就活において第一印象はとても大切であり、その印象を与えるのが履歴書やエントリーシートに貼付する写真です。この写真というのは面接前の段階で企業が就活生に抱く「最初のイメージ」を決定づける要素のひとつといえます。
そんな大事なエントリーシートの写真ですが、どこで撮るのか、サイズの決まりや髪型、服装など、意外に分かっていないものです。
そこで、エントリーシートの写真について、スマホ撮影やWeb提出時の注意点なども踏まえて解説していきます。
エントリーシートの写真はどこで撮るべきか?
エントリーシートに貼る証明写真は、どこで撮影するかによって仕上がりや印象が大きく変わります。提出形式が紙からWebに移行している企業も多く、撮影方法の自由度は高まっています。
ここでは、エントリーシートの代表的な4つの撮影方法について、それぞれの特徴やメリット・デメリットを詳しく解説します。
証明写真機(ボックス型)のメリット・デメリット
駅構内や商業施設の片隅に設置されているのが「証明写真機」です。就活モードや美肌補正、顔位置ガイドなどの機能が搭載された高性能機が登場しており、多くの就活生が気軽に利用しています。
メリット:
証明写真機は全国どこにでも設置されており、いつでも利用可能な点です。屋外や施設内と場所にこだわらず、撮影から印刷まで10分以内で完了するので、急ぎのときに非常に便利といえます。
また、撮り直しも可能で価格は700円程度とリーズナブルですし、スマホ連携でWeb提出用データも取得できる機種もあります。
デメリット:
ライティングやカメラ性能には限界があり、多少暗く写ることもあります。表情が堅くなりがちで、印象が不自然になりやすいこともあるでしょう。特に椅子の高さが合わないこともあるので、何度も撮り直しをしないと満足できない場合もあります。
写真スタジオ・写真館での撮影
失敗が怖い場合、高いクオリティを誇るのがプロの写真スタジオでの撮影です。証明写真機がない時代、証明写真は写真スタジオや写真館(カメラ屋)で撮影している人が多く、実績も豊富といえます。
メリット:
プロのカメラマンによる表情指導やポージング指導が受けられます。ライティングや構図、背景が非常に美しく、仕上がりが抜群に優れています。履歴書の写真も数多く扱っている実績があり、画像補正もしっかり行うので第一印象UPを狙えるでしょう。
もちろん、画像データの納品も高画質なので、Web提出にも対応しています。
デメリット:
対人なので繁忙期となる季節は予約が必要となります。すぐに写真が出来上がらず、納品までに日数を要するケースもあるでしょう。急ぎで対応してほしい場合は向いていないこともあります。
また、高いクオリティとなるので費用は2,000~5,000円程度と、少し割高になります。
スマホでの自撮り・自宅撮影
エントリーシートでは、データ化しやすいスマホのカメラアプリでの撮影も増えています。一時期はスマホでの撮影でコピー印刷したのを貼るのはNGでしたが、近年のカメラ機能は凄まじく高性能ですので、Web提出にもなればスマホを利用するのは利便性に優れています。
ただし、スマホでの撮影には細心の注意が必要です。しっかりと固定できるのはもちろんのこと、正面から安定したアングルを確保しなければなりません。特に難しいのが背景といえます。カーテンや壁紙など、生活感のある背景はNGで、無地の白やグレーの背景を選ぶようにしましょう。
とはいえ、画像アプリで背景を白くできる機能もありますので、それほど問題はないかといえますが、やはり真っ直ぐ撮影するのが難点かもしれません。
自然光を活かして、できるだけ日中の光が射している時間に撮影するようにしましょう。スマホの利点は何度でも撮り直しができる点です。納得いくまで撮影できますし、データを残したままで比較できるのも利点といえます。
身だしなみもその場で整えられます。
ただ、加工アプリとすぐに分かるような出来上がりにならないように気を付けましょう。年配の人事担当者の中には、スマホ撮影がご法度と認識している場合があります。自撮り感がでないようにするのが基本です。
一番のメリットは出かけずに無料で撮影できるところでしょう。
