就活の主流となりつつあるのがWeb面接です。就活生にとって手軽な反面、「マナーがわからない」「緊張感が伝わりにくい」「服装はどうする?」といった悩みや不安もつきものです。
マナーを疎かにしてしまうと、対面式と同様にマイナス評価になってしまいます。
そこで、対面式の面接との違いやWeb面接の基本マナー、開始前の準備、服装など、多くの新卒就活生が抱いている疑問を解説していきます。
【新卒就活生の悩み】Web面接とは?対面式面接との違いと重要性を理解しよう
まずはWeb面接とはどのようなものなのか、対面式の面接との違いや重要性を解説していきます。
オンライン化はコロナ流行以降に急速普及
就活の面接スタイルは大きく様変わりしており、特に新型コロナウイルスの流行以降、急速に普及したのが、新卒向けのWeb面接(オンライン面接)です。
Web面接は、企業の人事担当者と就活生が、ZoomやGoogle Meetなどのビデオ会議ツールを使って画面越しで対話する形式です。
今では面接以外でもビジネスツールとして当たり前のように行われています。
もともとは地方学生への配慮や日程調整の柔軟性から導入が進んでいたWeb面接ですが、一次面接の多くがオンライン形式で実施されるようになっています。
対面面接との主な違い
オンラインのWeb面接と対面面接の主な違いを3つ紹介していきます。
- 空間の共有がないので“非言語”の魅力が制約
対面面接では、部屋に入った瞬間の立ち振る舞いや、座り方・表情など、言葉以外の仕草も評価材料になります。しかしWeb面接では、カメラ越しに映る上半身と表情、声のトーン、話す内容に情報が限定されがちです。
身だしなみや所作、雰囲気などの“非言語的な魅力”が伝えにくいという課題があります。
- 機械や通信環境がパフォーマンスに影響する
オンラインの面接に臨むには、事前に通信回線の安定性やカメラ・マイクの品質を整える必要があります。通信環境や機材的な要因が、就活生のパフォーマンスに大きな盈虚を与えてしまいます。
たとえば、「映像が止まる」「音声が途切れる」などのトラブルが頻発すると、面接の評価に影響が出る可能性があるでしょう。
- ラグが発生しやすく、時間感覚と話し方にも工夫が必要
対面面接と異なり、オンラインではわずかなラグ(遅延)が発生することがあります。そのため、話すタイミングが相手とかぶってしまったり、間合いが合わなかったりといったミスが起こりやすくなります。
Web面接では、相手の話が終わるまでしっかり待ち、話す時はややゆっくりとはっきり話す工夫が欠かせません。
Web面接で評価される3つのポイント
Web面接では、対面式とは違った視点で評価されるポイントが3つあります。
①表情と話し方が重視される
Web面接では画面に映る範囲が限られており、就活生の表情や話すトーン、言葉選びの丁寧さが強く印象に残ります。特にカメラ目線を保つことは、アイコンタクトの代替となる重要なマナーです。
普段の面接だと面接官の目を見ると緊張が増していくものですが、オンラインだと画面越しというのもあって緊張が和らぎます。
②機材トラブルへの対応力も見られている
面接中に起こるかもしれない通信エラーや音声不良ですが、このような事態にどう対処するかも、冷静さ・社会人としての柔軟性を見られる場面です。
例えば、接続が悪くなったときにも、丁寧に謝罪してすぐに再接続できた場合や、メールで迅速に連絡したといった行動は、評価を下げるどころかプラスに転じることもあります。
③ 自己管理能力や自己演出力も問われる
Web面接では、環境も自分で整える必要があります。背景の整理、照明、服装、話すテンポなど、すべてを自らコントロールしなければなりません。これらの準備や配慮ができているかどうかは、企業から見ると自己管理力や自己演出力に長けているという判断材料になります。
Web面接の前日までに準備しておくべきこと
Web面接の成功は、「面接が始まる前」からすでに決まっているといっても過言ではありません。特に前日までの準備は、当日のトラブルや失敗を防ぐために非常に重要です。
次に、Web面接に向けて、新卒就活生が必ずやっておくべき準備を詳しく解説していきます。
必要な機材と接続環境の確認
● スマホよりもパソコンを使用するのが適切
Web面接は基本的にスマホよりもパソコンでの受験が推奨されます。
主な理由は以下の3つとなります。
・ 画面が大きく、資料共有や表情確認がしやすい
