理系は文系よりも就活に有利と聞いたことがある人もいるでしょう。実際に専門知識や研究経験が評価されることもあり、理系限定の業界もあるものです。 とはいえ、就職活動において、「本当に理系は就職に有利なの?」「理系にはどんな業界や職種が向いているの?」などの疑問は浮かんでくるものといえます。 ここでは理系の学生が有利となる理由や向いている業界、職種を紹介していきます。
理系が就職先で有利な理由
文系出身者と比較すると、理系出身者の方が就職に有利と言われることが多い傾向です。有利と言われるのには、以下の5つの理由があります。 専門知識・技術力が直接評価される 理系限定の業界や職種の求人が多い 理系ならではの推薦制度がある 研究経験が評価される 文系職種(営業・企画など)にも応募可能 それぞれ、詳しく解説します。
専門知識・技術力が直接評価される
理系の大学で学べる分野は、企業の技術開発や研究職などと直結している場合がほとんどです。そのため、大学で学んできた知識が、そのまま評価されることが多い傾向にあります。即戦力として期待されることが多い分野は、以下の通りです。 機械・電気・電子:設計、製造、生産管理 情報系・AI・データサイエンス:プログラミング、AI開発、システム設計 科学・材料:製品開発、品質管理 バイオ・医薬:研究職、分析、創薬 建築・土木:設計、施工管理 企業にとって、専門知識を持っている人材は貴重な存在です。そのため、文系の大学に通っていた人よりも、専門職として採用される可能性が高い傾向にあります。
理系限定の業界や職種の求人が多い
理系限定の採用枠を設けている企業は、非常に多く存在しています。特に、大手のメーカーやIT企業などでは、文系職より技術職の採用枠が多い傾向です。たとえば、以下の企業は理系の大学出身の人を積極的に採用しています。 メーカー(トヨタ、日立、ソニー)→機械・電気系の技術職 IT企業(NTTデータ、富士通、楽天)→システム開発・データ分析職 科学・医薬(住友化学、アステラス製薬)→研究・品質管理職 理系出身者でないと応募できない採用枠があるため、競争率は低いと言えるでしょう。文系出身者と比較すると、有利に就職できる可能性が高いです。
理系ならではの推薦制度がある
理系の学部や大学院では、企業と大学のつながりを活かした「推薦制度」を利用できるケースがあります。推薦制度は、「教授推薦」と「学校推薦」の2種類があります。 教授推薦は、研究室の教授が特定の企業に推薦してくれる制度のことです。教授と企業のつながりが強い場合は、面接や試験などを受ける前に、内定が確定するケースもあります。 一方、学校推薦は、大学が提携している企業に、成績などの基準を満たした学生を推薦する制度のことです。学校推薦は、学科単位で枠が決まっている場合がほとんどです。 特に、メーカーの技術職への就職を希望する場合は、推薦制度を利用することで、一般応募よりも有利に進めることが可能になります。
研究経験が評価される
理系の学生は、卒業研究や大学院の研究などを通して、「課題解決能力」や「論理的思考力」、「実験・分析スキル」などの力を鍛えています。企業でも求められる力のため、特に技術職や研究職へ就職する場合は、評価される可能性が高いです。 企業の採用面接を受ける際、面接官から「あなたの研究内容を簡単に説明してください」と聞かれる場合があります。分かりやすく説明できた場合、専門性の高さをアピールすることが可能です。
文系職種(営業・企画など)にも応募可能
理系の学生であっても、文系職種への応募ができます。理系の知識を活かしつつ、幅広い職種にチャレンジできることは、理系の学生にとってのメリットのひとつです。具体的には、以下のような職種になります。 総合職(商社・金融・コンサル) 営業職(メーカー・IT) マーケティング職 総合職へ応募する場合は、「論理的思考」が評価されることが多く、理系の学生に有利に働く可能性があります。営業職へ応募する場合は、技術的な知識を活かすことが可能です。 また、マーケティング職の場合は、データ分析や市場調査が得意な人は評価される可能性が高いでしょう。
理系が不利になるケース
理系出身者が就職に有利なケースがある一方、不利になってしまうケースも存在しています。今回紹介するケースは、以下の3点です。 研究職志望で実績が不足 コミュニケーション能力が弱いと不利 文系職種を志望する場合に適性を示せない それぞれ、詳しく解説します。
研究職志望で実績が不足
