就活におけるエントリーシートは、多くの就活生がぶつかる最初の壁でもあり悩ましいものといえます。エントリーシートの形式では、SNSでも「手書きは時代遅れ」との声も多く、一方で「手書きで想いが伝わる」と擁護派も根強い状況です。
そこで、エントリーシートの手書きは時代遅れか?という疑問に対し、実態と背景、業界傾向、採用担当者の本音などを網羅的に解説していきます。
エントリーシートとは?履歴書との違い
エントリーシート(ES)は、主に自由記述形式で、志望動機・自己PR・ガクチカ(学生時代に力を入れたこと)などを企業に伝えるための書類です。履歴書が個人情報や経歴を簡潔にまとめたものなのに対し、ESはその人の考え方や価値観、企業との相性を測る「中身」を見られる重要な書類です。
自由なだけに、個性がハッキリと分かれるものですから、人と違うものを作りたいというのは就活生のテーマといえます。手書きやパソコンで作成するというのも、人によってイメージ的な違いが生まれるものでしょう。
エントリーシートの提出形式は手書き・パソコン?
エントリーシートの提出形式は手書きのほかにパソコンで印刷する方法があります。それぞれの特徴をみていきましょう。
手書きの背景と今の立ち位置
手書きのエントリーシートはかつて就活の標準であり、すべての学生が手書きで丁寧に作成していました。その背景には、文化的・社会的な要素があります。
誠意や熱意を可視化できる手段として重視されていた
パソコンがまだ一般的でなかった時代、手書きは「その人自身を表す唯一の表現方法」とされていました。字の丁寧さ、レイアウト、余白の使い方などから人柄を読み取るという文化があったものです。
ビジネスマナーや基本動作のチェックツールとしての役割
エントリーシートで文字を揃えて書く、誤字を避ける、修正は避けるといったマナーを見れば、その人が社会人としての基本を備えているかを判断できるとも考えられていました。
これらの要素は就職してからも直結する部分であり、集中力の欠如やケアレスミスをしやすそうなど、基本的な作業を図ることができます。
大学推薦や官公庁、公務員試験での「書類重視」文化
教育機関や行政機関では、「手書きの作文」や「記述力」が評価基準とされていたため、ESでもその流れを受け継ぐ形で手書き文化が定着していました。
現在では、パソコンスキルやデジタル提出が一般化する中で、手書きのESは減少傾向にありますが、ゼロにはなっていません。特に以下のような企業や職種で残っています。
・地方の中小企業(地域密着型の温かみを大切にする文化)
・接客・サービス業(人柄や誠意を重視する企業文化)
・教育・医療・福祉関連(誠実さや丁寧な対応が求められる分野)
・公務員や公共機関(紙ベースの管理体制が多く残る)
また、「最近の学生はパソコンばかりで、自分の言葉で表現する力が落ちている」と懸念する人事担当者が、あえて手書きを課して文章力や構成力を見るケースも存在します。
手書き=非効率とは言い切れず、むしろ「人間味」「本気度」を見せるための差別化ツールとして、現代においても一定の存在価値を持っているものです。
主流となっているパソコン作成
現代の就活において、パソコンで作成したエントリーシートを印刷して提出、あるいはPDF化してオンライン提出するスタイルが主流です。その理由は、効率性・正確性・視認性の3点に集約されます。
1. 効率的で修正が簡単
パソコンを使えば、誤字脱字の修正や文章の推敲が容易にできるため、最終的な完成度が高くなります。複数の企業に応募する際も、基本フォーマットを使い回しながら企業ごとにカスタマイズすることで、労力を大きく削減できます。
2. 読みやすさ・レイアウトの整い
パソコン作成の文章はフォントやレイアウトが整い、行間や字詰めも読みやすく調整できます。採用担当者にとっても読みやすく、工数軽減につながるというメリットがあります。
3. デジタル管理しやすい
企業側では、応募書類を採用管理システム(ATS)で一元管理するケースが一般化しています。PDF形式で提出されたESは検索性・保存性に優れ、データとして扱いやすいため、紙の書類よりもスムーズで管理しやすいものです。
4. テクノロジー活用への適応力アピール
特にIT企業や外資系企業では、「基本的なPCスキル」「ビジネス文書作成能力」も評価対象になります。パソコンで作成されたESは、形式そのものが“最低限のITリテラシー”を示す手段として機能します。
5. 印刷の場合もビジネスマナーが問われる
印刷したESを郵送や持参で提出する場合も、レイアウト、紙質(白無地A4推奨)、印刷設定(モノクロ片面など)、封筒の書き方まで配慮が必要です。これらの細かい部分でマナーや配慮ができるかが問われるため、むしろ緊張感を持って仕上げられる点もあります。
