面接時に好印象を与える言葉遣い・受け答え・話し方のマナーを徹底解説

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面接時に好印象を与える言葉遣い・受け答え・話し方のマナーを徹底解説

面接で落ちる理由が分からないと、「言葉遣いが悪かったのかも…」と気にしすぎてしまうものです。話し方や受け答えには「好印象」を左右するポイントがいくつもあります。
就活生の不安になりがちな面接の言葉遣い一つで、逆に面接官に好印象を与えることも可能といえます。
そこで、面接官に好感を持たれる言葉遣いや受け答え、話し方のマナーを徹底解説していきます。

 なぜ言葉遣いが面接で重視されるのか?

就活の面接対策を進める中で、「なぜそこまで言葉遣いが大切なのか?」と疑問に感じる方も多いかもしれません。多様性の時代の中で、個性は尊重されるものですが、新卒の面接では、初対面のビジネスマナーが重要とされています。
実際、選考を通過できなかったときに「落ちるのは言葉遣いが悪かったのでは…」と悩んだ経験のある就活生も少なくありません。
ここでは、言葉遣いが面接で重視される理由を、企業側の視点から深掘りして解説します。

 面接は人柄評価の場でもある

面接は志望動機やスキルの確認だけではなく、応募者の人柄やコミュニケーション能力を評価する場です。企業が採用したいのは「一緒に働きたい」と思える人であり、どれだけスペックが高くても、「感じが悪い」「話がかみ合わない」と思われてしまえば、内定からは遠のきます。

人柄が最も表れるのが「言葉遣い」です。言葉の選び方、受け答え、口調、トーン、表現の丁寧さによって、「礼儀正しい」「思いやりがある」「気配りができる」といった印象を与えることができます。

 「感じがいい」は内容以上に印象を左右する

人事担当者からすると、内容のある話ではないが、感じがよくて通過させたという事例があるほど、面接の現場では、話の内容よりも“伝え方”が重視される場面も少なくないものです。

たとえば、下記の仕草は有効といえます。

・ 笑顔を見せる
・ 明瞭な声で話す
・ 適切な敬語を使う
・ 相手の目を見て話す

これらができていれば、「感じのいい学生だった」という好印象を残すことができます。逆に、どんなに優れた内容を話していても、言葉遣いや話し方が雑だと、それだけで落ちる理由の一つとなるでしょう。

 社会人としての基礎力が見られている

企業は「将来的に社内外の関係者と適切にコミュニケーションが取れるか?」という観点からも、言葉遣いをチェックしています。特に以下のような点は、社会人としての「基礎力」の一部と見なされます。

・ 丁寧語・謙譲語・尊敬語の使い分け
・ 適切な敬語の使用(過剰・誤用の回避)
・ 言葉の選び方(くだけすぎない、回りくどくない)
・ 言葉に配慮が感じられるか(感謝・謝罪の使い方)

言葉遣いは単なるマナーではなく、「社会人としての適応力」「顧客対応力」を測る指標でもあります。

 丁寧すぎや硬すぎも逆効果

一方で、とにかく敬語を丁寧にしようと意識しすぎて、かえって不自然になってしまうケースも多く見受けられます。

たとえば、「本日は私ごときのために貴重なお時間を賜りまして…」というような硬い表現は、面接官にとって「この学生、大丈夫かな?」と違和感や距離感を生んでしまうこともあります。

大切なのは、丁寧だけど自然で、誠実さが感じられる話し方です。敬語力よりも「伝える力」とのバランスが重要といえます。

 短時間で「安心できる人材」と思わせるカギになる

面接時間は長くても30分程度です。限られた時間の中で、「この人は大丈夫そうだ」と思ってもらうには、第一声からの印象が極めて重要となります。

・ 「お世話になっております」「よろしくお願いいたします」
・ 「本日は貴重なお時間をいただき、誠にありがとうございます」

こうした基本的な言葉遣いができるだけでも、安心感と信頼感を与える効果があります。言い換えれば、言葉遣いは短時間で自分の信頼度を上げる武器ともいえるでしょう。

 今の時代だからこそ「言葉の丁寧さ」が差になる

SNSやカジュアルなチャット文化が広がる現代において、ちゃんとした言葉遣いができる人はむしろ希少価値が高い存在です。
たとえば、オンライン面接では対面よりも表情や所作が伝わりづらくなるため、言葉遣いの丁寧さがより重視される傾向にあります。