大学のキャリアセンターや就活サポートサービス
大学の中には、学生支援の一環として証明写真の撮影ブースや、提携スタジオによる出張撮影会などを開催しています。通常よりも価格が安いのが特徴です。
メリット:
就活生向けにエントリーシート用の最適化されたセットや撮影指導が受けられます。背景や服装のガイドラインが整っているため、就活向きの仕上がりになっています。通常の価格よりも安く設定されています。
デメリット:
多くの就活生が利用する場合、撮影できる日程も限られているため、混雑してなかなか予定通りにいかないこともあるでしょう。予約は前もって確認しておき、就活スケジュールと被らないようにしなければなりません。
エントリーシート用の基本サイズとデジタルデータのルール
エントリーシートに貼る証明写真は、撮影するだけで終わりではありません。写真のサイズやデータの仕様、ファイル名のつけ方まで含めて提出用のマナーが求められます。
特にエントリーシートのWeb提出が主流となった現代では、印刷して貼るタイプの履歴書とは違うルールも多数存在します。ここでは、基本サイズやWeb提出時の画像形式、データの整え方まで解説していきます。
写真サイズの基本は「縦4cm × 横3cm」
就活で使用する証明写真の基本サイズは「縦40mm × 横30mm(=4cm × 3cm)」です。このサイズは履歴書にも使われる一般的な証明写真のサイズであり、多くの企業がこれを想定してフォーマットを作成しています。
まれに企業からサイズの指定があるケースもあり、少し大きめのサイズ設定になっていることもあります。サイズ違いの画像はアップロードできないので注意してください。
撮影時にデータサイズを選べるスタジオや証明写真機を使用するようにしましょう。複数のサイズを選択できる場合もありますので、事前に確認するようにしてください。
画像データを自分でサイズ変更する場合は、縦横比率を保ったままリサイズし、解像度が低くなって写真がぼやけることのないように注意してください。
Web提出のための画像データ仕様
エントリーシートでWeb提出の場合、証明写真もデータ形式が求められます。重すぎるデータもNGですので、ファイルの容量をしっかり把握しておきましょう。
●多くの企業に共通する一般的なデータ仕様
・ファイル形式 JPEG(.jpg)、PNG(.png)
・解像度 300dpi以上
・ファイル容量 300KB~1MB以内(圧縮しすぎないこと)
・サイズ比率 縦4:横3(=履歴書と同様)
・カラー カラー写真が基本。白黒は避ける
・背景 白・グレー・水色など単色が望ましい
●よくある失敗例:
・スマホで撮った写真をそのまま送信 → 画質が粗すぎるか、サイズが大きすぎる
・背景がカーテンや家具のまま → 生活感が伝わり不採用のリスクが高い
・縦横比が違う写真 → 顔が潰れて表示され、事前の確認不足で印象が悪くなる
明るさや加工の調整はやり過ぎない
エントリーシートがWeb提出だからといって、加工アプリで「盛ってしまう」のは厳禁です。明るさやコントラストなどの自然な補正は許容範囲といえます。
ただ、肌を滑らかにしすぎる美肌加工は不自然に写りますし、目を大きくしたり、顔を小さくする加工アプリは控えるようにしてください。
インスタグラムで使うような、フィルターをかけて全体の色味を変える行為もやめましょう。写真と本人が違いすぎると、面接で不信感を与えてしまいますし、本気度が疑われてしまいます。
ファイル名・保存形式の注意点とデータのバックアップは必須
企業にとって、多くのエントリーシートが集中的に届くようになります。人事担当者は決められた期限内で確認しなければならず、その作業も大変な労力です。
ファイル名も指定がある場合はその通りに変更し、指定がない場合は分かりやすいファイル名を心がけましょう。
同姓同名がいる場合もありますので、名前の前に大学名を入れるのも担当者が分かりやすいといえます。日本語入力でも問題ありませんが、先方のソフトや管理方法によって文字化けする可能性もあるので、半角英数字で統一すると安心です。