以上のように、印刷・パソコン作成の形式は、効率化と高品質化、さらには現代の選考環境への適応性という観点から、最も理にかなった形式といえるでしょう。
書きやパソコン作成のメリット・デメリット
エントリーシートの提出形式には手書きやパソコンでの作成以外にもWebフォームへの入力があります。これらは特徴や注意点が異なりますので、メリット・デメリットをそれぞれみてきましょう。
● 手書き
メリット①
丁寧な字で誠実さや熱意が伝わりやすい
メリット②
パソコンとの差別化ができ、印象に残りやすい
メリット③
手間をかけて書いていること自体が評価されることもある
デメリット①
修正ができないため、一箇所のミスで全てやり直しになる可能性がある
デメリット②
書くのに時間がかかり、複数社への応募に非効率
デメリット③
字が読みにくいと評価が下がるリスクがある
● パソコンで作成
メリット①
誤字脱字の修正が簡単で、文章の精度を高めやすい
メリット②
レイアウトやフォントが整っており、採用担当者にとって読みやすい
メリット③
WordやGoogleドキュメントなどでテンプレート活用ができ、作業効率が良い
デメリット①
テンプレ感が出ると印象に残りづらくなる可能性がある
デメリット②
フォーマットの統一を怠ると、雑な印象を与えてしまう
デメリット③
ファイル形式(Word/PDF)や提出方法(添付/アップロード)を間違えると減点対象になってしまう
● Webフォーム入力
メリット①
提出が簡単で、即座に企業に届く
メリット②
採用管理システム(ATS)と連動しており、企業側も扱いやすい
メリット③
パソコンがなくてもスマホやタブレットで対応可能なケースもある
デメリット①
フォームの制限により、文章の自由度が下がることがある
デメリット②
自動保存や改行不可などで編集にストレスを感じる場合がある
デメリット③
システムエラーや入力ミスに気付きにくく、提出後の修正が困難な場合もある
このように、どの形式にも一長一短があるため、企業ごとの指定や業界の傾向を把握し、最も適した方法を選ぶことが重要です。
企業が形式に求める意図とは?
企業がエントリーシートの提出形式にこだわる理由には、単なる効率性だけでなく、応募者の資質や姿勢を測る意図が込められています。形式にはそれぞれ意味があり、企業側はそれを通じて多角的に人物像を判断しようとしているものです。
手書き指定の意図
・丁寧さ・誠実さの確認
字を丁寧に書く=相手への敬意や仕事への姿勢が表れると考えている企業も多くあります。実際に仕事では、手書きの引継ぎや連絡というのはどの企業でもいまだにあるものです。
・文章構成力・表現力のチェック
パソコンの自動補正機能なしで、どれだけ論理的に文章を書けるかを確認しています。同時に、どの程度表現力があるのかチェックしています。
・地道な努力を惜しまない姿勢の評価
書き直しや誤字脱字のリスクがある中、根気よく仕上げる姿勢を評価材料にする企業もあるでしょう。
・文字からの人柄判断
日本語の筆跡には、性格や感情がにじみ出ると考える文化的側面もあり、特に年配の人事担当者に強い傾向が見られます。
パソコン作成・印刷提出の意図
・PCスキル・ビジネスマナーの確認
Wordの使い方やPDF化、印刷の仕上げなど、社会人基礎力を測ることができます。ある程度のビジネスマナーも確認できます。どのような業界でも、一般的なパソコンスキルやビジネスマナーは必要です。
・文書の構成力と見せ方のスキル確認
見出し・段落・改行・フォント選びなど、情報整理力を評価することができます。
・再現性と対応力の確認
自社だけでなく、他社にも対応できるレベルの文書が作れるか、どの程度の汎用性があるかをチェックしています。
Webフォーム提出の意図
・システム対応力とスピード感の確認
Webベースでの記入やアップロードが苦にならないか、マルチタスクに慣れているかを見極めています。
・均一なフォーマットで比較しやすくするため
パソコン作成だと各自がバラバラのフォーマットになりやすく、全員が同じフォーマットで提出すれば、志望動機や自己PRの中身を純粋に比較しやすくなります。
・ペーパーレス・管理効率向上を目的としたDX施策の一環
特に大企業やIT企業ではペーパーレスを推進している企業が多く、「紙で提出」は管理面で負担になってしまいがちです。これはDX施策にもなっていることもあり、Webフォームだと管理面も効率化が進みます。
このように、企業は提出形式からも応募者の「ビジネス感覚」「誠意」「適応力」などを評価しています。単なる手段の違いととらえず、その形式が何を見ているのかを理解した上で、提出に臨むことが選考突破の鍵となるでしょう。
業界別の傾向まとめ