研究職を志望する場合、学会発表や論文などの実績が重視されます。大学で学会発表や論文などを経験していないと、大学院生や他の競争相手に劣ってしまうでしょう。また、研究職の実績が不足していると、企業が応募している研究職枠に採用されないかもしれません。 実績が不足していると感じる場合は、大学以外の経験を増やすことがおすすめです。インターンやアルバイト、ボランティアなどを経験することで、補強すると良いでしょう。
コミュニケーション能力が弱いと不利
就職活動では、面接やグループディスカッションなどを通して採用するかどうか判断されます。大学で研究室が中心の生活を過ごしていて、人とコミュニケーションをとることに慣れていないと、不利となる可能性があります。自分の強みや技術について、うまく企業に伝えられないと、非常にもったいないでしょう。
大学で行っている模擬面接に参加したり、グループディスカッションの練習を積極的に行ったりすることで、場に慣れていくことがおすすめです。
文系職種を志望する場合に適正を示せない
理系出身の人が、営業職やマーケティング職などの文系職種を志望する場合、「なぜ理系なのにこの職種を選ぶのか」と聞かれる可能性が高いです。質問に明確に答えられないと、働きたい意思が見えず、不採用となってしまうかもしれません。 もし文系職種を志望する場合は、自分なりのストーリーを用意することがおすすめです。「理系の分析力を活かしてマーケティングに挑戦したい」など、理由を明確にすることで、自分の強みもアピールできるでしょう。
理系の就活成功のポイント
ここからは、理系出身者の方が就活に成功するためのポイントを紹介します。今回紹介するポイントは、以下の4点です。 ① 研究内容を簡潔に説明できるようにする ② 技術力+コミュニケーション力をアピール ③ 文系職種も視野に入れて幅広く応募 ④ OB・OG訪問や企業研究を徹底する それぞれ、詳しく解説します。 ① 研究内容を簡潔に説明できるようにする 理系出身の場合、面接で研究内容を聞かれる場合がほとんどです。うまく説明できないと、どのようなことを研究したのかが伝わらず、採用されない可能性もあります。 面接対策のために、自分の研究内容を3分で説明する練習をすることがおすすめです。理系出身でない人でも理解できるような言葉を使って説明できるようにしましょう。 ② 技術力+コミュニケーション力をアピール 理系で培った技術力だけでなく、コミュニケーション力を持っていることをアピールできると良いでしょう。インターンやアルバイトで実務経験を積むことで、「就職した際に使えるスキル」を持っていることを示すことが可能です。 ③ 文系職種も視野に入れて幅広く応募 理系出身者ならではの職種だけでなく、文系職種も視野に入れて応募しましょう。技術職や研究職は、文系職種と比較すると採用枠が少ない傾向にあります。そのため、理系の強みを活かせるような営業職やマーケティング職、コンサルなども候補に入れることがおすすめです。 ④ OB・OG訪問や企業研究を徹底する OB・OG訪問や企業研究を徹底し、就職したい企業への知識を深めましょう。特に、OB・OG訪問をすることで、理系出身の先輩方がどのように就活を進めたかを知ることが可能です。就活の経験談を参考にして、自分なりの戦略を立てて就職活動に挑みましょう。
理系が活躍できる業界の特徴
続いて、理系が活躍できる業界の特徴について紹介します。今回紹介する業界は、以下の5つです。 メーカー(自動車・機械・電機・電子) IT・ソフトウェア・データサイエンス 化学・素材・エネルギー 医薬・バイオ・ヘルスケア それぞれ、詳しく解説します。
メーカー(自動車・機械・電機・電子)
・業界の特徴 メーカーとは、原材料などを加工することで製品を生産し、提供する企業のことです。日本の基幹産業で、安定した需要があります。景気や消費者からの評判などによって売れ行きが左右されることは少なく、経営状況が安定している企業が多くみられます。 研究や開発、設計、生産技術、品質管理など、幅広い職種の採用を行っており、理系出身者に向いていると言えます。特に、機械や電気電子、材料系の分野の学生が就職に強い傾向です。 ・主な企業 自動車:トヨタ自動車株式会社、本田技研工業株式会社、日産自動車株式会社、スズキ株式会社、株式会社SUBARU、マツダ株式会社など 電機・電子:ソニー株式会社、パナソニックホールディングス株式会社、株式会社日立製作所、三菱電機株式会社、シャープ株式会社、キヤノン株式会社など 精密機器:株式会社キーエンス、オムロン株式会社、株式会社リコー、カシオ計算機株式会社、京セラ株式会社、オリンパス株式会社など ・求められるスキル メーカーへ就職する場合は、研究対象領域の深い知識が求められます。具体的には、以下の通りです。 