就職活動において、インターンシップに参加することは有利に働く傾向です。そのため、インターンシップへ応募しようと考えている人は、多くいることでしょう。インターンシップへ応募する場合、「エントリーシートの志望動機の書き方が分からない」「志望動機を書く場合のポイントが知りたい」と悩みを持つ方もいるはずです。
そこで、インターンシップに応募する場合の志望動機の作り方や書き方のポイント、例文。を解説します。インターンシップに参加しようと考えている就活生の方は、ぜひ参考にしてください。
インターン志望動機の作り方
まずは、インターンシップに応募する際の志望動機の作り方を紹介します。今回紹介する志望動機の作り方は、以下の通りです。
なぜその企業(または業界)を選んだのか?
自分のスキルや経験は何か?
インターンで何を得たいか?
それぞれ、詳しく解説します。
なぜその企業(または業界)を選んだのか?
まずは、インターンシップに応募する企業または業界に興味を持った理由や、背景を明確に伝えましょう。以下の内容を交えながら、志望動機を作成することがおすすめです。
・企業理念や提供しているサービス、プロジェクト。に共感した
・将来、その業界で働きたいと考えている
・自分が成長するために、適している環境だと思った
漠然としたイメージで応募するのではなく、きちんと応募する企業や業界について調べることが重要です。たとえば、「若手も活躍できる環境で働きたい」と考えている場合、企業の採用ページを見て、仕事の進め方や社風、先輩社員のインタビュー記事などを見ることで、より根拠のある志望動機を作成できるでしょう。
上記の内容をもとに作成した例文は、以下の通りです。
例文1:
将来、広告業界で人の感情を動かすクリエイティブな仕事をしたいと考えており、貴社のプロジェクトに魅力を感じました。特に、貴社が手がけた◯◯キャンペーンは、社会的インパクトと共感性を両立しており、私が目指す方向性と一致しています。
例文2:
私は、若手から活躍できる環境に身を置いて働きたいと考えており、貴社の社風に魅力を感じました。貴社は、若手からプロジェクトを任せてもらえる環境づくりに取り組んでおり、私が働きたい環境と一致しています。
自分の経験やスキルは何か?
次に、企業に貢献できるような自分の経験やスキル、価値観を伝えましょう。単なる意欲だけでなく、企業の「戦力」になれることをアピールできるように、以下の内容を伝えることがおすすめです。
学業で学んだこと(ゼミや研究、授業。)
課外活動での経験(サークルやアルバイト、ボランティア。)
自主学習で得たスキル(プログラミングや資格、作品制作など)
自分が大切にしている価値観(行動する上で大切にしていること。)
上記の内容をもとに例文を作成すると、以下のような内容になります。
例文:
大学では経済学を専攻し、データ分析の授業でPythonを用いた統計処理に取り組んできました。また、課外でマーケティング勉強会に参加し、実際の企業のSNSアカウント分析を行いました。こうした経験を活かし、貴社のマーケティング施策に対して、データドリブンな視点から貢献したいと考えています。
インターンで何を得たいか?
続いて、インターンシップに参加することで、どのようなことを得たいかを伝えましょう。「受け身」な姿勢ではなく、「きちんと目的を持った参加者」でいることで、インターンシップに参加したいという熱意が伝わります。
企業は、「インターンシップに参加することで何がしたいのか?」「参加する中で、企業のどのようなところを知りたいと考えているのか」など、目的意識を持っているかどうかを見ています。インターンシップに参加する目的の例は、以下の通りです。
自分が持っているスキルを、さらに伸ばしたい
社会人と一緒に働く経験を通じて、視野や価値観を広げたい
現場でしか学べないことを吸収したい
裁量が大きい環境があるかどうかを知りたい
具体的な例文は、以下の通りです。
例文:
インターンシップに参加することで、実際の業務の中でマーケティング戦略がどのように設計・運用されているのかを体感し、実践的な知識と判断力を養いたいと考えています。また、自分の提案を形にするプロセスを経験することで、より現場感覚を持った人材として成長したいと考えています。
志望動機の例文
最後に、今までの内容をもとに作成した志望動機の例文を紹介します。
・広告代理店のインターン志望動機例
貴社のインターンシップに応募した理由は、生活者の感情を動かす広告づくりに強い関心があり、特に貴社の手がけるブランディング案件に魅力を感じたためです。