また、データの保存とバックアップも工夫しましょう。Web提出に慣れてくると、以前撮影した写真がどこのフォルダに入っているのか分からず、もう一度撮り直しという可能性もなくはありません。
自宅のパソコンやスマホに専用フォルダを設け、就活用資料として分けておくようにしましょう。USBメモリでバックアップするのも安心といえます。
スマホで撮る場合のコツと落とし穴
就活が本格化する中で、「証明写真をスタジオで撮る時間やお金がない」「今すぐ提出する必要がある」という場面もあるものです。
エントリーシートの提出期限が迫ったときもありますし、そんなときに役立つのがスマホ撮影です。カメラの性能は一昔前のデジカメよりも高く、Web提出用としてもクオリティの高い写真を撮影できます。
そこで、スマホ撮影するときのコツと落とし穴をみていきます。
必要な撮影環境と機材
まずは、スマホで就活用の証明写真を撮るために最低限揃えておきたい環境は下記になります。
1. スマートフォン
カメラ性能が800万画素以上なら問題ないといえます。
インカメラではなく、アウトカメラ(背面)を使用するのが基本です。
タイマー機能を使い、正面から真っ直ぐ撮影できるように、設定でHDR機能やグリッド線をオンにすると構図が取りやすくなります。
2. 三脚または固定スタンド
カメラの高さを自分の目線と同じ位置に調整できるものが理想で、安定性のある台や机でも代用可能ですが、水平・垂直を維持できるか確認が必要です。
3. 撮影背景
背景は白または明るいグレーの無地の壁が最適で、カーテンや家具、本棚などが映らないように注意しましょう。必要に応じて白布や模造紙を貼って背景を整えるのがコツです。
4. 照明
日中の自然光(午前〜昼過ぎ)がベストで、1方向から当たると影が出るため、左右から均等に光が差す窓際がおすすめといえます。夜間は顔が暗くならないよう調整しましょう。
5. 撮影アプリ・補助ツール
タイマー機能付きのカメラアプリ(3秒・10秒など)で自動撮影し、グリッド線で顔を中心に持ってくるようにします。
スマホ撮影で気をつけたい構図と姿勢
就活用の写真では「顔の向き」「肩の位置」「表情」が非常に重要です。撮影前に以下のポイントを確認しましょう。
カメラのレンズに正面から目線を合わせるようにし、顔・肩の両方が写るように構図を調整します。
証明写真機やスタジオのようにアナウンスや声掛けがないので、背筋をしっかり伸ばして姿勢良くするのを忘れないように注意してください。
顔の左右が均等に写っているか確認し、表情は口角を少し上げることを意識します。服装や髪型はスタジオ撮影と同様にしっかり整えて臨むようにしましょう。
スマホ撮影のNG例とその改善方法
スマホ撮影にありがちなNGパターンと、その改善方法も紹介します。
NG例①:アングルが斜めになる、もしくは顔が中央にない
改善策:三脚を使用して高さと角度を固定。グリッド線を使って顔を中央に配置。
NG例②:背景が生活感丸出し(カーテン、棚、本、洗濯物)
改善策:無地の壁に白布を貼るか、撮影アプリで背景ぼかしを入れるのもあり。
NG例③:ピントが合っていない/顔が暗い
改善策:撮影前にピントをタップして自動調整する。自然光なら窓際で夜間など暗いなら LEDライトを使用。
NG例④:自撮り(インカメラ)での撮影
改善策:アウトカメラ+タイマーで撮影。インカメラは解像度が低く、構図もズレやすいのが難点。
NG例⑤:アプリ加工で盛っている写真
改善策:基本的に加工はせず、明るさ・コントラストの補正のみ。目の大きさや輪郭はいじらない。
企業側はスマホで撮ったかどうかよりも、しっかりと就活用マナーを守り、誠意を持って準備しているかどうかを見ています。
撮影後のチェックと仕上げのコツ
撮影が終わったら、以下のチェックリストを参考にして確認しましょう。
①顔が写真の中心にあり、上下左右が均等か
②顔の表情が明るく、自然な笑顔になっているか
③背景は無地で生活感がないか
④データサイズ・形式は提出先の指示に合っているか(JPEG/300KB〜1MB)
⑤ファイル名は「氏名_写真」などで明記されているか