機械系、電気・電子系:CADや回路設計、制御工学、メカトロニクスなど 材料系:材料力学や熱力学、ナノテクノロジーなど IT系:組み込み開発やシミュレーション技術など 他にも、論理的思考力や知的探究心、コミュニケーション能力などが求められます。 ・年収の目安 大手メーカー(研究・開発職):約1,000万円 中堅メーカー:約400〜1,000万円 中堅メーカーよりも、大手メーカーの方が年収は高い傾向です。ただし、上記はあくまでも目安のため、企業や年齢、経験などによって異なります。 ・就活戦略 研究職や開発職を目指す場合、修士卒が有利に働く場合が多い傾向です。面接で研究内容を聞かれる可能性は高いので、専門用語を使わずに論理立てて説明できるように準備しておきましょう。 メーカーが実施しているインターンは、技術職の採用に直結しやすいため、参加することがおすすめです。また、大学の推薦制度を活用することで、スムーズに内定を得られる可能性があります。メーカーへの就職を希望する場合は、入りたい企業の推薦制度があるかどうか確認しましょう。
IT・ソフトウェア・データサイエンス
・業界の特徴 昨今ではDXやAIが発展していることにより、IT人材の需要が急増しています。特に、情報系や数学系の分野の大学に通っている学生が有利であると言えます。文系出身者が採用されることも多いですが、プログラミングスキルを持っている理系出身者の方が圧倒的に有利です。 ・主な企業 SIer(システム開発):NTTデータグループ、富士通株式会社、日本電気株式会社、株式会社日立ソリューションズ、日本アイ・ビー・エム株式会社など Web系:楽天グループ株式会社、株式会社サイバーエージェント、LINE ヤフー株式会社、株式会社メルカリ、株式会社リクルートホールディングスなど AI・クラウド:Google LLC、Amazon Web Services inc、マイクロソフト、ソフトバンクグループ株式会社、日本IBM、株式会社インターネットイニシアティブなど ・求められるスキル IT・ソフトウェア・データサイエンスへの就職を希望する場合は、PythonやJava、C++、JavaScriptなどのプログラミングスキルが求められます。プログラミングスキルは就職してからでも問題ありませんが、すでにスキルがある人材の方が有利に就職できるでしょう。 また、データサイエンスのスキルが求められる場合もあります。データサイエンスのスキルを身につけるためには、機械学習や統計、SQLについての知識を習得することが必要です。 他にも、クラウド技術に関するスキルが求められるケースもあります。具体的には、AWSやGCP、Azureなどです。 ・年収の目安 Web系エンジニア:約500〜600万円 SIer(システム開発):約550万円 データサイエンティスト:約650〜700万円 ただし、企業によって年収は異なりますので、事前に調べてみましょう。 ・就活戦略 IT・ソフトウェア・データサイエンスへ就職したい場合、プログラミング経験があると即戦力として評価され、採用される確率が上がるでしょう。特に、GitHubや個人開発の実績をアピールすると、評価が高くなるためおすすめです。 IT・ソフトウェア・データサイエンスの中でも、AI・データ系へ就職希望する場合は、修士以上の学歴が有利に働きます。修士以上の学歴の場合、研究内容を活かせるためです。
化学・素材・エネルギー
・業界の特徴 化学・素材・エネルギー分野では、新素材の開発や環境対応が重要視されています。そのため、化学・材料系の分野の理系学生が活躍しやすい傾向です。 国民の生活と経済を支える業界のため、社会への貢献度が高い仕事ができます。グローバルな仕事に携われたり、大規模な仕事が多く達成感が得やすいなどの魅力もあります。 ・主な企業 化学:住友化学株式会社、三井化学株式会社、東レ株式会社、旭化成株式会社、三菱ケミカルグループ株式会社、セントラル硝子株式会社など 素材(鉄鋼・非鉄金属):日本製鉄株式会社、JFEスチール株式会社、三菱マテリアル株式会社、JX金属株式会社、住友電気工業株式会社など エネルギー:ENEOS株式会社、東京ガス株式会社、関西電力株式会社、出光興産株式会社、コスモエネルギーホールディングス株式会社など ・求められるスキル 化学・素材・エネルギー分野で求められるスキルは、有機化学や無機化学、環境・エネルギー関連の知識です。普段から積極的に情報収集をして、知識を深めるようにしましょう。また、材料特性の解析スキルも求められます。 ・年収の目安 大手化学メーカー:約800〜1,000万円 エネルギー系企業:約900〜1,000万円 上記はあくまでも目安になり、企業や役職、経験などによって年収は異なります。 ・就活戦略 研究職を目指す場合は、大学院を修了していると有利に働きます。環境やサステナビリティ関連の知識を持っていると強みになり、企業にアピールしやすいでしょう。面接で研究内容を聞かれる可能性は高いので、専門用語を使わずに論理立てて説明できるように準備しておきましょう。