採用側としても、「顧客や上司にどのように接するのか」をシミュレーションしている場でもあります。丁寧な言葉遣いができる人材は、安心して現場に送り出せるという信頼感につながるものでしょう。

 面接で落ちる人にありがちなNGな言葉遣い

面接で不合格となった理由は明確に教えてもらえないため、「話し方や言葉遣いが悪かったのでは…」と不安になる方も多いでしょう。
次に、実際に面接で悪印象を与えてしまう、落ちる可能性がある言葉遣いを解説していきます。

 「やばい」「まじで」など学生ノリの口調

日常生活では当たり前のように使っている「やばい」「まじで」「超~」といった俗語・スラングは、面接では完全にNGです。

●NG例:

「このゼミ、やばいくらい厳しくて…でも、まじで成長できました」

こうした表現は、面接官に「ビジネスパーソンとしての自覚がない」「社会性に欠ける」と受け取られやすくなります。無意識に出てしまうケースもあるので注意が必要です。

● 改善例:

「このゼミは非常に厳しい指導方針で、結果として大きく成長できました。」

 「~っす」「~っすね」など曖昧な語尾

体育会系の学生や、カジュアルな会話が染みついている方にありがちなのが「~っす」という語尾の使い方です。

● NG例:

「そうっすね、部活ではキャプテンやってたっす。」

一見フレンドリーに聞こえるかもしれませんが、面接の場では礼儀を欠いた印象になります。語尾は「です・ます」に統一し、丁寧な話し方を心がけましょう。

● 改善例:

「そうですね、部活動ではキャプテンを務めていました。」

 「とにかく頑張ります」など抽象的な表現

熱意を伝えようとして「とにかく頑張ります!」「全力でやります!」という表現を使う方も多いですが、根拠や具体性に欠けるため説得力がありません。
頑張るのは当たり前という認識の面接官もいますので、言葉遣いが足らない印象も与えてしまいます。

● NG例:

「御社に入れたら、とにかく全力で頑張ります!」

● 改善例:

「入社後は、まず業界知識を深めながら、営業現場で成果を出すことを目標に努力します。」

面接官は「どう頑張るのか」「何を目指すのか」という具体性を重視しています。

 「うーん」「あー」など間延びした話し方

緊張や考えすぎから、回答の最初に「うーん」「あのー」などが多用されると、自信がない印象を与えてしまいます。

● NG例:

「うーん…それは、あのー、学生時代に、うーん…」

面接官は「しっかり準備してきたか」「論理的に話せるか」を見ています。間を取りたければ、「少し考えてもよろしいでしょうか」と一言添えるのがスマートです。

● 改善例:

「少しお時間をいただいてもよろしいでしょうか?…はい、私が学生時代に力を入れたのは〜」

 「あの」「その」「えっと」などの口癖が頻発

「あのー」「そのー」などのつなぎ言葉は誰にでもあるクセですが、頻度が多いと集中力を削ぎ、聞き手の印象を下げます。

面接官は数十分間集中して話を聞いており、つなぎ言葉の多さが気になると、「この人はプレゼンや営業に向いていないかも」と判断することもあります。

● 対策:

・ 録音・録画して自分の口癖を確認
・ 文章を頭の中で整理してから話す練習
・ PREP法など話し方のフレームを使う

 語尾が伸びる・語尾が下がる

語尾が「〜でぇ」「〜だと思いますぅ」と伸びたり、語尾を極端に下げてしまう話し方も、幼い・頼りない印象を与える原因となります。

● 改善ポイント:

・ 語尾をハッキリ発音する(特に「ます」「です」)
・ 「…と思います」で終わるときは語調に力を持たせる
・ 一文ごとに話し切る意識を持つ

 面接官の言葉をさえぎる

質問の意図を誤解して早口で答えたり、相手の話を遮ってしまう行為は、「聞く力がない」「協調性に欠ける」と判断されてしまうリスクがあります。

面接では「話す力」以上に「聞く姿勢」が見られています。相手の話を最後まで聞き、一呼吸置いてから答えることが大切です。

 基本を押さえよう!面接での丁寧な言葉遣い

面接で好印象を与えるには、まずは「正しい言葉遣い=丁寧な敬語」が大前提です。これは単に堅苦しい言葉を使うことではなく、相手を尊重して、自分を適切に表現するための技術と言い換えることもできます。