また、提出前にパソコンや別のデバイスで写真を確認してみると、画質の粗さや暗さ、ピントずれがハッキリと見えることがあります。
一度自宅のプリンターでカラー印刷してみるのも分かりやすく確認できます。
服装・髪型は第一印象を不利にしないために整える
エントリーシートの証明写真は、単なる顔写真ではありません。服装や髪型、表情などすべてを含めた第一印象を企業に伝えるものです。
エントリーシートの文章が魅力的でも、写真に清潔感がなかったり、服装がだらしなかったりすれば、それだけで評価が下がる可能性があります。
次に、男女別に「写真で好印象を与えるための服装と髪型のポイント」を徹底解説します。
男性編:清潔感+誠実さを伝える
基本はスーツで、黒・濃紺・チャコールグレーのリクルートスーツを着用しましょう。
派手な柄や光沢のある素材は避けるようにし、ジャケットのボタンにも気を配るようにしてください。
シャツは真っ白な無地のワイシャツでアイロンをかけてシワを防止し、襟元も綺麗に整えましょう。
ネクタイは紺・エンジ・グレーなど落ち着いた色を用意し、柄は無地か細かいストライプなどシンプルなものを選びます。結び目も誠実さを表す要因となるので、緩みがないように注意してください。
髪型は短めにカットし、耳と額が見えるようにして前髪は眉毛にかからないよう整えます。ワックスなどの整髪料は使っても問題ないですが、テカリすぎないように分量を調整しましょう。
忘れがちなのが髭ですので必ず剃ってから撮影に臨むようにしてください。
女性編:明るく、清潔感ある雰囲気で信頼される印象を演出
女性もスーツは黒・濃紺・グレーなどが定番で、リクルート用であれば問題ありません。ジャケットのボタンは全て留めるのが基本で、インナーは白のブラウスがおすすめです。
髪の長さは問題ないので、長い髪はしっかりまとめて結ぶようにしましょう。頭に盛り過ぎないようにして、前髪は目にかからない程度に分けて顔周りをすっきりするのがポイントです。
基本はナチュラルメイクで、ファンデーションで肌色を均一に整えて、チークで血色をプラスします。アイメイクは控えめにするように心がけましょう。リップは自然なピンクやローズ系が無難です。
アクセサリーは外しておき、爪は短く整えて、ネイルは透明かベージュ系に留めておきます。エントリーシートの写真撮影でそこまで写らないと思うのではなく、面接に臨むような姿勢を意識しましょう。
エントリーシートの証明写真における企業の受け取り方
就活生の中に「エントリーシートの写真なんて顔が写っていればいい」「エントリーシートに重要なのは文章」と考える人も少なくありません。しかし、企業の採用担当者は、エントリーシートの写真から多くの情報を読み取っています。
ここでは、企業が写真からどのような印象を受けるのかをみていきましょう。
面接官は写真から仕事の姿勢を見ている
エントリーシートの証明写真を通して、企業側がチェックしているポイントは仕事の姿勢です。表情や髪型、服装の清潔感などから判断しています。
1. 表情:明るさ・誠実さ・やる気が伝わるか
笑顔が不自然でなければいいですが、無表情や怖い印象を与えるのはNGです。自然な微笑みと穏やかな表情が重要です。
2. 髪型・服装の清潔感
寝癖はもちろんのこと、肩回りに付いたフケ、スーツのシワ、ネクタイの曲がりなどは、準備不足として「自己管理能力が低い」と捉えられます。
3. 姿勢と構図
背筋が伸びているか、写真の中心に顔があるかをチェックし、写真に対する姿勢から、仕事に対する姿勢も見えてきます。
4. 背景や画質
カーテンや部屋が写っていると生活感がありすぎるとされ、画質の悪い画像は「手を抜いている」と見なされます。社会人として安心して仕事を任せられないという評価をされてしまいます。
面接との整合性も重要
人事担当者によっては証明写真と実際の本人を照らし合わせることで“誠実さ”や“自己認識の一致”を見ています。
写真と全く違う髪型・髪色、加工され過ぎとなると「面接のために急に変えた?」「実物とのギャップに違和感」を与えてしまいます。
写真では笑顔でも、面接の場では無表情を貫くと、緊張はあるとはいえ、「作った印象だった」と思われます。