医療・バイオ・ヘルスケア
・業界の特徴 製薬業界は、人々の健康な暮らしを守るためになくてはならない業界で、比較的収入が高く、安定性があることが特徴です。医療機器やヘルスケアの分野は、成長している企業が多い傾向にあります。 ・主な企業 製薬:武田薬品工業株式会社、大塚製薬株式会社、アステラス製薬株式会社、第一三共株式会社、中外製薬株式会社、エーザイ株式会社など バイオ・ヘルスケア:テルモ株式会社、オリンパス株式会社、シスメックス株式会社、福田電子株式会社、オムロン株式会社など ・求められるスキル 医薬・バイオ・ヘルスケア分野への就職を希望する場合は、薬学・生物学の知識が必要です。就職してからでも知識を習得できますが、就職する前から知識を知っておくことで、就活を有利に進められます。 また、臨床試験の設計や解析スキル、医療データの分析能力などのスキルを求められる場合もあります。 ・年収の目安 製薬業界(研究職):20代で約400万円、30代で約550万円 バイオ・医療機器:約450〜600万円 上記はあくまでも目安になり、企業によって異なります。 ・就活戦略 医療・バイオ・ヘルスケア分野への就職は、修士・博士卒の方が圧倒的に有利です。大学時代の研究内容を活かせるような企業を選ぶと、自分の強みをアピールしやすいためおすすめです。 また、資格を持っておくと就職が有利に働く可能性があります。医療・バイオ・ヘルスケア分野に役立つと言われている資格は、臨床工学技士やMDIC(医療機器情報コミュニケータ)、CDR(ペースメーカー、ICD関連情報担当者)などです。
コンサル・金融(理系向け)
・業界の特徴 コンサル・金融業界は、論理的思考力やデータ分析力が求められる傾向です。文系出身者が活躍するイメージがありますが、理系出身者が活躍するケースが増加しています。 就職する企業によって異なりますが、高い専門性が求められ、グローバルに活躍できる職種が多くあります。そのため、キャリアアップの機会が多い業界であると言えるでしょう。 ・主な企業 コンサル:マッキンゼー・アンド・カンパニー、ボストン・コンサルティンググループ、デロイトトーマツグループ、アクセンチュア株式会社など -金融(クオンツ・データ分析):ゴールドマン・サックス・グループ、モルガン・スタンレー、野村證券株式会社、株式会社三菱UFJ銀行など ・求められるスキル コンサル・金融業界への就職を希望する場合は、データ分析や数理モデリング、金融工学、プログラミングなどの知識や技術が求められます。他にも、論理的思考力や問題解決力といったスキルも求められる傾向です。 さらに、コンサル・金融業界は変化が激しい業界でもあるため、向上心が高く、学習する意欲を求められます。面接で向上心をアピールできると、就活が有利に働く可能性が高いです。 ・年収の目安 コンサル:約600〜2,000万円 金融(クオンツ):約800〜1,200万円 コンサル業界は、外資系かそうでないかで年収が大幅に異なります。金融業界は、都市にあるか地方にあるかによっても異なるため、事前に調査しておくことがおすすめです。 ・就活戦略 コンサル・金融業界へ就職したい場合は、データ分析スキルを磨くと有利に働きます。たとえば、PythonやR、SQLなどのスキルです。 また、企業が実施しているインターンに参加することで、より選考を有利に進められます。コンサル・金融業界への就職を希望するのであれば、積極的に参加しましょう。
理系の就活でおすすめの職種
ここからは、理系の就活でおすすめの職種について紹介します。今回紹介する職種は、以下の通りです。 データサイエンティスト AI・機械学習エンジニア 研究・開発職(メーカー) ITエンジニア(SE・インフラ) 製薬・バイオ関連(MR・開発) それぞれ、詳しく解説します。 H3 データサイエンティスト ・特徴 データサイエンティストとは、データを活用してビジネス課題を解決する仕事のことです。需要が非常に増えており、将来性が高く見込まれています。数理や統計、AIなどの知識を活かせるため、それらの分野で学んできた方におすすめの職種です。 ・必要なスキル データサイエンティストには、PythonやR、SQLなどのスキルが必要です。また、統計学や機械学習についての知識も深めておく必要があります。 さらに、データ分析や可視化する力も必要です。TableauやPowerBIといったソフトウェアを使用できるようになっておくと良いでしょう。 ・就活戦略 データサイエンティストへ就職したい場合は、Pythonを使用してデータ分析経験を積んでおくことがおすすめです。Kaggleなどに挑戦しておくと良いでしょう。 また、企業が実施しているインターンに参加し、実務経験を積むこともおすすめです。インターンに参加している方が、有利に就活を進められるでしょう。 さらに、統計や機械学習の研究経験がある場合は強みとなり、企業へアピールすることが可能です。修士や博士卒の方が有利に働く傾向にあります。