エントリーシートの提出形式は、業界ごとに異なる文化や採用スタンスに大きく影響されています。
次に代表的な業界ごとに、主流の提出形式やその背景を詳しく見ていきます。
● IT・Web系
主流形式:Webエントリー・マイページ入力・PDFアップロード
背景:DX(デジタルトランスフォーメーション)を推進する企業が多く、紙提出は管理コストの観点から避けられる傾向にあります。また、UI/UXの知見が問われる業界であるため、Web提出時の文面構成や見せ方も評価対象になる場合があります。
● 金融・保険
主流形式:Web提出+一部PDF指定
背景:信頼性・正確性を重視する業界であるため、形式における「指示通りに対応できるか」が評価されます。大手はマイページ制を導入していることが多く、指定フォーマットや文字数制限が設けられている場合もあります。
● 不動産・建設
主流形式:パソコン作成+印刷提出/Webアップロード
背景:書類文化がまだ根強く残っており、紙に印刷して郵送する形式を好む企業も多く存在します。訪問・対面型の営業文化が中心のため、紙資料に慣れている担当者が選考を行っていることが多いです。
● 教育・行政(公務員含む)
主流形式:手書きエントリーシート
背景:作文試験・論述試験の文化が残っており、手書き文化も健在です。誠実さ・人柄・誤字脱字のチェックなども重要視される傾向があり、形式の丁寧さも評価対象になるでしょう。
● 観光・接客・サービス業
主流形式:手書きまたはパソコン作成印刷提出
背景:対人接客を重視する業界のため、字の丁寧さや書き方の誠意から人柄を感じ取りたいという採用側の想いが残っています。ホテルやテーマパーク業界では、書類が汚れている・折れている・印刷がずれているといった整い方も重視される傾向があります。
● 製造・インフラ
主流形式:PDF提出/印刷郵送も一部あり
背景:現場とオフィスの文化が混在するため、企業ごとに提出形式が大きく異なります。大企業ではWeb提出が一般化していますが、工場・地方拠点では印刷提出を求められることもあります。
業界によって「形式」に対する意識や文化には大きな違いがあります。エントリー前には企業の採用ページや求人要項で提出形式を必ず確認し、柔軟に対応できるように準備を整えておくことが重要です。
就活のエントリーシートで成功しやすい・失敗しやすい例
就活のエントリーシートで、手書き・パソコンで印刷・webの形式ごとに成功しやすい例と失敗しやすい例をそれぞれの特徴から紹介していきます。
● 成功しやすい例
・手書き
大学で教育実習を経験している就活生の場合、教育業界を志望する人は多く見られます。教育現場では、パソコンやタブレットの授業が増えているとはいえ、やはり黒板やホワイトボードなど手書きの授業は文化として根強く残っているものです。
そこで、手書き指定のエントリーシートに対して、時間をかけて丁寧に書き上げることで、人事担当者にも「手書きの字から誠実さが伝わった」と評価されるケースがあります。
綺麗な文字を書くのが苦手な人の場合でも、丁寧に書くことは可能です。気持ちを込めて作成できるかがポイントといえるでしょう。
・パソコン作成から印刷提出
Wordで作成したエントリーシートでは、レイアウトも含めて行間やフォントサイズを工夫し、印刷もまっすぐ綺麗にすることで見やすくなります。
郵送する際にクリアファイルに入れると書類が折れて曲がる心配もなく、担当者も「丁寧で読みやすい」と感心されます。
・Web提出
Web提出ではエントリー開始後にスピード対応できます。すぐに対応する人ほど「レスポンスも速く、システムの順応力も高い」と評価されます。
● 失敗しやすい例
・提出形式の勘違い
エントリーシートの提出方法をしっかり確認せず、Webのアップロードなのに紙に印刷して郵送してしまった場合、一応期限に間に合ったとしても選考を通過するのは難しいものです。
いくら提出したとしても、形式を間違ってしまえば「きちんと確認できない」「注意力不足」として、選考段階で落とされてしまうでしょう。
・手書きESで誤字だらけ
手書きのエントリーシートでは丁寧に書くことも大事ですが、誤字脱字も目立ってしまいます。さらに文法も支離滅裂になる可能性があり、結局何が言いたいのか分からない内容となりやすいものです。
このような人は仕事でもミスが多くなりやすく、印象も悪くなってしまうので、選考で落とされる可能性は高くなるでしょう。
・フォントや行間がばらばら
Wordで作成すると文法チェックがあるので誤字脱字や文法の表記ゆれは回避できるものです。しかし、フォントが2種類ある場合や、行間も不揃いになってしまうと見づらくなってしまいます。
体裁を気にする担当者もいるので、見た目の整え方にも気を配るように注意しましょう。
提出形式で評価は変わるのか?