次に、就活生が知っておくべき敬語の使い方の基本と、面接で活用できる丁寧なフレーズ集を紹介します。

 「です・ます」調をベースに話す

まずは最も基本的なルール。「である調(断定形)」ではなく、「です・ます調(丁寧語)」を一貫して使用することが求められます。

たとえば、「私はゼミで〇〇の研究を行っている。」だと、上から目線の言葉遣いに感じてしまいます。「私はゼミで〇〇の研究を行っています。」と敬語に変わるだけで、印象は大きく変わるものでしょう。

 「〜させていただきます」の多用には注意

丁寧にしようとするあまり、つい多用してしまいがちなのが「させていただく」という謙譲表現です。これは相手の許可を前提とした行為に使うのが本来の形です。

● NG例:

「自己紹介をさせていただきます」
「資料をご確認させていただきました」

不自然・過剰な謙譲はかえって違和感を与えます。

● 適切な表現に言い換え:

・ 「自己紹介いたします」
・ 「資料を拝見いたしました」

丁寧すぎて伝わりにくい敬語は逆効果になることを覚えておきましょう。

 尊敬語・謙譲語・丁寧語のバランスを取る

敬語には主に3種類があります。

・丁寧語…丁寧に述べる言い方で「です」「ます」「ございます」など。
・尊敬語…相手の動作を高めて表現する。「おっしゃる」「いらっしゃる」
・謙譲語…自分の動作をへりくだって表現する。「申します」「伺います」

●面接でよく使う文例:

・「〇〇大学の△△と申します」(謙譲語)
・「本日はお時間をいただき、ありがとうございます」(丁寧語+謙譲の意)

これらを混乱せずに自然に使えるかどうかが、面接における言語力の評価ポイントになります。

 ビジネス会話の基本フレーズを覚えておく

面接は「社会人と会話する場」でもあるため、ビジネスでよく使うフレーズや定型句を身につけておくと安心です。

● よく使われる基本フレーズ:

・入室時…「失礼いたします」
・最初のあいさつ…「本日は貴重なお時間をいただき、ありがとうございます」
・自己紹介…「〇〇大学△△学部の□□と申します」
・話し始め…「はい、〇〇についてお答えいたします」
・考えるとき…「少し考えてもよろしいでしょうか」
・質問の前置き…「一点、お伺いしてもよろしいでしょうか」
・面接終了時…「本日はありがとうございました。失礼いたします」

このように、場面に応じた言葉の定型をあらかじめ準備しておくことで、緊張しても安心して話せるようになります。

 話し言葉と書き言葉の区別も大切

エントリーシートでは「書き言葉(文語調)」が好まれますが、面接では話し言葉(口語)かつ丁寧な表現が基本です。

●NGになりやすい表現:

・「〇〇であると考えます」(書き言葉すぎる)
・「御社は貴社よりも〜」(“貴社”は口頭では使わない)

面接では書くときに「貴社」で、話すときには「御社」を使います。TPOに合わせて表現を切り替える力も、社会人として重要なスキルの一つです。

 自然な話し方を保つコツ

どれだけ丁寧でも、棒読みや不自然な敬語の連発では意味がありません。好印象を与えるコツには、丁寧+自然体+誠実さのバランスが不可欠です。

丁寧語に慣れるまで声に出して練習して、模擬面接を録画・録音して聞き返すようにすることで自然な会話ができるようになります。
常に相手との対話を意識して話す練習を繰り返すように心がけましょう。

 場面別!面接官に好印象を与える受け答え例

丁寧な言葉遣いが大事と分かっていても、「実際の面接でどう話せばいいの?」という不安は尽きないものです。
ここでは面接でよくある典型的な質問場面を想定し、それぞれに対する模範的な受け答えの例文を紹介します。

 自己紹介で第一印象を決めるひと言

面接が始まってすぐに求められるのが「自己紹介」です。ここでは、声のトーン・語尾の明瞭さ・礼儀正しさが評価対象となります。

● NG例:

「どうも、〇〇大学の△△です。よろしくお願いします。」

これだと軽く聞こえてしまいますので、丁寧さが伝わらない印象に感じられます。

● 模範例:

「〇〇大学△△学部の□□と申します。本日は貴重なお時間をいただき、誠にありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。」