人事担当者となる面接官はこうしたギャップに敏感です。「写真と本人が一致していること」は信頼の第一歩となるでしょう。
業界別に見る証明写真で好まれる雰囲気
エントリーシートに貼る証明写真は、業界ごとに好まれる雰囲気や印象が異なるため、自分が志望する業界の傾向を把握し、それに合わせた表情や服装を選ぶことが大切です。
主要な業界ごとに「企業が求める人物像」と、「それに合った写真の雰囲気」について具体的に解説します。
金融・保険・メーカーなどの堅実業界
・業界の特徴:高い信頼性・正確性・慎重な判断が求められる
・求められる人物像:真面目・誠実・清潔感がある
・写真で好まれる雰囲気:キリッとした姿勢と表情(やや引き締まった口元)
顧客と向き合う場面や、社内での組織行動が重視されるので、スーツ文化が強く、保守的な傾向があります。
規律を守りながら自己管理ができて、主体性を持ちつつも協調性がある人が求められます。
清潔感のある髪型やきちんと整えられたスーツを用意し、明るさよりも「落ち着いた誠実さ」が重視される傾向です。
広告・マスコミ・IT・コンサルなどの柔軟業界
・業界の特徴:発想力や柔軟性、スピード感が重視される
・求められる人物像:明るく人あたりが良い
・写真で好まれる雰囲気:柔らかい笑顔/明るく開かれた印象
社内外でのコミュニケーション能力が高く求められる業界ですので、個性や人柄も重視されます。服装や雰囲気に自由度がある場合もあります。
自分の意見を持って、発信できるような人物が求められ、変化に柔軟に対応できることができるか見られます。
あまり堅くなり過ぎず、ややカジュアルさがにじむ自然体の表情が好まれます。
小売・飲食・サービス・販売系
・業界の特徴:接客・お客様対応の場面が多く、印象力が大切
・求められる人物像:明るく、ハキハキとした人
・写真で好まれる雰囲気:明るい笑顔(歯が少し見えていてもOK)
チームワークやホスピタリティが重視され、第一印象の笑顔が重要な要素になります。柔らかさと親しみやすさを兼ね備えた印象がポイントです。
チームで動ける協調性がある人物が求められ、親しみを感じる柔らかい表情に加えて元気・活気溢れる姿勢と清潔感が重宝されます。
公務員・教育・福祉系
・業界の特徴:安定性と公共性が求められる仕事
・求められる人物像:社会的責任を果たせる人物
・写真で好まれる雰囲気:丁寧で落ち着いた表情
倫理観や責任感が非常に重視される業界のため、堅実で誠実な態度・姿勢が評価される傾向にあります。周囲と協力できる調和性も必要であり、真面目で落ち着いた人柄がにじみ出ていると評価されやすいでしょう。
また、きちんとした服装や髪型で清潔感もあり、無理に笑う必要はなくても「優しさ」「誠実さ」が伝わる表情がポイントです。
撮影スケジュールとチェックリスト
エントリーシートの証明写真は、思いついたときにすぐ撮るものではありません。計画的にスケジュールを組み、余裕を持って準備することがポイントです。特に、就活本番が近づくと写真スタジオや証明写真機も混雑しやすくなります。
ここでは、エントリーシート用の写真撮影のベストなタイミングと、必要な準備・持ち物をまとめたチェックリストをご紹介します。
撮影は大学3年の秋以降に行うのがベスト
証明写真のベストタイミングは大学3年生の「11月〜12月」といえます。就活解禁となる3月に先駆け、11月から12月は空いていて予約も取りやすい時期です。
年明けは成人式や新年の家族写真もあって混雑しやすく、2月〜3月にかけて繁忙期に入るため、年内の撮影が理想的です。
避けるべきタイミング:年明けの2〜3月
本格的な就活解禁時期と重なるため、写真館やスタジオは予約が殺到します。早めの割引などを実施している場合もあり、「予約が取れない」「納期が間に合わない」などのトラブルが起きやすいので注意が必要です。
よくある質問(Q&A形式)
ここでは、就活生からよく寄せられる証明写真に関する質問をQ&A形式でまとめました。「これって大丈夫かな?」「意外と誰も教えてくれなかった!」という疑問をスッキリ解消して、安心してエントリーシート提出に臨みましょう。
Q1. 証明写真の流用はOKですか?