就活生にとって気になるのは、「提出形式によって選考評価が変わるのか?」という点です。結論から言えば、「内容が最も重要」であることに変わりはありませんが、形式が選考に影響する場面も少なくありません。ここでは形式が評価に影響する具体的なポイントを詳しく解説します。
内容が重要でも読みやすさは仕事の丁寧さにつながるので注意
企業の多くは本質的に内容を重視していますが、形式が不適切な場合だと、読む前からマイナス印象を与えてしまうリスクがあります。
先述した誤字脱字やフォント、レイアウトの崩れ、指定した提出形式ではないのは問題です。これらのようなミスは仕事にもつながります。入社してから雑な仕事になりそうなイメージを持たれてしまいます。
このようなミスは、ビジネスマナーや注意力の不足とみなされ、内容以前に「社会人としての基礎」ができていないと判断される恐れがあります。
フォーマットで評価される点
・指示に対する正確性
課題に対して素直に対応できる人材かどうかを判断されます。指示に対し、何かにつけて反論しそうなタイプは敬遠されがちであり、正確に対応できる人ほど仕事でも信頼されます。
・視認性
人事担当者は就活生の応募が多いほど、大量の書類を処理しなければなりません。その中で、視認性(読みやすさ)の高い書類は好まれる傾向があります。
・誠実さや真剣さの表現
手書きで一文字ずつ丁寧に書かれたエントリーシートや、綺麗にレイアウトされたPDFは、読み手に「手を抜いていない」印象を与えます。
仕事も真面目に取り組んでくれそうなイメージとなり、書類選考でも有利となるでしょう。
形式がプラス評価につながる場面
手書き形式は「温かみ」「誠意」が感じられたときに評価されやすくなります。手書きは時間もかかって面倒でもありますが、綺麗な文字で丁寧に書かれた文章だと、同じ内容のPDFなら手書きのほうが印象はよくなります。
パソコン作成では文字数の制限や行間やレイアウトがきっちりと整理されていると評価されやすくなります。郵送する際に用紙に汚れがなく印刷の薄れがないと印象もよくなりやすいものです。
Web提出では提出が早くて正確であるほどシステム対応力が評価されるでしょう。
一方で、形式がどれだけ整っていても「内容が浅い・テンプレート的」であれば、選考は通りません。内容と形式の両方が伴うことで評価につながります。
また、採用担当者の視点からすると、最初に目にするのがエントリーシートです。特に書類選考のみで一次通過が決まる場合、提出形式の整え方ひとつが「読まれるか、読まれずに落ちるか」を左右します。
「形式=最低限の通過ライン」ともいえるので、提出方法は必ず守るようにしましょう。
エントリーシートの手書き・パソコン形式に関するQ&A
エントリーシートの形式に関する悩みについて、Q&A形式で徹底的に解説します。
Q1:提出形式の指定がない場合、どうするのがベスト?
A:
基本的には「パソコン作成+PDF形式」で印刷後に提出するのが無難です。
指定がない場合でも、読みやすさ・修正のしやすさ・企業側の管理のしやすさを考慮すると、パソコンで作成し、PDFに変換したものを提出する形式がスタンダードです。
ただし、企業が伝統的な業界の場合は、電話や採用サイトで提出形式を確認しても問題ありません。
Q2:手書きの字に自信がありません。それでも手書きの方が良いですか?