・ 安定した操作ができ、カメラのブレも少ない
・ 外部マイク・カメラとの接続も可能
もちろん、スマホでも対応可能な場合はありますが、安定した台に固定して両手を自由にできる状態で使う必要があります。手持ちや角度が不安定だと印象が下がる可能性があります。
● 回線は「Wi-Fi」より「有線LAN」
通信の安定性は、Web面接の印象を大きく左右します。途中で音声や映像が途切れると、スムーズなコミュニケーションが困難になり、評価に悪影響を及ぼすこともあります。
おすすめの接続方法は有線LANです。最も安定していますし、Wi-Fiだと環境に左右されやすく、家族に使用制限をお願いする必要もあるものです。
● 使用ツールのインストールと動作確認
企業によって使用するWeb会議ツールは異なります。代表的なものは以下の通りです。
・ Zoom
・ Google Meet
・ Microsoft Teams
・ Webex
これらは事前にパソコンにインストールしておき、アカウントを作成しておきましょう。当日になってダウンロードに時間がかかるようだと、ログインできずに開始時間に間に合わない恐れがあります。
背景・照明・カメラ角度を整える
Web面接では背景もポイントとなります。生活感のない空間が基本であり、散らかった部屋が丸わかりになると、「だらしない人」という印象を与えてしまいます。
なるべく壁を背にしておき、カーテンや壁紙は無地の場所を選んでおきましょう。バーチャル背景を使用できますが、企業によってNGの場合もあるため事前確認が必要です。
照明は顔が明るく見える工夫
画面越しになるので、部屋が暗いと表情にも影響が出やすくなります。自然光が使える時間帯なら、窓を正面または斜め前にするのが効果的です。夜間や暗い部屋では、卓上ライトやリングライトを使って顔がくっきり映るようにしましょう。
暗い顔や影が出る映像は、「自信がなさそう」「疲れて見える」と受け取られがちです。
● カメラの高さと角度に注意
カメラの高さや角度も大切なポイントです。理想的なカメラ位置は、目線と水平で顎を引いた自然な姿勢で映るように調整します。
額から胸元までが映るフレミングがベストといえるでしょう。
● 面接資料・話す内容は簡潔にまとめておく
Web面接のメリットとして、手元にメモを置ける点があります。対面面接だと緊張で頭が真っ白になってしまう恐れがありますが、話す内容を書いたメモが手元におけるのはWeb面談ならではです。
ただし、何度も見返す、下をずっと向いているなど、バレるときがありますので、キーワードだけを箇条書きにして、カメラの近くに貼るのがベストです。
Web面接当日の流れとマナー
Web面接当日は「画面越しでも信頼される印象」を与えることが何より重要です。開始の前後含め、面接全体を通してマナーを意識することで、面接官の記憶に残る就活生となります。
次に、当日の流れに沿ってWeb面接のマナーを段階別に徹底解説します。
30分前には最終チェックを澄ましておく
Web面接では、会場に足を運ぶ必要はありませんが、その分自己管理能力が強く問われます。
● 面接30分前:準備の最終チェックを
・カメラとマイクの動作確認(前日と同様にテスト)
・ツールの再起動:ZoomやTeamsは事前に一度閉じて立ち上げ直す
・面接URL・ID・パスコードを手元に用意
・ 家族・同居人には「面接中だから静かに」と一声かけておく
・ ペットがいる家庭は別室に移すなどの配慮を
・ スマホはマナーモード or 電源オフ
また、周囲の音対策も忘れずにしておきましょう。
● 面接5〜10分前:ログインして待機
面接官が時間より早く入室するケースもあるため、5分前には入室済みの状態が理想です。
対面でも時間ぎりぎりに会場に到着するのもマナーとしてNGです。
・ カメラ・マイクON状態で待機
・ 表情はやや微笑み、姿勢を正しておく
緊張しつつも落ち着いている印象を意識しましょう。
入室時のマナーと注意点
入室時の振る舞いは、面接の成否を左右する大事なポイントです。画面越しであっても、「礼儀正しさ」と「コミュニケーション能力」といったマナーは伝わります。
●入室時の挨拶は「お辞儀+挨拶」の合わせ技
【挨拶の一例】
「○○大学の田中花子と申します。本日はお時間をいただき、ありがとうございます。よろしくお願いいたします。」
・ 軽くお辞儀をしてから話す
・ 表情は明るく、声はやや大きめに
これだけで落ち着きと礼儀を備えた印象になります。