AI・機械学習エンジニア
・特徴 ディープランニングやAIアルゴリズムの開発などを行う仕事です。前述したデータサイエンティストと並び、急成長をしている分野になります。特に、情報系や数学系の分野の学生に適している職種と言えます。 ・必要なスキル AI・機械学習エンジニアに必要なスキルは、TensorFlowや¬PyTorchなどによる機械学習です。また、プログラムスキルも必要で、PythonやC++、MATLABなどを使いこなせると良いでしょう。さらに、数理最適化や強化学習をしておくことも必要です。 ・就活戦略 大学でAIに関する研究をしている場合は、研究内容を活かせる企業を狙うことがおすすめです。即戦力になると判断され、就活が有利に働く可能性があります。また、研究するだけでなく、Kaggleや論文執筆、OSS活動などで実績を作っておくこともおすすめです。 外資系企業への就職を考えている場合は、英語力も必要になります。TOEIC800点以上が望ましいとされているため、学生のうちに受験しておくと良いでしょう。
研究・開発職(メーカー)
・特徴 メーカーの研究・開発職は、理系の専門知識をフル活用することが可能です。ものづくりに関わることができ、技術革新に貢献できるという魅力があります。安定性が高く、大手メーカーであれば待遇面が良い傾向です。 ・必要なスキル メーカーの研究・開発職に必要なスキルは、CADやMATLABなどの機械設計・回路設計です。また、SEMやTEMなどの材料科学・化学分析や、電気・電子工学、ロボティクスなどの知識が必要になる場合もあります。 ・就活戦略 メーカーの研究・開発職に就職したい場合は、大学院を修了している方が圧倒的に有利に働きます。企業の研究テーマと自分の研究テーマをマッチさせると、評価されやすい傾向です。メーカーが実施しているインターンに参加することで、スムーズに採用されるでしょう。
ITエンジニア(SE・インフラ)
・特徴 ITエンジニアは、IT技術を活かしてシステム開発や運用を行う仕事です。文系出身者が参入する場合もありますが、理系は即戦力になりやすいため、就活に有利であると言えます。 ・必要なスキル ITエンジニアに必要なスキルは、JavaやC++、Python、Goなどのプログラミングスキルです。就職してから習得できる場合もありますが、就職前に習得しておくと、より採用率が高くなるでしょう。 また、AWSやAzureなどのクラウドに関する知識や、セキュリティ・ネットワーク技術などが必要になる場合もあります。 ・就活戦略 ITエンジニアに就職したい場合は、GitHubなどのポートフォリオを作ることがおすすめです。AWS認定資格などを取得すると、さらに評価が上がるでしょう。 また、Web系スタートアップ企業や大手のIT企業のインターンに参加することで、実績を積むことが可能です。そのまま採用につながるケースもあるため、参加しておくと良いでしょう。
製薬・バイオ関連(MR・開発)
・特徴 製薬・バイオ関連の仕事は、医薬品やバイオテクノロジー分野で活躍できます。修士卒や博士卒の方が有利に就活を進められるでしょう。 ・必要なスキル 医薬品開発に携わりたい場合は、GMPやGLPといった医薬品開発プロセスが必要です。また、臨床試験や薬事規制に関する知識を持っておくことも必要になります。さらに、データ解析のスキルを持っておくと、より就職活動を有利に進められるでしょう。 ・就活戦略 製薬・バイオ関連では、大学時代の学会発表や論文の執筆が評価されやすい傾向です。製薬企業の研究職は競争が激しいため、実績を作ることが必要です。 MRへの就職を希望する場合は、医師や取引先と話す機会が多いことから、営業スキルも必要になります。
まとめ
今回は、理系出身者に向いている業種や職種について紹介しました。理系に向いている業種や職種はさまざまで、それぞれ特徴や必要なスキルが異なります。 自分が就職したいと思う業種や職種を見つけて、必要なスキルを身につけたり、就活の戦略を練ったりすることが必要です。 就活は辛い場面も多いかもしれませんが、しっかりと準備をすることで自分に合った企業と出会えるでしょう。