A:
基本的に丁寧に書けば問題ありません。字の美しさは個人差がありますので、「読みやすさ・丁寧さ」が評価されます。
もちろん、字が綺麗な人は読みやすさで有利ともいえますが、雑に書いたエントリーシートよりも、時間をかけて丁寧に仕上げれば好印象となります。修正液や訂正線の使用は基本NGなので、下書きで練習してから清書しましょう。
Q3:PDFってどうやって作ればいいの?
A:
WordやGoogleドキュメントで作成し、「名前を付けて保存」→「PDF形式」で出力すれば簡単に作成できます。
PDFにすることで、レイアウト崩れや文字化けを防げます。ファイル名に指定がなければ、「エントリーシート_氏名_企業名.pdf」のように分かりやすくしておきましょう。
Q4:印刷して持参する場合、紙や封筒のルールは?
A:
白のA4用紙にモノクロ印刷、クリアファイルに入れて角形2号封筒で提出が基本です。
フォントは明朝体(MS明朝、游明朝など)、文字サイズは10.5~12pt程度が適切です。折り曲げたり、汚れたりしないよう配慮し、提出前には指紋や折り目がないかもチェックしましょう。
クリアファイルに入れておけば折れ曲がりもなく、より安心です。
Q5:エントリーシートの提出ミスをしてしまったら?
A:
すぐに企業に連絡をしましょう。エントリー期限内であれば、再提出などの指示があるはずです。
企業の担当者に迷惑がかかってしまうので、誠意を持って謝罪をするようにしておき、再提出も迅速に行いましょう。
「Wordで提出してしまった」「誤字を見つけた」などのミスは早期対応が肝心です。エントリーフォーム入力後に自動メールが送信される場合がありますが、多くはそのまま返信しても取り扱ってくれないので、問い合わせフォームか直接電話するようにしましょう。
Q6:大学のキャリアセンターが手書きを勧めてくるのはなぜ?
A:
手書きによって「真剣さ」「熱意」「誠意」が伝わることがあるためです。
キャリアセンターでは「印象に残る書類」を推奨することがあり、Web提出が主流の今でも温かみのある手書きが評価される場合を重視しています。
ただし、最終的には企業の指定が優先です。
Q7:複数の企業に出すとき、内容をコピペしてもいい?
A:
まったく同じ内容のコピペはNGです。名前や学籍などはコピーでも構いませんが、企業ごとにカスタマイズすることが重要です。
特に志望動機は企業ごとの事業内容や企業の価値観にあわせて書く必要があります。基本構成は使い回しても問題ないので、企業固有の要素を盛り込むのを忘れないようにしましょう。
エントリーシートの形式は柔軟に対応することが大事
就活において正解は一つではありません。企業の数だけ評価基準があり、採用の価値観も千差万別です。だからこそ、重要なのは一つの形式に固執せず、状況に応じて対応を変えられる柔軟さといえるでしょう。
・企業ごとの文化に適応できる力を示せる
保守的な業界や先進的な企業でも、求める形式に的確に対応できることは「対応力=即戦力」の証とみなされます。
・事前準備ができている証拠になる
提出形式を事前に確認し、それに合った形式で丁寧に仕上げることは、「企業研究」「情報収集」ができている証です。
・トラブル時の対応能力を示せる
提出ミスやシステムトラブルがあっても、冷静に再提出や問い合わせができる人は、実務でも対応力に優れていると評価されやすい傾向にあります。
● 柔軟な姿勢を具体的に見せる方法
複数の形式に対応したエントリーシートのテンプレートを持っておくようにしましょう。手書き用やパソコン用、Web入力用に分かれて、提出先ごとに形式・フォント・文体を微調整できるようにしておくと便利です。
提出方法が自由の場合、「なぜこの形式にしたか」を面接で聞かれたときに説明できるようにしておきましょう。
● 柔軟さと一貫性のバランスも大切
柔軟である一方で、「どの形式でも内容のクオリティが変わらない」ことも重要です。手書きとパソコンで内容が変わってしまうのはもったいないといえます。
形式に惑わされず、自分の強みや経験を一貫して伝えられることは大切です。
まとめ
エントリーシートの提出形式を意識することは大事ですが、それ以上に重要なのは中身の質と伝え方です。内容が薄ければ、どんなに形式が整っていても評価されません。逆に、内容がしっかりしていて、形式にもしっかり気を配っている学生は、確実に評価されます。
人事担当者への伝え方ひとつで印象は大きく変わります。手書きは丁寧さ、パソコンは読みやすさを意識しておくように心がけておきましょう。
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