面接中は視線・表情・話し方が大事
Web面接中は、相手との距離が物理的に遠いため、非言語的な表現力(=カメラ越しの印象操作)が極めて重要です。
● 視線は「カメラを見る」が基本
画面上の面接官の顔を見たくなりますが、それだと視線が下にずれてしまいます。
・話すときはカメラを見る
・聞くときは画面を見る
これでアイコンタクトの代わりになります。
● 表情・リアクションを意識的に使う
・ 積極的に頷く・微笑む・うなずきながら聞く
・ 目を見開く、眉を上げるなども好印象に
画面越しでは表情が見えにくいため、ややオーバーに反応することが好印象を与えられます。
● 話し方は「ゆっくり・はっきり・結論から」
Web特有の音声遅延を考慮し、「1テンポゆっくり」「1文は短め」「結論ファースト」が鉄則です。
【話し方の例(志望動機)】
「はい、志望理由は2点ございます。まず1点目は…」
PREP法(Point → Reason → Example → Point)などの構成を使うと、話が伝わりやすくなります。
退出時のマナーは最後まで好印象をキープ
面接の終わり方で、その人のマナーができているかどうかの印象が決まりやすくなります。退室の瞬間まで気を抜かず、丁寧な対応を心がけましょう。
● 面接終了後の挨拶例文
「本日は貴重なお時間をいただき、誠にありがとうございました。それでは、失礼いたします。」
・ 再度お辞儀をしてから退出
・ 無音で画面を閉じず、退室の合図を待つのがマナー
企業によっては「こちらから切断いたします」と案内されるので、指示があるまで待つのが無難です。
● 面接後の行動も評価対象
退出直後に、ガッツポーズをしたり、急にだらけた姿勢に戻ると、それが録画に残ってしまうこともあります。
カメラやマイクが切断されたことを確認し、パソコンを閉じてから気を緩めましょう。
Web面接は、対面とは違って「見えない気配り」が評価されます。
・「聞こえていますでしょうか?」と相手に配慮
・ 相手の話に「少し間を置いて返す」気遣い
・ トラブルが起きたときは「冷静に対処し、謝罪を添える」
このような行動は、「社会人としてのポテンシャルが高い」という評価につながります。
Web面接での服装マナー 「上だけスーツ」はアリ?
Web面接では、画面に映るのは上半身だけなので、下は部屋着でOKというわけではありません。服装は“社会人としての意識”が問われるポイントであり、見た目の第一印象がそのまま評価につながることもあります。
次にWeb面接での服装マナーをみていきましょう。
基本はスーツでOK! 業界・企業の文化を見極めるのも大事
● 基本はスーツが無難な選択
Web面接であっても、スーツはフォーマルな印象を与える最も確実な服装です。特に、以下のような業界ではスーツ着用が望ましいといえます。
・ 金融業界(銀行・証券・保険など)
・ 製造・メーカー系(特に大手)
・ 商社・インフラ・建設系
これらの業界では、「オンラインでも身だしなみを整えることは基本マナー」とされ、対面と同様の服装が求められる傾向にあります。
● IT・ベンチャーはオフィスカジュアルでもOK
IT・Web業界や広告・クリエイティブ系などでは、オフィスカジュアルが許容されるケースも増えています。
【OK例】
・ 無地のシャツ+ジャケット(ネクタイなし)
・ シンプルなブラウス+カーディガン(女性)
もちろん、「清潔感・誠実さが伝わる服装」であることが前提です。面接の案内メールに「私服可」「スーツ不要」と記載があっても、清潔感を意識したビジネスライクな服装を心がけましょう。
「上だけスーツ」は避ける
椅子に座ったまま行うので、上半身だけスーツはリスクを考えれば避けた方が無難です。
● 思わぬタイミングで全身が見える
Web面接とはいえ、思わず全身が見えてしまう場合があります。
・ 面接中に立ち上がる必要が生じた
・ 機材トラブルで椅子の調整をした
・ 面接官から「立ち姿も見せてください」と言われた
このようなケースでは、下が部屋着やスウェットだった場合に非常に印象が悪くなるだけでなく、面接を軽く考えていると判断されかねません。
● 気持ちの切り替えという意味でも全身揃える
服装は、気持ちの面にも影響します。大事な面接になりますので、スーツをしっかりと着ることで、自然と背筋が伸びますし、言葉遣いや所作にも緊張感が生まれます。
