就活で必ずといっていいほど求められるのが自己PRです。その中でも特に多いのが「400字以内」でまとめるタイプのエントリーシートといえます。

限られた字数の中で、自分の魅力をどう伝えればよいのか迷う方も多いものでしょう。そこで、エントリーシートの自己PRで企業が注目するポイントや書き方のコツ、そしてすぐ使える例文もわかりやすく解説していきます。

エントリーシート（ES）で「400字以内」という制限が設けられている理由

エントリーシートの自己PRに「400字」という制限があるのは、ただの形式ではありません。この文字数で求められているのは「簡潔に、論理的に、自分の強みを伝える力」です。

一般的に社会人になると、限られた時間と資料の中で情報をまとめ上げ、相手に伝える場面が数多くみられます。

そこで、400字以内の自己PRがなぜ必要なのか、企業側の視点で4つのポイントを紹介していきます。

① 限られたスペースで「要点をまとめる力」を見るため

企業は就活生が「伝えたい内容を簡潔にまとめる能力」を持っているかをチェックしています。社会人になると、メール・報告書・プレゼンなどでも、限られた時間・スペースで社内外へ伝える力が求められます。

もちろん、入社してから簡潔に要点を伝えることは教わりますが、大学生ともなれば普段から要点をまとめるスキルを磨いているか、400字という制限は、それを測る一つの基準です。

② 読み手（人事担当者）の負担を減らすため

人事担当者は面接だけでなく、就活スケジュールのすべてを担当することになります。エントリーシートから会社説明会など多忙を極めるものです。新卒だけでなく、転職者も兼用する場合、人を相手にする仕事なので、その忙しさは相当といえます。

1人あたり何十通、時には100通以上のエントリーシートを読む採用担当者にとって、長文の自己PRは大きな負担になります。400字程度で読みやすく整理されていると、内容が伝わりやすくなります。

たとえ、エントリーシートの文字数制限がなかったとしても、読み手の負担を考慮して400字以内で分かりやすい内容なら好印象にもつながります。

文章構成力・論理性を確認するため

エントリーシートの400字というのは、「起承転結」「結論→根拠→まとめ」といった論理的な文章構成が求められます。

論文のように結論から分かりやすく構成する必要があるため、論理性や思考の整理力を見極める手段として、文字数制限が使われているのです。

文章力や構成力、論理性を簡潔に伝えるスキルが備わっているのかを確認しています。

他者との差が出やすい適度な文字数

400字というのは原稿用紙1枚分に相当します。これは小学生のころから慣れ親しんだ分量でもあり、他者との差を図るためにも分かりやすい文字数といえます。

だれしもが通ってきた文字数といえるので、短すぎず長すぎない400字は、書く人の差が表れやすいちょうどよい分量です。「誰でも書ける」けれど、「うまく書くのは難しい」のが400字といえるでしょう。

エントリーシートの自己PRの評価ポイントを徹底解説

エントリーシートの自己PRで評価されるのは、主に以下の3つです。このポイントを抑えておき、他の就活生と差を広げるようにしていきましょう。

① 強みが明確で具体的になっているか

自己PRで「コミュニケーション力があります」という内容では抽象的すぎます。

「初対面の相手とも短時間で打ち解け、相手が安心して話せる空気を作るのが得意です」など、具体的な行動や成果が見える表現が必要です。

せっかくの強みなので、説明だけで終わっているのはもったいないといえます。コミュニケーション力がどのように優れているのかを具体的に説明できるようにしましょう。

② 強みが仕事に活きるか（再現性）

自己PR文で「サークルで頑張った」ということを伝えたくても、それがビジネスの場でどう役立つのかが想像できないと評価されません。

学生時代にサークルで頑張った人というのは限りなく多く、サークルで頑張って身に着けた能力が仕事でどのように活躍できるのか、ストーリーとしてつながっているかが大切です。

③ 一貫した論理構成になっているか

エントリーシートの自己PRは「小論文」でもあります。大学でもテーマを決めて論文を発表しているものですが、同じように結論から理由→具体例→まとめといった読みやすい流れになっているかがポイントといえます。

構成が上手くいっていないとダラダラと長文にもなりますし、結局何を伝えたいのかまったく分からないという印象を与えてしまいます。一貫した論理構成になっているのか、再度確認しておきましょう。