私は大学でメディア論を学びながら、学生団体の広報担当としてSNSの投稿戦略を考え、フォロワー数を1.5倍に増やした経験があります。自分のアイデアが人の行動に影響を与えることに面白さを感じ、より実践的な経験を積みたいと思うようになりました。
インターンシップでは、貴社のプロジェクトを通じてプロの視点を学び、自分の発想力と実行力をさらに高めていきたいと考えています。
このように、志望動機を説明するには、「なぜその企業(または業界)を選んだのか?」「自分のスキルや経験は何か?」、「インターンで何を得たいか?」という3点を意識するようにしましょう。
インターン経験が有利になる
一度インターンシップに参加すると、新たにインターンシップへ参加することが有利になる可能性が高いです。すでにインターンシップを経験したということが、業界のリアルな部分を理解しており、業界で働く適正があることの証明になります。
企業が志望動機を読むときに、特に見ている点は以下の通りです。
・全体的なアピール
インターンシップで経験したことを、きちんとアピールできているか
・業界や仕事への理解度
インターンシップに参加したことで、「実際に働いて分かったこと」が書けているか
・即戦力(すぐに活躍できそうか)
インターンシップで、実務に近い経験をしていることをアピールできると、優位に働くことが多い
・自主性・成長意欲
受け身な姿勢ではなく、自分から行動した経験が示せると良い
・他の学生との差別化
インターンシップでの経験をベースに書いていると、説得力が高く差別化できる
上記の内容をもとに志望動機を作成することで、インターンシップへの参加が有利に働く可能性が高いといえます。
志望動機にインターン経験を入れる時の構成
志望動機にインターンシップでの経験を入れるときの構成は、以下の通りです。
- 冒頭:結論(応募理由・やりたいこと)
- 中盤①:過去のインターンシップでの経験を要約
- 中盤②:インターン経験から得た学びや気づき
- 結び:インターンシップでの経験をどのように活かしたいか
それぞれ、詳しく解説します。
冒頭:結論(応募理由・やりたいこと)
まずは、応募する企業のインターンシップに参加したいと考えた理由を、端的に伝えることが大切です。相手に想いが伝わるように、分かりやすくまとめましょう。
中盤①:過去のインターンシップでの経験を要約
過去に参加したインターンシップについて、どのような経験をしたのかをまとめます。「どういった企業で、どのような内容のインターンシップであったのか」を伝えられるようにしましょう。
中盤②:インターン経験から得た学びや気づき
過去のインターンシップで、どのようなことを学び、どのようなことに気づいたのかを分かりやすくまとめましょう。
結び:インターンシップでの経験をどのように活かしたいか
最後に、インターンシップでの経験と、今回インターンに参加する目的を絡めて、結びの文章を作成します。インターンシップの当日に、具体的にどのような事柄を通じて、何を知りたいのかを書くと良いでしょう。
インターン経験の例文:ITコンサルの長期インターン経験 → 外資系コンサル志望
インターンシップでの経験を入れた例文は、以下の通りです。ここでは、ITコンサルティング会社での長期インターンでの経験をし、外資系コンサルティング会社へのインターンシップ参加を志望している例を紹介します。
例文:
貴社のインターンに応募した理由は、戦略から実行まで一貫して企業課題に向き合う貴社の姿勢に強く共感し、自らもその現場で成長したいと考えたためです。
私は以前、ITコンサルティング会社で長期インターンに参加し、SaaS導入プロジェクトの業務支援を経験しました。業務フローの可視化や提案資料の作成を通じて、顧客の課題を深く理解する力や、仮説思考、伝える力の重要性を学びました。
その経験から、テクノロジーだけでなく“人・組織の変革”にも深く関われるコンサルティングに魅力を感じ、次はより大きなスケールで複雑な課題に取り組みたいと考えるようになりました。貴社のインターンでは、前回の経験を活かしながら、より高度な思考やチームでの業務を学びたいと考えています。
よくあるパターン別の書き方ポイント
続いて、よくあるパターン別の書き方やポイントについて紹介します。今回紹介するパターンは、以下の通りです。
同じ業界・職種を志望する場合
別業界だけど、共通点がある場合
未経験の分野にチャレンジする場合
それぞれ、詳しく解説します。
①同じ業界・職種を志望する場合
以前参加したインターンシップの企業と、同じ業界や職種のインターンを志望する場合は、スキルの「深化・応用」がキーワードです。