たとえ画面に映らないとしても、全身を面接モードに整えることは面接に失敗しづらくなるものです。
清潔感が命!髪型・メイク・アクセサリーの注意点
Web面接では、限られた画面の中でしか自分を表現できません。そのため、顔まわりの印象がダイレクトに評価されるという特性があります。
● 髪型のポイント
・ 前髪は目にかからないよう整える
・ 男性は髭を剃り、耳元をすっきりさせる
・ 女性は顔まわりをすっきりさせたヘアスタイルがベター
乱れた髪やぼさぼさのままでは、「準備不足」「清潔感に欠ける」とマイナスの印象に直結します。
● メイクとアクセサリーは「控えめ」が基本
・ メイクはナチュラルに、顔色が明るく見える程度で十分
・ ピアスやネックレスは、面接では原則つけない/つける場合も小ぶりで上品なものを
清潔感と誠実さを軸に、好印象に映ることを最優先に考えましょう。
背景と服装の「色のバランス」にも要注意
意外と見落とされがちなのが、背景と服装の色の関係です。
● 服の色が背景と同化しているとNG
たとえば、白い壁の前で白いシャツを着ると、顔や上半身がぼやけて見えてしまうことがあります。せっかくの表情が伝わりにくくなる恐れがあるでしょう。
【おすすめカラー】
・ ネイビー・グレー・ライトブルーなどの落ち着いた色
・ 背景とのコントラストがある色を選ぶ
・ 柄物や派手な色は避ける(画面でチカチカする場合がある)
Web面接では、カメラ映えするかどうかも重要な要素です。
忘れがちな細部の準備にも気を配る
服のしわ・よれなど、カメラは襟元や肩などもしっかり映します。必ず前日にアイロンをかけておき、面接前にも一度鏡で確認をするようにしましょう。
また、ネクタイの曲がりやボタンの留め忘れも目立ってしまいます。
Web面接でよくある失敗例とその対策
Web面接は、自宅や静かな環境で受けられる反面、対面では起こらないようなトラブルやミスが発生しやすいのも事実です。予期せぬ失敗によってチャンスを逃すことのないよう、ここではよくあるWeb面接の失敗例とその具体的な対策を、ケースごとに紹介していきます。
ケース①:通信トラブルで面接が中断してしまった
● よくある状況
・ 面接中にWi-Fiが切れてしまう
・ 相手の声が聞こえない/自分の音声が届いていない
・ 映像がフリーズしてしまい、面接官の表情が見えない
Web面接で最も多く報告されるトラブルがこの通信環境の不具合です。たとえ自分に非がなくても、対処の仕方次第で「評価が分かれる」こともあります。
● 対策
・有線LANで接続する/ルーターの近くで受ける/中継器を用意する
・面接前に「速度テスト」を行い、上り下りともに10Mbps以上を確認
・スマホのテザリングを非常用に準備しておく(万が一Wi-Fiが切れた場合の代替回線)
▷ 万一、接続が切れたときの連絡例
● 件名:【面接中断のご報告】○○大学・氏名
本日○時より貴社のWeb面接に参加しております○○大学の○○です。
現在、通信トラブルにより接続が途切れてしまいました。
復旧次第、すぐに再接続いたします。何卒よろしくお願いいたします。
このように、冷静かつ迅速にメールで状況報告ができると、好印象につながります。
ただ、回線がNGの場合はメールも送信できませんので、スマホにトラブル用の定型文を用意しておき、アプリから送信するようにしましょう。
ケース②:カンペがバレて不自然な印象に
● よくある状況
・ 下を頻繁に見ながら話している
・ 話し方が棒読み/感情がこもっていない
・ 目線が泳いでいて不自然に感じる
Web面接ではカンペ(カンニングペーパー)を用意しやすいため、多くの就活生がメモを見ながら話そうとします。しかし、視線の動きや話し方の違和感は、面接官にはすぐ伝わるので注意が必要です。
● 対策
・カメラのすぐ横に箇条書きメモを貼る(視線が自然になる)
・ 長文ではなく、キーワードのみをメモにしておく
・ 話す練習を何度か行い、「口で説明する習慣」をつける
カンペはあくまでも補助ツールとして使い、面接本番では“自分の言葉”でしっかり話すことを最優先にしましょう。
ケース③:生活音・環境音が入り、集中できない
● よくある状況
・ 家族の会話やテレビの音が入り込む
・ ペットの鳴き声が響く
Web面接は主に自宅で行われるため、音に関するトラブルが非常に起きやすいです。これらは、面接官の集中力だけでなく、自分自身のペースにも影響を与えかねません。
● 対策
・面接前に家族に一声かけて協力を依頼(できれば面接中は在室禁止)