書き方をまとめるための5ステップ構成

エントリーシートの自己PRにおける400字という字数制限の中で、具体的な内容を書くには、以下の5ステップで構成するのが鉄則です。

●結論（強み）

まずは自分の強みを明確に伝えます。

「私の強みは○○です」とメッセージを与えるようにしていきます。「この人はこういうタイプだ」と印象付けるためにも、最初の1文で強みを持ってくるようにします。

結論から入るようにするのが自己PRの基本です。

●背景・きっかけ

なぜその強みを持つようになったのか、きっかけや価値観に触れるようにします。学生時代に力を入れたこと（ガクチカ）やアルバイト、高校時代の部活など、強みが印象づけられるようにします。

●具体的エピソード

実際にその強みを発揮した経験を、数字や行動を交えて紹介します。抽象的にならないように、数字を入れるとリアリティが増しますので、なるべく具体的になるようにしましょう。

●結果・学び

その行動によって「何が得られたか」「どのように成長したか」を説明し、その強みを志望する企業でどのように活かせるかをまとめます。

結論と結び付きがあるようにするのがポイントです。

この型を使えば「話の軸」がブレずに、読み手にも伝わりやすい自己PRが完成します。

エントリーシートの自己PRでは上手く話を作るのではなく、相手に伝わる力が必要です。

業界別エントリーシートの例文【自己PR400字以内】

業界・職種別のエントリーシートにおける自己PRの例文を紹介していきます。400字以内になるように構成を作っているので、参考にしてみてください。

① 不動産業界向け 自己PR例文

私の強みは、人と信頼関係を築く力です。

大学ではオープンキャンパスの学生スタッフとして、年間100名以上の高校生と接しました。はじめは一方的な説明に終始してしまいましたが、「相手の関心に合わせた話をする」ことを意識するようになり、徐々に質問や相談を受けるようになりました。

その結果、担当した生徒の数名が入学を決め、「◯◯さんの説明で安心した」と言ってもらえたことは大きな喜びでした。不動産業界はお客様の人生に関わる選択をサポートする仕事です。

私は、丁寧な対話と信頼を大切にしながら、お客様にとって最善の提案ができる営業を目指します。

② IT業界向け 自己PR例文

私の強みは「論理的に課題を解決する力」です。

大学ではプログラミング初心者向けの勉強会を立ち上げ、週1回の講義と課題を運営しました。最初は受講者のモチベーション維持が課題でしたが、フィードバックをもとに難易度調整や個別フォローを行い、最終的に参加者の8割がPython基礎課題を修了しました。

この活動を通じて、相手の課題を分析し、仕組みを工夫する力を培いました。IT業界では、課題発見と最適なシステム提案が求められると考えています。

私はこの経験を活かし、ユーザー目線で考えられるエンジニアを目指します。

③ 商社業界向け 自己PR例文

私の強みは「交渉力と柔軟な対応力」です。

飲食店のアルバイトでは、発注ミスにより食材が不足するトラブルが発生しました。その際、私は迅速に複数の取引先に連絡を取り、配送スケジュールを調整することで、営業に支障をきたさずに済ませました。

この経験から、利害関係のある複数の相手と柔軟に調整する力を身につけました。商社では、国内外のパートナーと信頼関係を築きながら、交渉と調整を繰り返す仕事が多いと理解しています。

私はどんな状況でも冷静に対応し、最適な落としどころを見つける人材として貢献します。

④ 金融業界向け 自己PR例文

私の強みは「数字をもとに正確な判断をする力」です。

ゼミでは株式市場の分析を担当し、データから企業の成長性やリスクを評価するレポートを毎月提出していました。中でも、ある食品会社の決算分析では、他の学生が好評価をする中、売上推移の鈍化や原材料費の高騰に着目して慎重な判断を行いました。

結果として、その後の業績下方修正により、私の分析の正確性が証明されました。金融業界は責任ある判断が求められます。

私は、数字の裏にある要因まで見抜く力を活かして、信頼される金融パーソンを目指します。

⑤ 広告業界向け 自己PR例文

私の強みは「相手の心を動かす表現力」です。

大学では広報誌の編集に関わり、取材から執筆・デザインまでを担当しました。特に読者の共感を意識した記事作成に注力し、読者アンケートでは「この号は読み応えがあった」と評価を得ました。