たとえば、“別企業のインターンシップに参加した際に業界構造や業務プロセスに触れたため、今回は戦略や判断力をさらに深めたい”といった形です。前回学んだことをアピールしつつ、今回学びたいことを伝えられると良いでしょう。
②別業界だけど、共通点がある場合
前回参加したインターンシップや、今までアルバイトやボランティア。で経験した業界とは別の業界で、共通点がある企業のインターンシップを志望する場合は、「経験の応用・汎用性」をアピールしましょう。
たとえば、飲食店や小売業など、接客を伴うアルバイトを経験したことで「顧客の課題を発見する力」を養ったため、次のインターンシップでBtoB営業を経験し、その力を活かしたいといった内容です。
③未経験の分野にチャレンジする場合
今まで経験したことがない分野にチャレンジする場合、他の分野と比較して「やっぱりこの分野が良い」といったように、気付きの変化を軸にすると良いでしょう。
たとえば、以前参加したインターンシップでの経験を通して、「もっと創造的なプロセスに携わりたい」と感じたため、今回のインターンシップへの応募に至った。です。
例文
先ほどの書き方やポイントをもとにした、志望動機の例文を紹介します。
①同じ業界・職種を志望
※前回:IT企業の開発インターン→今回もエンジニア志望
私は以前、Web系スタートアップ企業でエンジニアインターンに参加し、実際のサービス開発に携わる経験をしました。チーム開発やGitの運用、コードレビュー。、学校では学べない実践的な技術や、協調性の重要さを実感しました。
この経験を通じて、「開発=コードを書くこと」以上に、ユーザーの課題を理解し、より良い体験を設計することが重要であると気づきました。
貴社のインターンでは、より大規模なシステム開発や複数部門との連携を通じて、より深くプロダクト思考を学び、自分の技術力と提案力を高めたいと考えています。。
②異なる業界への挑戦
※前回:人材系インターン→今回:コンサル志望
前回は、人材系ベンチャー企業でのインターンに参加し、法人営業チームのアシスタントとして、求人票作成やクライアント対応を経験しました。その中でも、課題を正確にヒアリングし、それに合った提案を考える過程にやりがいを感じました。
そのうち、「もっと広い視点で課題を見つけ、構造的に解決していく仕事に挑戦したい」と考えるようになり、コンサルティング業界に興味を持ちました。
貴社のインターンでは、実際のプロジェクトに近い形で業界分析や戦略立案に携わり、論理的思考と課題解決力を、より実践的に養いたいと考えています。
③別業界だけど共通点がある
※前回:EC系インターンでデータ分析経験あり→広告代理店志望
EC系企業でのインターンでは、商品データの分析やレポート作成を通して、ユーザー行動の可視化に取り組みました。特に、SNS広告の効果測定や改善提案に関わった経験から、数字をもとに仮説を立ててマーケティング戦略を考えることの面白さを実感しました。
この経験から、よりクリエイティブで戦略的な視点でマーケティングに携わりたいという思いが強まり、広告代理店である貴社のインターンに応募いたしました。
データを起点にした戦略設計に強みを持つ貴社の現場で、自分の分析スキルを活かしながら、コミュニケーション設計の力を伸ばしたいと考えています。
④インターン経験を成長ストーリーとして、変化や気づきを軸にする
以前のインターンでは、企画営業職として顧客対応の一部に関わりました。当初は「提案=話す力」だと思っていましたが、実際には相手の課題を引き出す“聞く力”の方が重要だと気づきました。
この経験から、表面的な提案ではなく、根本課題を理解したうえでの提案力を磨きたいという思いが強くなりました。
貴社のインターンでは、より複雑で多様なクライアントに向き合う中で、課題発見力と論理的な提案力を高め、自分を次のステージへと成長させたいと考えています。
インターンシップの志望動機を作成する場合の注意点
続いて、インターンシップの志望動機を作成する場合の注意点について紹介します。先ほど紹介した内容以外にも、以下のことを踏まえて作成することがおすすめです。
誰が見ても短時間で理解できるような文章にする
指定された文字数を守る
専門用語はできる限り使用しない
自分の言葉で作成する
誤字・脱字がないように注意する
それぞれ、詳しく解説します。
誰が見ても短時間で理解できるような文章にする
企業の採用担当者は、数多くのエントリーシートや履歴書に目を通します。そのため、1回読んだだけで全体を理解できるような、簡潔にまとめた文章を作成しましょう。だらだらと長文の志望動機の場合、最後まで読んでもらえずに不採用となってしまう可能性があります。