● ポイント:

・ 「どうも」「こんにちは」などのカジュアル挨拶は避ける
・ 名乗る → 感謝 → 一礼(オンラインなら軽く会釈)で構成する

 志望動機を聞かれたときは熱意+論理性を丁寧に伝える

志望動機は、内容の具体性だけでなく話し方や言葉の丁寧さも重要な判断材料です。

● NG例:

「御社の雰囲気がよさそうで、働きやすそうだと思いました。」

このような答え方では、漠然としすぎていて評価されづらいものです。

● 模範例:

「貴社の〇〇事業に魅力を感じております。特に、△△の取り組みに共感し、私自身の□□の経験を活かして貢献できると考えました。」

● ポイント:

・ 「〜そう」「〜な気がする」は避ける(確信・根拠を持たせる)
・ PREP法(結論→理由→具体例→まとめ)を意識する

 ガクチカ(学生時代に力を入れたこと)

自己PRと並ぶ頻出質問です。ここでは、成果だけでなくプロセスや姿勢も評価されます。

● NG例:

「バイトのシフトを頑張って入って、結果的に店長に褒められました」

努力の中身が伝わらず、再現性も見えないため、面接官に評価されません。

● 模範例:

「私は飲食店でアルバイトリーダーを務め、メンバーとの連携強化に注力しました。特に忙しい時間帯の役割分担を明確にすることで、ミスを減らし、回転率の向上に貢献できたと考えています。」

● ポイント:

・ 行動→工夫→成果→学びの流れを明確に
・ 「私は~しました」から始めると主語が明確になりやすい

 逆質問のときは積極性とマナーが伝わる瞬間

最後に「何かご質問はありますか?」と聞かれる逆質問では、言葉遣いと内容が面接官に与える最後の印象を左右します。

● NG例:

「特にありません。」

何もないと「興味がない」、「準備不足」と受け取られる可能性が高くなってしまいます。

● 模範例:

「はい、ありがとうございます。1点、伺ってもよろしいでしょうか。入社後の研修制度について、特に力を入れている部分があればお聞かせいただけますか?」

● ポイント:

・ 質問の前に「1点、伺ってもよろしいでしょうか」と丁寧に切り出す
・ 面接官が答えやすいテーマを選ぶのがよいが、HPで確認できる内容は避ける

 退室時は最後まで丁寧さを保つ

退室時のあいさつも気を抜けない大切なポイントです。ドアを閉める瞬間まで面接官はしっかり見ています。

● NG例:

「じゃあ、ありがとうございましたー」

緊張が解けてしまい、カジュアルすぎる印象になってしまいます。面接での受け答えがすべて演技と思われてしまいます。

● 模範例:

「本日はお忙しい中、誠にありがとうございました。失礼いたします。」

● ポイント:

・ 感謝 → 一礼 → 退出の流れを守る
・ オンラインの場合も画面越しで一礼を忘れずに

 話し方のマナーと印象アップのポイント

面接では、「何を話すか」と同じくらい「どう話すか」が重要視されます。
言葉遣いが正しくても、話し方や表情に違和感があれば、面接官の印象はマイナスに傾いてしまうこともあるものです。
そこで、話すときのマナー・声の出し方・態度・視線など、非言語要素を含めた印象アップのポイントを具体的に紹介します。

 語尾をはっきりと発音する

声が小さく、語尾が聞き取りにくいと、相手に伝えたいことも伝わりません。
面接官から何を言ったのか聞き返したくなるような話し方は、それだけでコミュニケーション能力に疑問符がついてしまいます。

改善ポイント:

・ 「〜です」「〜ます」などの語尾を意識して強調
・ 最後まで声を落とさず、しっかりと言い切る
・ 語尾の語調にメリハリをつける

特にオンライン面接では音質の影響で語尾が聞こえづらくなるため、言葉遣いも含めて意識的にハキハキ話すことが大切です。

 相手の目を見る(オンラインではカメラを見る)

視線も面接時の印象に大きく影響します。就活生が緊張しているのは面接官も分かっていることです。
下を見ながらボソボソと話したり、目線が定まらないと「自信がない」「誠実さに欠ける」といった印象につながってしまいます。

● 面接官に好印象な視線のポイント:

・ 対面なら相手の目〜鼻あたりを自然に見る
・ オンラインならカメラを見ることが目を見て話す代替になる
・ 質問を受けるときはしっかり相手の顔を向く
・ 話すときは一度視線を外して考えてもOKだが、答えるときは再び相手の目を見る

アイコンタクトが取れていると、「誠実で信頼できる人だな」という印象を与えやすくなります。

 うなずきや表情も“会話”の一部

面接では話すときだけでなく、聞くときの姿勢も非常に大切です。
面接官の話を無表情で聞いていたり、無反応だったりすると「受け身すぎる」「関心が薄い」と判断されるリスクがあります。

● 印象を良くする聞き方:

・ 相手の話に適度にうなずく(頷きすぎは逆効果)
・ 目線を外さない
・ 「はい」「そうですね」と短く返すリアクションを入れる
・ 表情に柔らかさを持たせる(口角を軽く上げる)

話すと聞”の両方で良い印象を作ることが、面接の場では重要です。

 早口・小声・語尾のフェードアウトに注意

早口になってしまう原因の多くは、「緊張」「沈黙への不安」「言いたいことが多すぎる」という焦りからきています。

しかし、面接官は「早く話す人」を求めているわけではなく、「分かりやすく伝える人」を評価します。

● 改善策:

・ 一文ごとに軽く“間”を入れる(約0.5秒)
・ 緊張していることを前提に、意識してゆっくり話す
・ 声のボリュームを一段階大きく設定しておく(普段より+20%)
・ 口をしっかり開けて発音する

特に録音して聞いてみると、自分が思っていたよりも早口で聞きづらいことに気づく場合が多々あります。当日はかなり緊張して早口になりがちなので、普段から客観的なチェックで練習するようにしましょう。

 一問一答型ではなく会話を意識する

面接は質疑応答の場ですが、ただの「質問→回答」のやり取りではありません。コミュニケーション能力があるという意識が大切です。

● NGな話し方:

・ 面接官の質問に対して、必要最低限の情報だけを返す
・ 感情がこもらず、言葉が棒読み
・ 会話の余韻や柔らかさがない

● 改善ポイント:

・ 回答の最後に「〜と考えております」などのクッション言葉を使う
・ 質問された内容から少し広げて、会話につなげる意識を持つ
・ 逆質問の前にも「ありがとうございます、非常に参考になります」などの一言を添える

面接官が求めているのは、ただ質問に答える人ではなく、一緒に働く仲間としてのコミュニケーションが取れる人だということを覚えておきましょう。

 「気にしすぎ」は逆効果?自然体の大切さ

「敬語を間違えたら落ちるかもしれない…」「一度噛んだだけで評価が下がるのでは…」
面接本番を迎えるにつれて、このような不安が頭をよぎるものです。

しかし、実際の面接官は就活生に完璧な回答を求めているわけではありません。むしろ、気にしすぎて表情が硬くなり、会話がぎこちなくなる方が評価に影響する場合もあります。
次に、気にしすぎは逆効果であることや自然体で話すことの大切さを解説していきます。

 「丁寧であろう」と意識しすぎると不自然になる

真面目な人ほど、「失礼がないように」「正しい敬語を使わなくては」と意識が先行し、本来の会話らしさを失ってしまう傾向があります。

「御社様のご担当者様にお伺いさせていただく機会を…」
丁寧なつもりが、過剰な二重敬語でかえって不自然な流れになっています。過剰な敬語は、逆に距離を感じてしまいますし、自分の言葉で話していないと捉えられてしまう可能性があるものです。

正しさよりも誠実さを意識するようにして、簡潔で伝わりやすい言葉を使うようにしましょう。

 「間違えたらどうしよう」が表情に出るリスク

敬語や話し方を気にしすぎると、笑顔が消えてしまい、表情が硬直しがちになります。
そうなると、今度は無意識に態度や声のトーンに出てしまい、結果として「緊張していて話が入ってこなかった」という印象を与えてしまいます。

面接官はこうした過度の緊張具合を見ると、「現場で柔軟に動けるかな」と疑問に感じてしまうものです。

対策として、話す内容よりも「どんな雰囲気を与えられているか」に意識を向けるようにしておき、口角を上げて笑顔を作り、うなずくだけで印象は大きく変わるでしょう。-

 緊張するのは当然、完璧を目指さない勇気

面接官からすると、就活生が緊張しているのは当然としてみています。大切なのは、緊張している中でも「一生懸命話そうとしているか」「誠実に伝えようとしているか」といった姿勢です。