・ ペットは別部屋に移し、スマホの通知も完全オフにする
また、ノイズキャンセリングマイクを使用することで、環境音をある程度カットすることが可能です。
ケース④:服装・髪型が乱れていてだらしない印象に
● よくある状況
・ 寝癖がついたまま/前髪が目にかかっている
・ 襟がヨレている/ジャケットがシワだらけ
・ 上半身スーツなのに、立ち上がった瞬間にスウェット姿がバレる
Web面接は気を抜いてもバレないと思っていると、ちょっとした瞬間に本性が見えることがあります。
● 対策
・ 前日からスーツ・シャツを用意しておき、当日は全身着替えて面接に供える
・ 鏡で髪型と服の状態をチェック/可能であれば画面越しに一度確認
・ 面接中に立ち上がる可能性も考えて、ズボンもスーツ着用を
Web面接でも「清潔感」「きちんと感」は常にチェックされていると思いましょう。
ケース⑤:話すタイミングがかぶってしまう/沈黙が気まずい
● よくある状況
・ 面接官と発言がかぶってしまい、気まずい空気に
・ 音声のラグで相手が話し終えたのか判断しづらい
・ 無言の時間が流れ、慌てて話してしまう
Web特有の「タイムラグ」が原因で起きやすい失敗です。相手の発言を遮るのは特にマイナス評価につながりやすいため、注意が必要です。
● 対策
・相手の話が完全に終わったと確信してから話し始める
・「はい、ありがとうございます」と一呼吸置いてから回答
・ 途中でかぶった場合は、「すみません、お先にどうぞ」と丁寧に譲る姿勢が評価される
ラグがあることを前提に、1テンポ「ゆとり」のある対応を意識すると、落ち着いた印象になります。
オンラインでも面接官に好印象を与えるコツ
Web面接では、「目の前にいない相手」に自分の魅力を伝える必要があります。表情・声のトーン・話し方・気配りといった“画面越しの印象力”が極めて重要です。
ここでは、オンライン面接でも面接官に好印象を与えるための実践的なテクニックを、5つ紹介します。
① 話すスピードとトーンを意識する
オンラインでは「少しゆっくり・やや明るめ」が基本です。対面よりも声がこもったり、音が遅延することの多いWeb面接では、「聞きやすい声」が重要といえます。
【効果的な話し方のポイント】
・普段よりもゆっくり、言葉をはっきりと
・重要な言葉は一拍置いて強調する
・「語尾が下がりすぎない」話し方で前向きな印象を与える
テンションが高すぎると軽く見られ、低すぎると元気がないと思われます。明るさと落ち着きのバランスが取れたトーンを意識するようにしましょう。
② PREP法で論理的に伝える
Web面接では、長く話すと相手が集中力を失いやすくなるため、簡潔で論理的な伝え方が求められます。ここで有効なのが、ビジネスでも使われる「PREP法」です。
●PREP法の基本構造
・Point(結論):最初に答えを述べる
・Reason(理由): なぜそう考えるのか理由を述べる
・Example(具体例):エピソードや数値で裏付け
・Point(再結論): 最後にもう一度結論で締める
<志望動機の例文>
「御社を志望する理由は、社会インフラに貢献できる事業内容に魅力を感じたためです。
私は大学時代に災害対策研究に携わっており、人の生活を支える仕組みに強い関心を持っています。
その経験を活かし、御社のプロジェクトに主体的に関わりたいと考えています。」
このように、PREPを使うことで短くても説得力のある回答が可能になります。
③ カメラ目線と表情で「話を聞いている感」を伝える
「カメラ目線=アイコンタクト」になります。Web面接では目の前に面接官がいるわけではないため、視線の向け方ひとつで印象が大きく変わるものです。
・ 話すときはカメラを見て話す(=アイコンタクトの代わり)
・ 聞くときは画面を見ることで自然な受け答えが可能
この視線の切り替えを習慣づけておくことで、「誠実な印象」「自信のある印象」が自然に伝わります。
● 表情・うなずき・リアクションで空気をつなぐ
・ 積極的にうなずく(無言のままでは不安を与える)
・ 微笑みながら「はい」「なるほどです」と相槌を打つ
・ 驚いたときは眉を上げるなど、やや大きめの表情が伝わりやすい
Web面接では「リアクションが大きい人」の方が、会話がしやすい印象を持たれるものです。
④ オンラインならではの「気遣い」を見せる
● 相手の接続状況を気にかける
・ 「音声、問題なく届いていますか?」