誰でも理解できるような文章を作成するためには、友人や家族。の周りの人に見てもらうことがおすすめです。自分の視点だけではなく、客観的な視点からアドバイスや意見をもらいましょう。
指定された文字数を守る
当たり前のことになってしまいますが、企業から指定された文字数に収めて作成しましょう。指定された文字数に収まりきらない場合は、エピソードで不要な部分を削ることも必要です。
また、指定された文字数より極端に少ない場合、参加する意欲が低いと判断される可能性があります。指定された文字数の8〜9割を目安に作成しましょう。
どうしても指定された文字数に収まりきらなかったり、明らかに足りなかったりする場合は、大学のキャリアセンターや就職支援の担当者に添削してもらうことがおすすめです。
できる限り専門用語は使用しない
業界の専門用語を使用することで、「意識の高さをアピールしたい」と考える人もいるでしょう。しかし、かえって分かりにくくなったり、伝わりにくかったりする可能性があります。使用してはいけないわけではありませんが、誰にでも伝わるような言葉に置き換えることが無難です。
また、自分の周りだけで使われているような用語の記入は、伝わらない可能性が高いでしょう。できる限り分かりやすい言葉で、自分の想いや気持ちを伝えられるように心がけてください。
自分の言葉で作成する
インターネットには、インターンシップの志望動機の例文が数多く掲載されています。例文を参考にすることは悪いことではありませんが、そのままコピーして使用することは避けましょう。例文をそのまま使用すると、自分らしさが伝わらず、うまくアピールできない場合があります。
また、例文を使用した志望動機で書類選考を通過した場合、面接では志望動機の内容を深掘りされます。本人が話す内容と志望動機の内容の整合性が取れない場合、「自分で作成していないのでは?」と違和感を与えてしまうかもしれません。
インターネットに掲載されている例文は、あくまでも参考程度に留めておき、自分の言葉で作成することが重要です。
誤字・脱字がないように注意する
志望動機にかかわらず、文章を作成する上で基本的なことですが、誤字・脱字がないように注意しましょう。誤字・脱字がある状態で志望動機を提出すると、「基本的な文章作成能力が欠けている」「志望度が低い」。と判断されるかもしれません。
また、誤字・脱字だけではなく、文章表現におかしいところがないかも確認することが重要です。実は意味が違う言葉を使用していたり、「です・ます」調に統一されていなかったりなど、入念にチェックしましょう。
インターンシップに応募する前にやるべきこと
最後に、インターンシップに応募する前にやるべきことを紹介します。志望動機の作成以外にも、以下の内容に取り組んでおくことがおすすめです。
「自分がやりたいことや目標」を具体的に考える
自分の強みや長所について考える
自分の想いに合う企業を調べる
インターンシップに参加する目的を考える
それぞれ、詳しく解説します。
「自分がやりたいことや目標」を具体的に考える
まずは、自分がやりたいことや叶えたいビジョン、仕事を通して達成したい目標などについて、具体的に考えましょう。たとえば、「人を幸せにしたい」ということが目標であれば、その目標に対してどのようなことが大事なのかを考えていきます。
「人を幸せにするためには、どのような商品やサービスに関わるのがいいのか?」「幸せといっても、具体的にはどのようなことなのか?」など、深掘りして考えることが大切です。
自分の強みや長所について考える
仕事をする上で、自分のやりたいことや目標はもちろんですが、「自分がどのように活躍できるのか」「会社に貢献できるか」なども大切です。そのため、自分にしかない強みや長所について、しっかりと考えておきましょう。
まずは、過去を振り返って、自分が得意だったことや活躍できたこと、周りの人たちから感謝されたこと。を書き出します。その上で、どのような仕事であれば自分の強みを発揮できるのか、どのような環境の企業が活躍できそうかなどを考えて、言語化できるようにしましょう。
たとえば、「サッカー部の部長として部員と協力しあい、過去最高の成績をおさめられた」という場合は、「チームで一緒に取り組める環境」である企業を探せるでしょう。また、「部長だった」「向上心のある部員が多く、お互いモチベーションを高め合えた」「練習内容を自分たちで考えた」など、自分の立場や状況も深掘りできると、自分の強みを発揮できる環境が見つかりやすいはずです。
自分の想いに合う企業を調べる