また、SNSへの投稿も行い、フォロワー数が1年間で1.5倍に増加しました。広告業界では「伝えたい情報を、どうすれば届くか」を考える力が重要だと感じています。

私はこの経験をもとに、相手に届く・刺さる表現を追求し、クリエイティブな仕事で貢献していきたいと考えています。

⑥一般的な例文

私の強みは「課題を発見し、改善に向けて行動できる力」です。

大学のゼミ活動で、ディスカッションが停滞していることに課題を感じました。私はまず、発言が偏っている原因を分析し、全員が話せる仕組みとして「順番制＋簡易ファシリテーション」を提案。

週ごとにリーダーを交代する制度を導入した結果、参加率が向上し、議論の質も上がりました。この経験から、周囲の状況を客観的に見て行動を起こす力が身につきました。

貴社においても、現場の課題を見逃さず、改善に向けて主体的に行動し、チームに貢献できると考えています。

⑦　営業職志望の例文　行動力・粘り強さをアピール

私の強みは「成果が出るまで粘り強く行動を続けられること」です。

大学時代、アパレルの販売アルバイトで店舗売上が低迷していた時期に、SNSを活用した集客に取り組みました。週3回の投稿を地道に継続し、フォロワーとのコミュニケーションにも注力した結果、2か月後には来店数が前年比120％を超えるまでに回復しました。

この経験を通じて、試行錯誤を繰り返しながらも諦めずに行動する力が養われました。

営業職においても、粘り強く顧客と向き合い、信頼関係を構築する姿勢を大切にし、成果につなげていきたいと考えています。

⑧　事務職志望の例文　正確性・効率性をアピール

私の強みは「正確かつ効率的に作業を進める力」です。

大学では会計系のゼミに所属し、日商簿記2級を取得。大学祭では会計係を務め、約100万円の予算管理を担当しました。特に出納帳の管理においては、エクセル関数を活用してミスを防ぐ仕組みを自ら構築し、決算報告までスムーズに進めることができました。

事務作業では、小さなミスが大きなトラブルにつながると感じた経験から、常にチェック体制を工夫するように心がけています。

御社でも、業務の正確性を保ちながら効率化にも貢献していきたいと考えています。

⑨　IT業界開発志望　課題解決力をアピール

私の強みは「自ら課題を見つけ、主体的に学びながら解決に取り組める力」です。

大学では情報系の学科に在籍し、授業とは別にPythonを独学。ゼミでデータ分析のテーマが与えられた際、扱うデータにノイズが多く分析が困難だったため、自ら前処理スクリプトを作成して分析可能な状態に整えました。

この対応により、ゼミ内の発表でも高評価を得ました。IT業界は常に変化と課題の連続だと考えています。

自ら学び、改善する姿勢を持って、御社のプロジェクトにも柔軟に対応していきたいと考えています。

⑩　サービス業志望　ホスピタリティ・気配り力をアピール

私の強みは「相手の立場に立って行動できるホスピタリティ精神」です。

飲食店での接客アルバイトでは、常連のお客様の好みを覚えて先にメニューを提示する、雨の日にはお声がけとタオルの提供をするなど、細やかな対応を心がけました。

その結果、「あなたの接客が心地よい」と指名されることも増えました。相手の目線で考え、求められる以上の対応をすることが信頼につながることを実感しました。

御社においても、お客様一人ひとりに寄り添い、満足を超えるサービス提供を心がけていきたいと考えています。

⑪　製造業志望　慎重さ・継続力・安全意識をアピール

私の強みは「継続的に地道な作業を丁寧にこなす力」です。

私は大学の実験室で機器管理の担当をしており、定期的なメンテナンスや備品の管理を正確に行ってきました。トラブルを未然に防ぐため、独自にチェックリストを作成し、些細な不備も見逃さない習慣を徹底しています。

こうした積み重ねが、実験の成功率向上にもつながりました。製造現場では、正確さと安全への意識が特に重要と理解しています。

私の慎重さと継続力を活かし、ミスのない工程管理や品質維持に貢献していきたいです。

⑫　教育・福祉系志望　共感力・支援力をアピール

私の強みは「相手の気持ちに寄り添いながら支える共感力」です。

大学では教育実習に参加し、生徒の中に授業についていけない子がいることに気づきました。私は放課後に自主的に補習を提案し、個別にサポートを行ったところ、理解が深まり自信を持って授業に臨めるようになったと笑顔で話してくれました。