・ 「少しラグがあるかもしれませんが、お先にどうぞ」
このような言葉を適宜挟むことで、オンラインコミュニケーションへの慣れと柔軟性が伝わります。
● 話し終えたあとの「間」を大事にする
対面面接では、相手の表情や反応から「次の話題への切り替え時」を察することができますが、Web面接ではなかなか難しいポイントです。
話し終えたら、2秒ほど静かに待つことで、相手の発言と被ることを防ぎ、落ち着いた印象になります。
⑤ 話の内容だけでなく「話し方・聴き方」が見られている
Web面接では、「何を話したか」よりも「どう話したか」「どう聞いたか」の方が印象に残ることが多くあります。
● 伝え方の一工夫が“印象の差”を生む
・ 「~と思いました」より「~と考えます」の方が自信を感じさせる
・ 「大丈夫です」ではなく「問題ありません」と言い換えるだけで誠実さUP
・ 「失礼します」と「よろしくお願いいたします」を使い分ける敬語の意識も重要
言葉遣いの丁寧さは、画面越しでもしっかり評価される部分です。
Web面接後の行動に差が出る
Web面接が無事に終了しても、それで就活の評価がすべて終わったわけではありません。特に、新卒採用においては面接後の丁寧な対応が「誠実な人柄」として伝わりやすく、内定獲得に向けた最後のひと押しとなるケースも珍しくありません。
また、振り返りを行うことで、段階的な面接や他の企業の面接にも活かすことが可能です。次にWeb面接後の行動に他の就活生との差が出るポイントをみていきましょう。
① お礼メール・メッセージの送信
面接後は、可能であれば当日中、遅くとも翌日午前中までにお礼メールを送信しましょう。スピード感のある対応は、「社会人としての基本が身についている」と高く評価されます。
● お礼メールの書き方(例文)
件名:【面接のお礼】○○大学 ○○(氏名)
○○株式会社
人事部 ○○様
本日(または○月○日)は、Web面接のお時間をいただき、誠にありがとうございました。
貴社の○○に対する取り組みについて詳しくお話を伺い、志望意欲がさらに高まりました。
本日の面接を通じて、自分の強みを改めて活かせる可能性を感じております。
今後の選考に進む機会をいただけましたら幸いです。
取り急ぎ、御礼申し上げます。
───────
○○大学 ○○学部 ○○学科
氏名:〇〇 〇〇
電話:090-XXXX-XXXX
メール:xxxxx@example.com]
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注意点として、文章は簡潔にまとめながら「感謝・印象・意欲」をセットで盛り込むようにしましょう。誤字脱字・敬語ミスには要注意です。
宛名が不明な場合は「採用ご担当者様」でOKですし、複数名と面接した場合でも代表者一人に送れば問題ありません。
② 録画やメモで自己振り返り
面接が終わった直後こそ、自分の発言や面接官の反応を正確に覚えているタイミングです。忘れないうちに、次のようなポイントをメモしておきましょう。
【振り返りチェックリスト】
・自己紹介:噛まずに話せたか/時間配分は適切だったか
・志望動機:結論→理由→具体例の順になっていたか
・質問対応 :想定外の質問にどう答えたか/動揺しなかったか
・表情・視線 :笑顔・カメラ目線・リアクションは意識できたか
・トラブル対応 :通信の乱れや会話のかぶりに柔軟に対応できたか
・ 自分の話し方やクセ(語尾が伸びる/無意識に笑う等)
・ 姿勢や映り方(猫背/カメラから目を外している等)
録画機能がある場合、振り返りも容易といえ、第三者の目で見ることで、次回に向けた明確な改善ポイントが見つかります。
③ 次のステップに備える
面接では企業からも情報が提供される場面があります。その内容を通じて、本当にこの企業で働きたいかを判断します。
・ 話を聞いて、さらに志望度が高まったか?
・ 実際に働くイメージが持てたか?
・ 他社と比較して、自分に合うと感じた点は?
これらを言語化しておくと、次の面接や最終選考での質問で志望度についての回答も用意しやすくなるでしょう。
:まとめ
Web面接は、対面とは異なるポイントで評価される場です。通信環境・見た目・話し方・マナーのすべてが「画面越し」で判断されるため、準備と気配りが大切となります。
対面とは違った緊張感がありますので、ここで解説した内容を参考に、第一印象で他の就活生と差を付けていきましょう。