よくある誤解として「噛んだら即アウト」、「沈黙したら減点」などがありますが、実際に面接官は就活生がどう立て直してくるのか、沈黙してしまった後の態度に重点を置いています。

 「素直に聞く」「相手に共感する」ことが武器になる

言葉遣いや内容に自信がなくても、相手の話にしっかり耳を傾け、素直に対応することができれば、それは大きな強みになります。

●例文1
「申し訳ありません、少し質問の意図を正確に理解できていないようなのですが、再度ご説明いただけますでしょうか?」

このように、無理に答えようとせずに正直に理解できていないことを伝えるほうが、誠実な姿勢として印象に残りやすくなります。

●例文2

「ありがとうございます。今のお話を伺って、より一層御社の環境に魅力を感じました。」

相手の言葉にしっかり反応することで、会話に共感が生まれます。緊張しても自分らしく受け答えすることや、相手に心を向けることが伝わる姿勢として評価されるでしょう。

 面接練習で身につける話し方の「型」

「面接でうまく話せるか不安…」「本番になると頭が真っ白になる…」という悩みは、就活生にとってだれにでもある共通の不安要素です。
気にしすぎると固まってしまうので、その不安を払拭する最善の方法は、型を持った話し方を身につけることです。型があれば、どんな質問にも落ち着いて対応できるようになります。

ここでは、面接での受け答えを安定させるための具体的な練習法とフレームワークをご紹介します。

 PREP法は論理的に話せる最強フレーム

PREPとは、「結論 → 理由 → 具体例 → 結論(まとめ)」という話し方の型です。
これを使えば、簡潔で説得力のある受け答えができ、面接官に伝わりやすくなります。

PREP法の構造:

  1. Point(結論):私は〇〇だと考えています。
  2. Reason(理由):なぜなら△△だからです。
  3. Example(具体例):たとえば、大学時代に□□という経験があり…
  4. Point(まとめ):以上の経験から、〇〇と考えるようになりました。

●志望動機の例:

「私は、貴社の〇〇に強く惹かれています(結論)。
なぜなら、社会に□□な影響を与える事業に関わりたいと考えているからです(理由)。
実際に、大学では△△の研究に取り組み、課題解決に向けた提案活動を行ってきました(具体例)。
以上の経験から、御社でなら自分の強みを活かせると考えています(まとめ)。」

このように、論理構造が明確になるため、話の内容がぶれず、印象に残りやすくなります。

 録音・録画で自分の話し方を客観視する

どんなに練習していても、「実際にどう聞こえているか」を客観的に把握していないと、本番で失敗につながってしまいます。

● おすすめの練習手順:

  1. 自己紹介や志望動機をスマホで録音・録画する
  2. ①内容、②声の大きさ、③語尾、④表情をチェック
  3. 改善点を書き出す
  4. 再度録音・録画 → 修正 → 繰り返し

録画を活用すれば、自分が無意識にしている口癖・目線の動き・姿勢なども確認できます。スマホで簡単に録画できますので、まずは動画にとって確認するようにしましょう。
特にオンライン面接では「画面越しにどう見えるか」が重要なので、カメラ映りのチェックは必須です。

 模擬面接で実戦感覚を鍛える

1人での練習には限界があります。第三者に見てもらう「模擬面接」を取り入れることで、緊張感のある本番環境に近づけることができます。

● 模擬面接の効果:

・ 実際に質問されることで“とっさの反応力”が鍛えられる
・ フィードバックをもらいながら改善できる
・ 他人に見られる経験を重ねることで、本番の緊張に慣れる

大学のキャリアセンター、就活塾、OB・OG、友人などに協力してもらい、最低3回は模擬面接を経験するのが理想です。

また、練習を通じて、自分の話し方の癖(早口、つなぎ言葉、無表情など)に気づくことができます。
それを矯正するには、「意識しながら話す」練習が必要です。

 まとめ

面接で好印象を与えるためには、言葉遣いが非常に重要です。もちろん、自然体で臨むことも大切ですが、言葉遣いは社会人マナーにもなりますので、敬語の使い方に注意しながらじっくり練習するようにしましょう。
最終的に面接官が見ているのは、この会社で一緒に働ける人柄かどうかであり、その第一印象を決めるのが言葉遣いといえます。

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