自分が「やりたいこと」と「活躍できそうな環境」を明確にしたあとは、それらを実現できそうな企業を探しましょう。たとえば、企業のホームページや採用ページ、就活準備情報サイト。のインターネットの情報を参考にすることがおすすめです。事業内容や企業理念、先輩社員のインタビューといった、さまざまな内容を確認しながら、自分の想いと合致している部分を探すことが大切です。
インターンシップに参加する目的を考える
最後に、前述した内容をもとに「インターンシップへ参加する目的」を考えましょう。インターンシップに参加することで、企業や業界のどのようなことを知りたいのかを明確にしておくことが大切です。
たとえば、仕事内容や環境、将来目指せるキャリア、社員の人柄や雰囲気、仕事の進め方、若手が活躍できる環境かどうか。になります。
インターンの志望動機でNG例と改善点
インターンの志望動機でNGとなってしまう例と改善点を解説していきます。
NG例
①とりあえず成長したい
「とりあえず成長したいと書いておけばいい」という安易な考えはNGです。
「御社のインターンを通じて社会経験を積み、将来に活かしたいと思っています」
「いろいろと学べたら嬉しいです」
これらのように、社会経験を将来に活かすというのは抽象的すぎますし、いろいろと学びたいというのは具体性に欠けています。
② 企業名が誰でも置き換えられる
使いまわしできるような書き方もNGです。
「私は以前、◯◯社でのインターンを経験し、ビジネスマナーを学びました。今後も社会で役立つ経験を積みたいと考え、今回応募しました」
このような文章ではどんな企業にも使い回しができてしまいます。なぜその企業に応募したのか、という大事な点が書かれていないのは問題です。
③ 「やる気あります」のみのアピール
とりあえずやる気だけは負けません…というのもNGです。
「未経験ですが、御社のインターンで何でも吸収したいと思っています。成長意欲だけは誰にも負けません」
このような「根拠のないやる気」では信頼されないでしょう。「何を吸収したいか」、「どう貢献するか」が書かれていないのはNGです。
④ 経験がつながっていない
応募する企業と関連がない経験を上げるのもNGです。
「在学中に飲食店でのアルバイトで接客をしていました。御社のシステムエンジニアインターンに応募しました」
なぜIT職なのか、どうつながるのかが不明で、面接官にも意図が伝わりません。つながらない場合、「気づきや転換の理由」を入れてみるとつながる可能性が出てきます。
⑤ 全部他人任せ
受け身だけになってしまうのも印象がよくありません。
「実際の業務内容を知りたいと思い応募しました。私は業務未経験ですが、ご指導いただければと思います」
業務未経験者なので、インターンとして入社してから教えてもらう立場なのは当然ですが、「指導を受ける前提」のみだと、受け身な印象になりがちです。インターンは「学ぶ場」+「貢献する場」となりますので、片方だけはNGといえます。
NG例を改善するポイント
志望動機でNGとなってしまう場合、改善する方法をみていきます。
①抽象的表現:「何を」「なぜ」「どう学んだ」かを具体的に書く
②汎用的すぎる:企業独自の特徴に触れる
③やる気だけアピール:「「やる気の根拠」となる経験・エピソードを入れる
④経験が不一致:「経験→気づき→方向転換」の理由を説明する
⑤受け身すぎる:「自分からこう動きたい」「貢献したい」姿勢を入れる
ビフォー→アフターの例文比較
Before(NG例)
「将来のために社会経験を積みたいと考え、御社のインターンに応募しました。精一杯頑張ります」
After(改善例):
「 私は大学で経済学を学ぶ中で、データ分析や企業経営に興味を持ちました。
前回のインターンでは、小売業界のデータを用いたレポート作成を経験し、現場での判断と数字のつながりに強く関心を持つようになりました。
貴社のように実データに基づいたマーケティングを行う企業で、さらに深く学びたいと考えています」
抽象的な表現から具体的な内容を盛り込んでいます。「精一杯頑張ります」では、これまでの経験から、何を学びたいのかが分かるようになっているのがポイントです。
まとめ
今回は、インターンシップへ応募する際の志望動機について紹介しました。志望動機を作成する際は、応募先の業界や仕事に興味を持った理由やインターンを通して得たいこと、自分のスキルを交えることで、企業へアピールできます。
また、インターンシップを経験したあとに、さらに別の企業のインターンシップへ応募する場合、有利に働く可能性が高いです。インターンシップを経験したことで得た業界や仕事への理解度や自主性、成長意欲。をしっかり伝えると良いでしょう。