この経験から、相手に合わせた対応の大切さとやりがいを実感しました。

福祉・教育の現場でも、相手の立場を理解しながら、心に寄り添った支援をしていきたいです。

エントリーシートの自己PR文が書けない人のステップ

エントリーシートの自己PRで、400字以内の自己紹介が上手く書けない人もいるでしょう。構成のポイントがわかっても、ネタがなければなかなかうまくいきません。とはいえ、ネットの例文をそのまま使用するのもNGです。

そこで自己PR文が上手く書けない人のためにステップを踏んで解説していきます。

モチベーショングラフで「人生の流れ」を見える化する

まず1番目のステップは、「自分の人生をざっくり振り返る」ことです。エントリーシートの自己分析で自分史を作成している人もいるでしょう。

就活では“目立つエピソード”を書こうとしてしまいますが、本当に大事なのは「自分の価値観」をしっかりと理解することです。

そのための手段として「モチベーショングラフ」を活用します。

モチベーショングラフの書き方は横軸（時間の流れ）と縦軸（気持ちの変化）に分かれて書き出します。横軸は小学校や中学校から現在にいたるまでの時間の流れに対し、縦軸はそのときの楽しかったことやつらかったことを抽出していきます。

人生の中で印象的だった出来事を折れ線グラフのように描き、その横に簡単な説明を添えるイメージです。

例文：

高1文化祭の成功　→　チームで協力する喜びを実感

大学1年バイトで失敗 → クレーム対応の難しさを知る

サークルで初のリーダー役 → プレッシャーと達成感

このグラフを通して、自分の「テンションの上下」と「原動力」が見えてきます。

モチベーショングラフには3つのポイントがあります。

1.どんなときにやる気が出るのか？（価値観）

2.どんな壁でつまずき、どう乗り越えてきたか？（思考と行動パターン）

3.どんな役割を自然と担っていたか？（人間関係の特徴）

このポイントを踏まえてモチベーショングラフの作成を行っていきましょう。

H3　「5W1H」で経験を深掘りする

2番目のステップとして、グラフで見つけたエピソードを1つ選び、今度はそれを“就活で使えるネタ”にしていきます。

そのための手段として、5W1Hのフレームで質問攻めにしていきます。

例文：5W1H質問リスト

When（いつ？）：どんな学年・時期・状況だった？

Where（どこで？）：場所は？学校？バイト？サークル？

Who（誰と？）：どんな人が関わった？誰のためだった？

What（何を？）：具体的に取り組んだことは？

Why（なぜ？）：その行動をしようと思った理由は？

How（どうやって？）：どんな工夫や行動をした？どんな困難があった？どう乗り越えた？

このように、モチベーショングラフの内容に対して質問を繰り返していきます。

次にその質問に対して、掘り下げていきましょう。

たとえば、サークルの新歓イベントを運営した経験で振り返ってみます。

Why：新入生が馴染みにくそうな雰囲気を変えたかった。

How：班分けを工夫し、話題カードやアイスブレイクを導入した。

結果：参加率20%向上・定着率昨年比50%アップとなる。後輩から「話しかけやすかった」と感謝された。

ここから導ける強みとして、「行動力」「共感力」「課題発見＆改善提案力」などが挙げられます。

H3　「強み」と「価値観」を言語化する

最後のステップとして、強みや価値観を一言で表現するトレーニングをしていきます。せっかく作ったエピソードも、最後に強みが言語化できていないとぼやけてしまうものです。

まずはテンプレで確認してみてください。

「私は○○という強みがあります」

「それは△△という経験から培われました」

「この強みは御社の〇〇な仕事でも活かせると考えています」

この強みや価値観というのは、行動力や課題解決力、協調性、向上心、分析力などがあり、これを上手く企業の仕事で活かせるかにつなげていきます。

どうしても「本当に何もない」と思う人へ…3つのアドバイスで改善

自分を掘り下げていくほど、余計に自信が持てなくなった…という人もいるでしょう。「本当に何もない」と考えてしまう人もあり得ます。

そこで、自信が持てなくなった人に3つのアドバイスを紹介しますので、改善に努めていきましょう。

① “当たり前”こそが強みの宝庫

意外ですが、当たり前の日常こそ、強みが隠れているものです。普段から意識せずに継続できていることこそ、強みの宝庫といえるものです。

例：

「毎日バイトを休まず続けた」

「サークルで縁の下の力持ちをやっていた」

→人によっては当たり前のことであっても、社会人にとっては重要な“責任感”や“継続力”の証拠です。自分にとっては意識せずとも当たり前なのに、この強みは企業側へのアピールポイントになります。

