の構築を目指すことで、より多くの人材が安心して働ける業界への発展が期待されます。