A. 基本的にはOKですが、撮影時期と見た目の変化に注意が必要です。
就活用の証明写真は、半年以内に撮影されたもので、現時点の本人と一致していることが前提です。髪型・髪色・顔の印象が大きく変わっていないかを確認しましょう。
NGなケースとして、半年以上前に撮影したものになります。夏の焼け具合などで違和感が出るのは論外です。
Q2. メガネはかけたままで撮影してもいい?
A. 普段からかけているならOKです。ただし、反射と色つきレンズには注意しましょう。
反射で目が見えづらくなったり、レンズが青や茶色といったカラーだと印象が曇って見えてしまうことがあります。
なるべく透明レンズのメガネを使用するか、外して撮影するようにしましょう。
Q3. 笑顔はどこまでOK?真顔のほうが良いですか?
A. 「自然な微笑み」が基本です。笑いすぎも不自然ですし、人事担当者によってはふざけている印象を与えてしまいます。また、無表情すぎてもNGです。人事担当者がこの人に会って話をしたいと思ってもらえるような表情は心がけましょう。
Q4. 自撮りアプリやフィルターは使ってもいいですか?
A. 絶対にNGです。加工は分かりやすく評価が下がるだけです。
「美肌モード」「小顔補正」「目を大きくする」といった補正機能は、証明写真においては逆効果といえます。エントリーシートの証明写真と面接でのギャップが大きくなると、不誠実さを与えるマイナス印象になりかねません。
Q5. スーツやネクタイの色に個性を出しても良い?
A. 基本は無難な色を選ぶのが安全ですが、業界や企業によっては多少の個性も問題ないです。
堅い印象の金融・メーカー・公務員系では黒・紺・グレーの無地が鉄則ですが、IT・マスコミ・ベンチャー系では濃いブルーや落ち着いたチェックなども大丈夫といえます。
ただし、「派手に見える」「自己主張が強すぎる」と感じさせる配色は避けましょう。他の就活生よりも外見で目立つよりも好印象を与えることが目的です。
Q6. 髪色は黒でないとダメですか?
A. 黒が最も無難ですが、ダークブラウン程度であれば許容範囲です。
茶髪が明るすぎると、年配の担当者が多い企業ではマイナス印象となりかねませんが、堅い業界では「就活への本気度が低い」と受け取られるリスクがあります。
Q7. 証明写真はカラーと白黒、どちらが良いですか?
A. 就活ではカラー写真が原則です。
白黒写真よりもカラーのほうが表情も明るく親しみやすさが全面に出やすいものです。企業によって明記していないこともありますが、基本的にどの企業でもカラーで提出するのが好ましいといえます。
まとめ
エントリーシートの証明写真は、単なる「顔を確認するため」ではありません。企業にとって“履歴書やエントリーシートの印象を大きく左右する”名刺代わりの1枚といえます。
人事担当者はその1枚から就活生を評価しており、誠実さや清潔感、自己管理能力、社会的常識、協調性などを判断しています。
また、就活に対する本気度もみていますので、重要な選考資料の一つとして撮影に臨みましょう。