② 第三者の視点＝「他己分析」も効果的

自己分析はどうしても先入観が入ってしまい、自分に自信がない人ほど「何もない」と悪循環に陥ってしまいがちです。

そこで、友人や家族に「自分はどんなタイプ？」と聞いてみましょう。第三者から見た視点（他己分析）というのは、なかなか自分でも気づけないものです。

思わぬ長所に気づけることがあるでしょう。

③ 書き出しのハードルを下げる

400字と考えると、何か長い文章のように思えて、第一歩を踏み出せないこともあります。そこで、「箇条書き」でもいいので、まずは思いついた言葉を挙げていくようにしましょう。

書き出しのハードルを下げることで、言葉や経験が浮かび、次に文章へとつなげていきやすくなります。

自己PRは、「自分を信じてみること」からスタートしてみましょう。

エントリーシートの自己PRでNGとなる特徴や例文

エントリーシートの自己PRでは、NGとなってしまう文章や特徴があります。これをしっかり把握しておかないと、400字を書いたのに、イメージが悪くなってしまいます。

エントリーシートの自己PRでNGとなりそうな特徴や例文を解説していきます。

例文①　抽象的すぎて印象に残らない 

私は責任感があります。どんなことにも手を抜かず、最後までやり遂げるタイプです。学生時代もサークル活動やアルバイトを頑張ってきました。今後もこの責任感を活かして、社会人として活躍したいと思っています。

NGポイント： 

「責任感」「頑張った」などが抽象的すぎて、説得力に欠けています。サークル活動やアルバイトを頑張るのは当たり前のことであり、そこに根拠がありません。やり遂げたという満足感だけで自己評価しています。

アルバイトをどの程度頑張ったのか、何年継続したのか、難しい仕事にも携わっても投げ出さずやり遂げたのかなど、具体的なエピソードを盛り込んでいきましょう。

例文②　企業と関係のない自慢話になっている

私は大学でダンスサークルのリーダーを務めました。練習では後輩に厳しく指導し、イベントでは誰よりも注目を浴びました。観客からの拍手も多く、ダンス大会でも優勝経験があります。

NGポイント：

大学のサークル活動でリーダーを務めた経験から、自分の強みがリーダーシップであることが分かります。ダンス大会でも優勝したように、成果につながっていますが、それがどう企業に活かせるのかという点が書かれておらず、ただの自己満足に終始しています。

また、リーダーシップの観点でも、後輩に厳しく指導したというのが協調性に欠けるとも取られてしまいがちです。チームの和を乱すかもしれないと担当者から敬遠される内容といえます。

後輩の意見も尊重して、ミーティングでは話を聞く側に回り、チームが一丸となるために時には叱咤激励を飛ばし…など、周囲への貢献を見せるのがポイントです。

例文③　長所が企業に合っていない 

私は一人で黙々と作業することが得意です。誰とも話さず集中することで、高い成果を上げてきました。チームでの活動は苦手ですが、個人で成果を出すことには自信があります。

NGポイント： 

チームワークが重視される業界や職種では逆効果となります。たとえば、サービス業や営業職など、人と接する仕事では長所が企業にマッチしていません。

また、苦手なことを正直に書きすぎて、担当者にネガティブな印象を与えてしまいます。仕事は周囲のサポートもあって成り立つものです。

例文④　強みが明確でない

私は大学生活で多くの経験を積みました。アルバイト、サークル、勉強とすべてに全力で取り組んできたことが自信です。どんなことも前向きに捉えて努力する姿勢は誰にも負けません。

NGポイント： 

全力で取り組んできたのは理解できますが、結局どんな強みがあるのか分かりません。具体的なエピソードがないため説得力がゼロです。特に「誰にも負けません」というのは根拠のない決めつけ表現ですのでNGといえます。

「何をどこまで頑張ったからこのような成果につながったのか」「それをどうやって仕事に活かせるのか」に重点を置くようにしましょう。

まとめ

エントリーシートの自己PRでは、400字以内に収めるのに理由があることを解説してきました。一番は限られたスペースで要点をまとめる力があるかどうかをみています。

何も書くことがないという人であっても、当たり前のことが実は強みになっているケースがありますので、自分を深掘りして臨んでみてください。

ここで紹介した例文を参考にしながら、他の就活生に差をつける自己PR文の作成をして、就活を成功に導いていきましょう。